湯田温泉の清水温泉。といっても、いわゆる温泉街からは遠く離れた場所にあり、いわゆる街中の銭湯。建物の外見や内装、設備などは、まさに銭湯以上でも以下でもありません。それにもかかわらず、この清水温泉では、超廉価な銭湯価格で贅沢なかけ流しが堪能できるのです。ちなみに場所は、山口警察署のある通り。
訪問当日は、小雨にもかかわらず、開店の8時30分以前からのれんの前に数人の待ち人。一番風呂をねらっていらっしゃる模様。【画像左】そして、開店と同時に次々とお客さんが来ます。【画像右】ちょっと驚いたのはタクシー。風呂上りのご高齢者が呼んだのかと思いきや、番台に「混んでる?」と運転手さん。どうやらご自分が入浴のつもりらしい。「混み合うので注意」という情報本の記述もうなずけます。
さて、浴場。大小2つ並んだ浴槽からは、これこそかけ流し、というようにお湯が滔々とあふれ出ています。小さい方の浴槽はジェットバス。ほかにサウナと水風呂も。素人目には、お湯は透明で、香りも感じられず、極めてあっさり系。でも、湯上りの保温感や保湿感は確かに温泉。これが銭湯なのですから、お風呂好きにはたまりませんよねえ。
気付いたのですが、人気の秘密がもう1つ。番台のご婦人。ある程度のご年齢とは思いましたが、とても愛想がよくてしかもお上品。風呂上りにそのご婦人にお話を伺いました。情報収集です。誠実にありのままをお答えいただいているという印象。こんな感じです。
(私)「やあ、いいお湯でしたよ」
―まず初めに泉質をしっかり褒めます。これで少しは心を開いていただけるかな、という思惑です(笑)―
(私)「このお湯は、どこから来ているのですか」
―源泉の場所を確認する本題に踏み込みます―
(番台)「湯田小学校の近くでございます。そこからパイプで送って駐車場のタンクに貯蔵しております」
―いきなりポイントを得た回答にこちらも調子付く―
(私)「湯田小学校はこの近くですか」
(番台)「湯田小学校……、あの……、ご存知でいらっしゃらないですか」
―説明に苦慮されているので、深追いは止め、話題を変えます―
(私)「分析表はどこですか」
―成分をアバウトに記載しただけの、年季の入った看板しか見当たらないので、ここは譲れません―
(番台)「脱衣場の壁にございますでしょ」
―いえ、それはおおまかな成分だけで、加温、加水、塩素消毒など、平成17年の温泉法施行規則改正による追加事項の掲示がありませんよ、と思いつつ……―
(私)「これですね。なるほど……」
―不審に思いましたが、お人柄に免じて深く突っ込まないことにしました。アハハハ―
早速、駐車場で確認。通りを挟んだ向かい側が駐車場です。十数台でいっぱいになりそうな未舗装の空き地。大きな水溜りも。その隅に大きなタンクがあります。これだな。【画像左】隣接して小型のタンクらしきものと、さらに小さなプレハブ小屋。大きなスレートの建物はお隣りでしょう。配管には温度計があって18度あたりを指しています。【画像右】
この大きいタンクに源泉のお湯が貯蔵されているらしいです。一部壊れた外板の隙間からガラスウールの断熱材がのぞいていました。周辺の配管や温度計は何のためのものなのでしょうか。給湯システムの全体像を把握することはできませんでした。その後、地図で調べて湯田小学校周辺を車で徘徊。しかし、それらしい源泉地を確認することもできません。タンクの背後に見える小山の裏手あたりが湯田小学校の場所。いずれにせよ、源泉地はかなり遠いです。
一般に、かけ流しであることは浴槽の構造を見れば簡単に確認できますが、しかし、源泉がどのような仕方で湯口に導かれているのかを確認するのは困難な場合が多いでしょう。源泉地から湯口まで、自分の目で見ながら配管をたどってみることができればいいのですけどね……。「源泉かけ流し」がホンモノとは言うものの、それを実地に検証することは容易なことではないのかもしれません。ウム。
