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序 論
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第T部 カント同時代の「啓蒙」のエートス
第1章 カント晩年の筆禍事件 第2章 秘密結社のベルリン水曜会 第3章 ベルリン水曜会の啓蒙論議 第4章 道徳性優位のエートス |
第U部 歴史哲学と世界市民主義の文献内在的検証
第5章 形而上学的見地と世界市民的見地 第6章 歴史哲学の重層的構造 第7章 市民社会論の課題 第8章 法的市民社会論 第9章 道徳的市民社会論 |
第V部 世界市民主義の新たな地平と現代的意義
第10章 世界市民主義の系譜とカントの世界市民主義 第11章 カント市民社会論の歴史的社会的様相 第12章 カント世界市民主義の現代的意義 |
結 論 |
あとがき より [本書の]論文のほとんどは、私が下関市立大学に着任して以降、定年に近くなるまでの期間に執筆したものである。やりたい研究をやりたいようにやらせていただいた下関市立大学に、まず感謝したい。加えて、本書の出版に際して下関市立大学の出版助成を受けた。重ねて深謝したい。 本書の上梓に至るまでに、多くの方々のご指導やご助言があったことは言うまでもない。紙幅の都合上、すべての方々のお名前を挙げてお礼を申し上げることはできないが、一名だけ挙げるとすれば、小倉貞秀先生(広島大学名誉教授)のお名前を挙げたい。広島大学文学部の倫理学研究室に入学して以来、公私にわたってお世話になった恩師である。 倫理学研究室の助手時代、同行した日本倫理学会の空き時間に古本屋を巡り、『社会史的思想史』(岩波書店、一九四九年)を見つけて、購入を勧めていただいたことは、私にとって、ありがたくもあり、驚きでもあった。まだ研究の方向性も定まらず煩悶していた時期だっただけに、私のようなカント研究でも認めていただけるのか、と心強く思った瞬間だった。 他方で、「こんな研究はカント研究ではない」という批判も受けながら、私流の研究を継続して本書の上梓に至ることができたのは、恩師小倉貞秀先生のこの一件があったからだと言っても過言ではない。すでに鬼籍に入られ、本書をご覧いただくことが叶わないのが悔やまれる。 最後に、出版事情が大変厳しい中、本書の出版をお引き受けいただいた晃洋書房、とりわけ編集部の福地成文氏に厚くお礼を申し上げたい。 二〇一九年十二月 西 田 雅 弘
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