【CICの個人信用情報】
今回の一件で、信販会社の対応には、どう考えても納得がいかない。不当な債務者扱いを受け名誉を毀損された、という印象を払拭できないからだ。プジョー代理店の部長氏が我が家にお見えになってから1ヶ月近くたった頃、信販会社の債権担当の中野氏から電話が入る。「信用情報が削除されているのを確認しました。」うん?どういうこと?入金の督促を受けながら、結局入金しなかったわけだから、たしかに「滞納」ですよね。でも、信販契約そのものがキャンセルになったので、その履歴を削除したってことなのかな?
とりあえず、不当に債務者扱いを受けたという印象を私が持っていることを中野氏にお伝えする。そして、そういう事態が生じた事実関係と責任の所在をご説明いただくようにお願いする。「営業の担当者に伝えておきます。」オイオイ、またタライ回しかよ。翌日、支店のチーフマネージャーと称する川床氏が我が家にお見えになった。今回の一件で責任者の立場にあった方のようだ。対応に不手際があったことを詫びておられるが、事実関係がちっとも明らかにならない。詳細に調べてこちらの期待に応えようという姿勢ではないらしい。埒があかない。支店レベルの問題だけでもなさそうだ。早々にお引き取りいただく。
CIC(Credit Information Center)という会社をご存じだろうか。クレジット会社などが共同出資して設立した個人信用情報会社。クレジット取引に関する個人信用情報が、クレジット会社によって登録されているのだ。つまり、ここには、本人を識別するための、氏名、生年月日、住所、電話番号などと合わせて、その個人のクレジット取引情報が登録されているわけである。さらに、破産宣告や禁治産宣告などの個人情報も収集されている。
取引情報には、契約通り支払い中あるいは支払い済みの「成約」、支払いが遅れている「延滞」、さらに「延滞後入金」「延滞後完済」「延滞後解約」などの情報のほか、「貸倒」「保証履行」「代位弁済」などの情報も登録される。要するに、われわれがクレジット契約を申し込んだとき、クレジット会社はここの情報を調べて、申し込み者を審査しているのである。事故情報が登録されていれば、申し込みが断られることもあるわけだ。
信販会社の中野氏は、このCICの個人信用情報のことを言っていたのだ。私自身の信用情報がどうなっているのか、やはり自分自身で確認しておきたい。最寄りのCIC支店の窓口に行って、情報開示の申請をする。CICの個人信用情報は、その会員会社のほか、当事者本人に限って開示を請求することができる。運転免許証など、本人であることを確認できるものを持参すれば、無料で、登録内容を書面で確認できるのだ。
受け取った「信用情報開示報告書」によれば、デパートでの買物の記録はあるものの、先般の一件に関する登録はない。中野氏が言う通り、すでに削除されているのかもしれない。しかし、削除以前にどういう内容が登録されていたのかを確認することはできなかった。「延滞」だったのだろうか。もしその間に照会があったとすれば、その個人信用情報に基づいてどういう審査結果が出されていたのだろうか。釈然としない。
個人信用情報が、CICを初めとする個人信用情報機関に登録され、その会員によって利用されることについては、消費者の同意を得ることになっている。でも、プジョー代理店の営業さんは、信販契約の際にそんなこと一言も説明しなかった。もう一度、契約書の裏面の「契約条項」をよく読み返してみると、たしかに、読みづらい細かな字で、「信用情報機関等への登録と利用の同意」の一項がある。契約書を熟読しないお前が間抜け、というわけだ。
念のため、残債の記録が登録されているデパートのクレジット・カード窓口に問い合わせの電話を入れてみる。「すでに引き落とされているのに、まだCICに残債が登録されたままなのですが……。」応対の女性、「引き落としは済んでいます」とはおっしゃるものの、こちらの問い合わせの主旨をご理解いただけない様子。そこで、CICの業務概要、そちらのデパートが会員会社であること、などを説明する。「しばらくお待ち下さい。」次に登場した2番手の方も、同じように要領を得ない。さらにもう一度、先程と同じ説明を繰り返す。「調べて折り返しご連絡いたします。」
しばらくたって電話が入る。3番手の方は、こちらの問い合わせの主旨をご理解されている様子。管理職らしい。三度目の正直。「こちらは、いつも通り、CICにデータを送っています。CIC側の更新のタイミングではないでしょうか。」なるほど。「もう少し社員教育をして下さい。CICについて、お宅の社員の方に2回も同じ解説をして差し上げました。」「こういうやり取りをする機会はほとんどないもので……。」クレジット業務の現場の人たちですら、個人信用情報の実情については、あまりご存知ないってことなのかなあ。
【信販会社への手紙】
00/01/07
日本信販株式会社 御中
謹啓 新春の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。 さて、昨年、車を購入するにあたり、貴社のオートローンを契約しましたが、引落し日までに納車されず、大変困った事態になりました。この一件に関する貴社の対応、およびその後の貴社の姿勢について、いくつかお尋ねしたいことがあります。 貴社下関支店および北九州支店の担当者とは、すでにお話をしていますが、支店レベルだけの問題でもなさそうですので、あえて貴社本社に直接問い合わせをすることにいたしました。どうかよろしくお願いいたします。 まず、事実関係を記述し、それから、お尋ねしたい点を述べます。 99/08/08 車を購入するにあたり、納車時に現金で支払いたいという当方の意向とは違って、半ば強引に貴社のオートローンを契約させられることになりました。支払総額214万円、支払回数1回、09/27引落し。引落し日までには納車する、という自動車販売店の説明でした。同日夜、貴社の男性から自宅に契約確認の電話がありました。 99/08/09 午前、貴社の女性から勤務先に契約確認の電話がありました。 99/09/17 貴社下関支店から「クレジットご利用代金請求書」が郵送されて来ました。09/27までに入金するよう記載されていましたが、まだ車を受け取っていないので、記載の「ニコスコールセンター」に電話し、納車されない限り入金するつもりのない旨、意向を伝えました。折り返し、自動車販売店に事実関係の確認をした、という連絡をいただきました。同日夜、自動車販売店の営業担当者が自宅に来られ、貴社から問い合わせがあったこと、納車が引落し日までに間に合わない場合は、引落しを延期する、という説明を受けました。(結局、引落し日までに納車はありませんでした。) 99/10/02 貴社北九州支店の債権担当の中野さんから、09/27に振込がなかったことについて、自宅に問い合わせの電話がありました。「お客様の信用にキズがつくことになっては大変です」という発言に脅威を感じました。まだ車を受け取っていないこと、納車されない限り入金するつもりはないこと、を再度伝えました。そういう事情であれば、再引落し日にも入金しないように、と説明を受けました。 99/10/05 貴社北九州支店から、10/08までに「ご指定口座へご入金下さい」という書面が郵送されて来ました。金額は、再請求手数料を加算した214万210円でした。その日の夜、貴社下関支店の米岡さんから、「再引落し日までに入金して下さい。高額ですのでよろしくお願いします」という督促の電話をいただきました。この際にも、繰り返し、まだ車を受け取っていないこと、納車されない限り入金するつもりはないこと、を伝えました。「下関支店では詳しいことが分からないので、北九州支店にお尋ね下さい」という返答をいただきました。(後日、この日の督促については、担当者が独自に行ったことだと、貴社下関支店の川床さんから説明を受けました。)
99/10/07 下関市消費生活センターで、「支払停止の申出の内容に関する書面」を作成し、貴社下関支店代表責任者宛に配達証明で郵送しました。同日夜、自動車販売店の管理職の方が自宅に来られ、(1)納車は11月下旬以降になること、(2)信販契約は赤伝処理すること、(3)車の代金は納車時に現金で支払うこと、を確認し、あわせてお詫びの意思を表明されました。自動車販売店の方が帰られた直後に、貴社下関支店の川床さんから、今回の信販契約はキャンセルにする旨、連絡をいただきました。 99/10/08 貴社北九州支店の中野さんに、信販契約をキャンセルにすることについて確認の電話をしました。「手続きが完了したらご連絡します」という返答をいただきました。 99/10/21 貴社下関支店から「支払停止の申出の内容に関する書面」が配達記録で返送されて来ました。 99/10/23 貴社下関支店からオートローンの契約書が簡易書留で返送されて来ました。「10/19付でキャンセル処理済です」という、川床さん署名の文面が同封されていました。 99/11/03 貴社北九州支店の中野さんから、信用情報が削除されているのを確認した旨、自宅に電話がありました。その際に、今回の一件、とりわけ10/05の件で、私が、不当に債務者扱いを受け、名誉を毀損されたという印象を持っていることを伝えましたが、「北九州支店では詳しいことが分からないので、下関支店に連絡しておきます」という返答をいただいただけでした。 99/11/04 貴社下関支店の川床さんから職場に電話があり、同日夜、川床さんが自宅に来られました。お詫びの言葉はありましたが、どうして私がこのような理不尽な債務者扱いを受けることになったのか、という質問には、曖昧な態度のままでした。 99/11/09 CIC中国支店で、信用情報開示申請をしましたところ、貴社関連の記載はありませんでした。すでに削除されたものと思いましたが、削除以前にどのような信用情報の記載があったのかを確認することはできませんでした。
1.貴社に関する私の信用情報が、貴社北九州支店の中野さんが言われる通り、すでにCICの情報から削除されていたのだとすれば、削除以前にどのような情報が記載されていたのでしょうか。私の場合、引落し日に入金しなかったので、「滞納」の記載だったのでしょうか。中野さんは事故扱いではなかった、とおっしゃっていますが、どのようにして確認すればよろしいのでしょうか。ご教示下さい。 2.信販契約後、貴社からニコスカード入会の案内をいただきました。信販契約の個人情報が、貴社の内部で信販契約以外に目的外に流用されていることにとても驚きました。契約時にそのような説明は一切受けませんでした。貴社北九州支店の中野さんから、社外への流出はない、という説明を受けましたが、とても不安に思いましたので、貴社にある私の個人情報を削除していただくようにお願いしましたところ、断られました。信販契約はキャンセルですから、私と貴社との契約関係は存在しません。それにもかかわらず、私のプライバシーにかかわる個人情報を貴社が所持し続けるのは、なぜなのでしょうか。ご説明をお願いします。 3.今回の一件以降、貴社には顧客の人権についての意識が希薄、という印象を払拭できないままでいます。正当な理由があって入金しないでいる者を債務者扱いし、重ねて入金の督促をする、という貴社のやり方は、当事者の名誉を不当に毀損するものにほかなりません。営業部門と債権部門を分業化し、事業の効率化を図ろうとする貴社の企業論理の下で、顧客の人権が軽んじられています。下関支店と北九州支店の間には、情報の交換がほとんどなかった模様です。何度もタライ回しにされ、お互いに責任を転嫁している、という印象を受けました。
お尋ねしたいことは、以上の3点です。どうか、責任ある立場の方のご回答をよろしくお願いいたします。
敬具
|
【信販会社からの返信】
00/01/14
日本信販株式会社
拝啓
大阪お客様相談室 室長 山 本 淳 一 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 さて、さっそくでございますが、この度、お客様よりお手紙を頂戴致しましたので、経緯を調べましたうえで、ご返事を差し上げました。お手紙の中でご質問を3点頂いておりましたので、それぞれのご質問についてお答え致します。 @ CICの情報は、お客様が確認なさった通り、すでに削除されておりまして、それ以前の情報がどのような情報だったのかという点につきましては、すでに削除されている以上、弊社側にも確認の仕様がございません。 また、お客様の社内データは、赤伝処理によりすでに削除されておりますので、いわゆる「滞納」の記録についても一切存在しておりません。 A 個品割賦契約(お客様のおっしゃる信販契約)をお申し込みのお客様に「カード会員募集のダイレクトメール」を差し上げましたのは、弊社ではその時期、カード会員の募集期間中でしたので、もし、カード会員に入会のご希望があればご入会いただければ幸いです、ということでして、決して無理強いする意図はございませんでしたが、今後は西田様に「カード会員募集のダイレクトメール」は、お送りしないように処置を致しましたので、ご容赦下さい。 また、弊社ではお客様の個人情報は厳重に管理しまして、社外に流出させることはございませんので、どうかご安心下さい。お客様の個人情報につきましては、「弊社にお申し込み後にキャンセル処理になった」という受付記録が残っているだけでございまして、これは事実でございますので、この受付記録を取り消すことはできません。
弊社の下関支店と北九州支店の間の内部連絡の不手際につきましては、弊社も今後は充分に注意してまいる所存でございます。ただ、このことと「顧客の人権についての意識が希薄」ということは、まったく別の次元の問題であると存じます。弊社も同業他社と同様に、「お客様の人権をしっかり守り、お客様の人権に充分に配慮した」営業をいたしておりますので、どうかご安心くださるようお願い申しあげます。
敬具
|
【信販会社への手紙(2)】
00/02/21
日本信販株式会社
大阪お客様相談室 山 本 淳 一 様 拝復 向春の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
1.信用情報機関への個人信用情報の提供について
2.貴社内での個人情報の管理について
3.事態の経緯について
敬具
|
【信販会社からの返信(2)】
00/03/13
日本信販株式会社
拝啓
大阪お客様相談室 室長 山 本 淳 一 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 さて、さっそくでございますが、お手紙を頂戴いたしましたので、返書を差し上げました。お客様の今回のご質問とご意見は、弊社の社内業務および弊社と個人信用情報機関との間の業務に関わる事柄でございますので、誠に申し訳ございませんが、弊社の規定により今回のご質問とご意見にひとつひとつお答えすることは差し控えさせていただきます。前回私から差し上げたお手紙の内容以外に、特にコメントを加える余地はございませんので、どうか悪しからずご了解くださいますようお願い申し上げます。 前回のお手紙でもご報告申し上げました通り、お客様のクレジットのお申し込みはすでに、赤伝処理(クレジットの解約処理)がなされており、弊社側の『社内データ』はすでに削除されておりますので、調査しようにも調査することが不可能でございます。西田様の削除された『社内データ』が『交流データ』として、CICやその他の個人信用情報機関に登録されていたということは、過去にも現在も一切ございません。もしお客様の側でCICさんに個人信用情報の開示の請求をしていただければ、納得いただけると思います。 『個人情報の目的外使用では?』というご指摘につきましても、弊社のクレジット(個品割賦契約)をお申し込みなさったお客様に、弊社のカード会員募集のダイレクトメールをお送りはいたしましたが、これは信販業界のみならず、銀行業界・百貨店業界など世間一般のすべての企業で行われている顧客獲得のための一般的な施策でございます。なぜ弊社のみが、弊社のお客様にダイレクトメールをお送りして、顧客の拡大を図ってはいけないのか、不可解に思います。このダイレクトメールにより現実に、大勢のお客様にカードの入会のお申し込みを頂いておりますし、『私には不要だからダイレクトメールは送らないでください』と言うご連絡を頂いたお客様には、二度とお送りすることはありません。 『支払停止のお申出の内容に関する書面』のコピーも送っていただきましたが、昨年10月初旬にも1度弊社に送って頂きましたので、その時点ですでに弊社側で記録を保存しておりますのでどうかご安心下さい。 以上簡単ではありますが、ご説明させて頂きました。いづれに致しましても弊社と致しましては、お客様の今回のご意見を真摯に受け止め、今後の業務のあり方に生かして参る所存でございます。なにとぞご寛容のほどお願い申し上げます。 それでは最後になりましたが、お客様のご健康とますますのご活躍を願いまして返書とさせて頂きます。 敬具
|
【「信販会社からの返信(2)」への対応】参ったなあ。お客様相談室の担当者からは、もうこれ以上、納得のいく説明を期待できそうにない。これじゃあ決着が付かないじゃないの。落としどころをどうするか。思案のしどころ。
問い合わせについての実質的な回答は、やはり当地下関支店の担当者に直接質す方がいいってことかな。下関支店の川床氏とは、昨年11月初旬、我が家にお詫びにお見えになって以来、会っていない。お詫びをされている方に、たたみかけるようにさらに問い質すのは倫理に反する、と思っていたが、仕様がないよね。もう一度会うことにしよう。お客様相談室の担当者には、もう返信はいらないということで、礼状を送ろう。ただし、その対応が適切さを欠き、納得のいかない旨、本社社長宛に書面を送ることにしよう。それから、監督官庁の行政機関にも、今回の一件について意見を聞いてみよう。そういうことで、どうだろう。
早速、下関支店の川床氏にアポイントをとるが、電話で応対したお姉さん、何だかガードが硬いぞ。何を警戒しているんだろう。結局、それじゃあこれから伺います、ということに。信販会社等を直接訪問するのは、今回が生まれて初めて。まだ新しいビルの3階。パーテイションの仕切りがあってドアが2重になっている。内部の様子は分からない。応接ソファーのある小さな部屋に通された。お茶を出してもらったが、天井付近から、小型のカメラがこちらをねらっている。
お客様相談室との手紙のやり取りについて、川床氏はすでにご存知だった。(1)個人信用情報の取り扱い、(2)個人情報の目的外使用、(3)社内連絡の不手際、について、1時間余りお話を伺った。前回、我が家でお会いしたときは、しょんぼりして元気がなかったが、さすがに自分の城でははつらつとしていらっしゃる。こちらが尋ねることには、かなり率直にお話していただき、実情をご説明いただいた、という印象。まあ、納得。別れ際、「何かありましたら、またいつでもどうぞ」という川床氏に、「いやこの件は、もうこれでオシマイに……」。とりあえず、これで1つ片付いた。
【信販会社への手紙(3)】
00/03/21
日本信販株式会社
大阪お客様相談室 山 本 淳 一 様 拝復 早春の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 さて、再度ご返信をいただきどうもありがとうございます。拝読させていただきましたが、「前回私から差し上げたお手紙の内容以外に、特にコメントを加える余地はございません」とのことで、愕然としています。 前回のご回答の内容に納得がいきませんでしたので、より踏み込んだ内容のご回答をいただくよう再度お願いいたしました。当方のお願いには応えていただけないということですね。貴社日本信販のあり方についての疑念や不信感、それに私の屈辱感や憤懣やる方ない気持ちは、解消されないままになりました。誠意のある対応をしていただけなかった、と理解してよろしいですね。 「もしお客様の側でCICさんに個人信用情報の開示の請求をしていただければ、ご納得いただけると思います。」 私がお送りした00/01/07付の手紙をお読みいただいていないのでしょうか。今回の一件について事実関係を記述しました折、99/11/09にCIC中国支店で信用情報の開示請求をした旨を記しています。すでにCICに開示請求をした上で貴社に問い合わせの手紙を差し上げている、ということをご理解いただいていないようですね。その際、開示された内容に貴社関連の記載はなく、すでに削除されたものと思いましたが、削除以前にどのような信用情報の記載があったのかを確認することはできませんでした。CICの担当者からは、削除以前の記載内容については、信用情報を提供された日本信販にお尋ね下さい、という説明を受けました。山本さんは、私の問い合わせの主旨をご理解されていないようです。 「なぜ弊社のみが、弊社のお客様にダイレクトメールをお送りして、顧客の拡大を図ってはいけないのか、不可解に思います。」 個人情報の目的外使用に関する山本さんのご見解は、私の主旨を曲解して、開き直っていらっしゃるものとしか思えません。これは、品位と良識のある社会人の姿勢ではありません。 貴社の個品割賦契約の書面は、そのままカード会員の募集用紙にも複写されるようになっていました。貴社カードの申込みを検討したい人にとっては、複写で片付く方が面倒でないことは確かです。しかし、個品割賦契約の際にそのことを説明すべきです。私にはまったく何の説明もありませんでした。したがって、私はそのことをまったく承知しないまま個品割賦契約の書面に記入しました。 本来、カード会員の募集は、個品割賦契約とはまったく別物です。両者を同一の複写綴りとするからには、契約者にその旨を説明して、当事者の了解を得る必要があるはずです。ただ単に個品割賦契約の書面に記入したものとばかり思っていましたのに、カード会員募集のダイレクトメールが届き、とても驚きました。私は、個品割賦契約以外の目的のために、貴社が私の個人情報を使用されることに同意した覚えはありません。 当然のことながら、貴社が顧客にダイレクトメールを送られることに異議を申し上げているわけではありません。当事者への説明とその同意がないままに、当事者の了解している目的とは異なった別の目的のために個人情報を使用なさっている点に異議を申し上げているのです。個品割賦契約の書面に目的の異なった用紙を添付し、しかも契約者にその旨を説明することなく、したがって、当事者の了解もなしに、無断で個人情報を収集されるという貴社のやり方はフェアでない、と申し上げているわけです。これでもまだお分かりいただけませんか。 「『支払停止のお申出の内容に関する書面』のコピーも送っていただきましたが、昨年10月初旬にも1度弊社に送って頂きましたので、その時点ですでに弊社側で記録を保存しておりますのでどうかご安心下さい。」 前回お送りいただいたご返信では、「お客様の個人情報につきましては、「弊社にお申し込み後にキャンセル処理になった」という受付記録が残っているだけ」とおっしゃっていました。ところが、今回のご返信では、「支払停止のお申出の内容に関する書面」の記録が保存されている、とのことです。「受付記録」以外にも記録があるわけですね。前回と今回では、山本さんのご回答の内容に齟齬があります。どちらが本当なのでしょうか。あるいはどちらも本当ではないのでしょうか。 今回の「支払停止のお申出の内容に関する書面」の取り扱いについて、山本さんは、事実関係を十分に把握されていないのではないでしょうか。数日前、貴社下関支店に念のため確認しましたところ、川床さんからは、山本さんのおっしゃっている内容とは異なった説明を受けました。山本さんのおっしゃることの信憑性に疑念を懐かざるを得ません。 いずれにせよ、今後私の個人情報が貴社に残ることは間違いなさそうです。山本さんは、「事実」だから削除できないとおっしゃるわけですが、私も同様に、事実を「事実」として記録に留めることにいたします。現金で支払いたいというこちらの意向に反して、半ば強引にオートローンの契約をさせられたこと、その後、貴社日本信販によって不当で理不尽な早期遅延の扱いを受けたこと、その件をお客様相談室にご相談申し上げたところ、誠意のある対応をしていただけなかったこと、そして、山本さんとのやりとりの手紙の内容などを、ありのままに事実として記録に留めたいと思います。ご異存はないものと思います。この記録が、貴社日本信販の企業イメージの低下や営業活動の不振に影響を及ぼすことにならなければよいがなあ、と懸念します。 私は、山本さんに「説明」をお願いしているのですが、前回いただいたご返信の「同業他社と同様」や、今回のご返信の「世間一般のすべての企業で行われている」という論拠は、論理的な説明としてはまったく説得力を持ちません。同業他社がどうであれ、世間一般の企業がどうであれ、本来どういうあり方が最も適切なのかをまず考えるべきではありませんか。 山本さんのお手紙の文面からは、緻密に議論を積み重ねて説明し納得してもらおう、というよりも、問答無用で威圧的にねじ伏せよう、という姿勢を感じます。前回もそうでしたが、今回とくにそう感じました。このような姿勢は、山本さん個人の資質によるもので、貴社日本信販に固有の企業体質ではないことを願わずにいられません。 もうこれ以上何も申し上げることはありません。ご多忙中恐縮ですので、今後のご返信は不要です。これまで、2度にわたってご返信をいただき、本当にどうもありがとうございました。どうかお身体に気をつけられて、今後ともご活躍下さい。 敬具
|
【信販会社社長への手紙】
00/03/23
日本信販株式会社
代表取締役社長 鈴 木 公 久 殿 謹啓 早春の候、貴社にはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。 さて、唐突に手紙をお送りする失礼をどうかお許し下さい。昨年、自動車の購入に際して心ならずも貴社のオートローンの契約をしました。その契約に関して、貴社から理不尽な早期遅延の扱いを受けましたので、貴社のお客様相談室にご相談申し上げましたところ、誠意のある対応をしていただけませんでした。貴社のあり方についての疑念や不信感は払拭されず、私の屈辱感や憤懣やる方ない気持ちは解消されないままになりました。詳しい経緯や相談室の対応は同封の別紙文書に譲りますが、この経験を踏まえて、僭越ながら貴社のあり方について、私の意見を簡潔に申し述べさせていただきます。 1.社内連絡体制の不備について 私が理不尽な早期遅延の扱いを受けることになった原因は、貴社の社内連絡体制の不備にあります。顧客個人からの声を業務に反映させるシステムが十分に確立されていません。この体制の不備については、支店の担当者も相談室の担当者も認めています。今回と同様の事態が今後も引き続き生じることは、容易に推測されます。代理店だけでなく、顧客個人からの情報も業務に反映される社内連絡体制を確立されますようお願いいたします。 2.個人信用情報の取り扱いについて 間違った早期遅延の情報が、当初、個人信用情報機関にどのような形で提供されたのか、あるいはされなかったのか、という点について、相談室の担当者は十分な説明の根拠を提示することができません。当事者本人が、自分の個人信用情報がどのように取り扱われているのか知ろうとしているのに、なぜ明確な対応をされないのでしょうか。そのような納得のいかない姿勢によって、むしろ貴社自体の信用が損なわれようとしています。プライバシーや人権にかかわる個人信用情報の取り扱いについて、少なくとも当事者本人には、納得のいく明確な説明をされますようお願いいたします。 3.個人情報の目的外使用について
敬具
|
【監督官庁への問い合わせ】どこに問い合わせたらいいのだろう。信販業の監督官庁はどこなのだろう。文献で調べる手もあるが、こういうときは、直接どこかに当たってみるのが手っ取り早い。
とりあえず、財務局に電話をしてみる。「当該会社を呼んで、事情を聞くこともできますが、こちらは貸金業の関連、割賦契約は通産局です。連絡先をお知らせしましょう。」男性担当者は、とても丁寧。大蔵省と通産省で担当が違うんだ。お門違いとは思いつつ、せっかくだからと、ご意見を伺ってみる。「どんな実害が発生していますか。」「法に抵触しているということではありませんね。」なるほど、法律ですか。法治国家の行政機関ですものね。
教えていただいた通産局に、改めて電話する。消費者相談センター。こちらは女性の担当者。「信販の審査が通らない、というような、深刻な事態ではないので、まあそう気になさらなくても……。」「一応、日本信販に関して情報提供があった、ということで処理させていただきます。」まあ、そういうことですかね。いやあ、もろもろ勉強になりました。
【新聞からスクラップ】2003年(平成15年)8月22日(金曜日)「毎日新聞」第27面 発行所:毎日新聞西部本社
お客様各位 平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。 このたび、お客様にご送付させていただきました、現在ご利用の変動金利型住宅ローン償還予定表(平成十五年七月〜同年十二月ご返済分)につきまして、同内容記載の弊社事務用保管分の内、横浜支店扱い分二四八二件が、ヤマト運輸株式会社における輸送過程におきまして紛失するという事故が発生いたしました。 すでに、該当するお客様にはお詫びとご報告を申し上げておりますが、弊社及びヤマト運輸株式会社双方において対策委員会を組織し、徹底的な調査・捜索を継続いたしております。 個人信用情報の保護・管理を最重要課題とする弊社にあって、このような事故が発生してしまったことは、誠に遺憾であり、お客様にはご心配をお掛けすることとなりましたことを、ここに深くお詫び申し上げます。 今後、二度とこのようなことのないように個人信用情報の保護・管理の徹底をはかり、事故の発生防止に努めて参る所存でございます。 何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。 平成十五年八月二十二日 日本信販株式会社 代表取締役社長 大森一廣
|