新車であれ、中古車であれ、オーナーとして自動車登録をする際には、いくつかの書類の提出が求められます。そのうち欠かすことのできないものが「自動車保管場所証明書」、いわゆる車庫証明。この証明書は、駐車スペースさえ確保できれば、素人でも簡単に取得することができます。販売店や関連業者に依頼すると、代行料として20000円近く請求されることもまれではありませんが、実費は、わずかに証紙代の2500円のみ。ユーザー車検のように定期的に継続するものでもなく、登録時だけの手続きですが、自分で取得することができれば経費節減にとても有効です。 私の何回かの経験に基づいて手続きの方法をご紹介しましょう。と言っても、所轄警察署の車庫証明の窓口で用紙一式(A4サイズ、数十円)を購入し、必要事項を記入して提出するだけです。あとは指定の日時に受取印を持参して窓口で証明書とシールを受け取ります。不明な点は、窓口に尋ねて教えてもらいましょう。ただし、私の経験では、無愛想。用紙は4種類ありますが、必要なのはそのうち3つ。以下、記入のポイントと用紙のイメージを掲載してみましょう。 |
複写4枚綴りの申請書。正確には、上2枚が「自動車保管場所証明申請書」、下2枚が「保管場所標章交付申請書」。車名、型式、車台番号、自動車の大きさ(長さ、幅、高さ)、自動車の使用の本拠の位置〔自宅住所等〕、自動車の保管場所の位置〔車庫の場所〕を記入して、申請者の住所、氏名と捺印。ただし、車庫の場所については、住居にある駐車場では「住居表示(○番○号)」、土地だけの駐車場では「○番地○」、と窓口で教えていただきましたが、私の場合、「住居表示」で問題ありませんでした。2枚目と4枚目には「収入証紙貼付」の枠があり、証明書2000円、標章〔シール〕500円を貼付します。 新車の場合、車台番号は販売店を通さないと情報が得られないので、教えてもらえない場合はお手上げ。この点は、購入者にとって決定的に不利。高額な代行料を請求される要因になっているように思います。そういう場合は、理不尽ですが、代行料を支払って車庫証明をお願いするか、あるいは「教えてくれなかったら、買わないよ!」というくらいの強い心構えが必要かもしれません。 |
2.保管場所使用承諾証明書 車庫にする場所の土地や建物が自分のものでない場合、その所有者もしくは管理者の承諾が必要です。保管場所〔車庫の場所〕、使用者〔自分の住所、氏名〕、使用期間〔1年間程度〕を記入し、そして、借家の場合は大家さんもしくは仲介不動産業者、契約駐車場の場合は地主さんもしくは仲介不動産業者に出向いて、署名捺印をお願いすることになります。 車庫証明を自分で取得しようとするとき、一番厄介なのがこの承諾書でしょう。不動産業者の場合は、まだ事務的に済みますが、大家さんや地主さんを探してお願いすることになると、手間と時間がかかります。ただし、仲介業者を通さないで直接大家さんや地主さんにお願いすると、駐車場代が格安になることもあります。私の経験では、舗装・屋根なしで月額5500円相場のところが3000円でした。大都市在住の方には信じられない金額かもしれませんね。 |
3.保管場所使用権原疎明書面(自認書) 車庫にする場所の土地や建物が自己所有である場合、自認書を提出します。「保管場所である土地・建物は、私の所有であることに間違いありません」という一文に、住所、氏名を記入して捺印。事実に反して、ウソの自認書を提出しようとしてもダメ。調べられたらすぐバレてしまいます。なにせ提出先は警察署ですからね。 「権原」にしろ、「疎明」にしろ、日常的な言葉ではありません。法律用語。手続きは専門家に任せて、素人は手を出すなってことなのでしょうかね。 |
4.保管場所の所在図・配置図 保管場所の位置が分かる広範囲な所在図を左半分に、保管場所に接する道路の幅や保管場所の平面の寸法を記入した配置図を右半分に記入します。使用の承諾さえ得られれば、この作業は比較的容易。 所在図には、別紙として、市販の地図のコピーを添付できることになっています。使用の本拠の位置(自宅等)と保管場所の位置の間を線で結んで距離を記入します。 配置図は、メジャーを使ってメートル単位で計測します。屋根がある場合、高さの寸法はどうするのでしょうね。曖昧です。複数の自動車を保管する駐車場の場合は、どの区画か分かるように図面で指定します。私は、実際の駐車場の区画にも名札を取り付けました。大抵は駐車スペースが白線や埋め込みロープなどで明示されていますが、そうでない場合でも、調査時に分かるように、ラインを引くなどしておく必要があります。 この保管場所の寸法が上の「1.自動車保管場所証明申請書」の自動車の大きさの数値に適したものでないといけないことは言うまでもありません。「トレーラーのカプラー部分がちょっと出るくらいなら構わないですか」と、あえて窓口で尋ねてみましたが、自動車の形状の問題ではなくて、数値上の整合の問題だということでした。ごもっとも。 記入例@ トレーラーを自宅前の駐車スペースに登録するため、すでに登録していたハチマルの保管場所を変更する届出に添付した図面。所在図は、市販地図のコピーから作成。自宅からの距離は100m。自宅の部屋から見える駐車場を探しました。配置図は自作。個々の駐車スペースを書き、自分の保管場所を、縦・横のサイズとともに明示します。接する道路の道幅も記入します。 保管場所を変更する場合も、証明書の申請と類似の用紙で同様の手続きをして、新しいシールを受け取ります。同一の保管場所に2台登録することはできませんからね。この場合には、証明書はありません。 記入例A トレーラーを自宅前に登録するための車庫証明の申請に添付した図面。所在図は上とまったく同じもの。配置図は、この程度でも大丈夫のようです。長さが5.5mというところが重要なポイント。通常の5mの駐車スペースでは、多くの場合、トレーラーの車庫証明の取得はできません。 我が家のバーストナーの全長は、5.35mです。数値上、玄関への階段との隙間がわずか15cmになって、家に入れないことになってしまいますが、こちら側がドローバー部分なので、実際上はまったく問題ありません。でも、トレーラーの形状を見ていない調査担当者からは何の指摘もありませんでした。やはり、数値の整合だけの問題ということなのでしょうね。 |