〔煙室扉ハンドルの改造〕
 
 
 手元の写真集などをざっと見回したところ、C1162、C1168、C11211、C11219、C11220、C11329、C11349などのハンドルも同様の平板仕様。C11165、C11336では、長穴ではなく丸穴が4つ。C11以外にも同様の仕様があることも確認。ただし、中にはリングの外に十字の取手がなく、長穴の1箇所に取手が1つだけ付いたものもある。
 
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 『蒸気機関車設計図面集』(原書房、1997年)を見ると、煙室扉のハンドルはリングだけというのが基本のようだ。国鉄の蒸気機関車では、そのリングに取手が1つ追加された仕様のものが多い。リングの外に十字の取手が付いたものはむしろ少数派。リングの内側が平板のものはさらに少ない。
 
 C11328の煙室扉ハンドルの長穴のうち、1つだけ穴が大きいのがナゾだったが、どうやらこの大きい穴には、かつて取手が付けられていたものと推測される。その後、これを取り払って、リングの外側に十字の取手が付けられたのであろう。じっくり観察するといろいろなことが分かりますね。
 

 加工前のハンドル。組立の時から、真鍮色の方がいいのになあと思っていた。煙室扉は、運転後の掃除のたびに開閉するので、すでに十字の先端の黒色が薄くなりかけている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 紙ヤスリで磨きました。最初に#400、それから#1000。黒が落ちた後に赤銅色が出てきたので、あわてました。あれれ、真鍮じゃなかったの。赤色じゃイメージが違うなあ、どうしよう……。半泣きになりつつ、そんなはずはないと信じて、さらに磨くと赤銅色の下から真鍮色。よかったあ〜。研磨剤で仕上げるとピカピカの真鍮の輝き。エヘヘ。
 
 
 
 
 
 
 
 


 さあ、今回の問題はここからです。リングの内側に貼り付ける真鍮板には、いわゆるメタルシートを使用。厚さ0.1mm。こんな薄板に直接ドリルで穴をあけると、まず真円にはなりません。しかも隣接して複数あけるので、間違いなくボコボコになってしまいます。さあどうしましょう。メタルシートの糊をそのまま利用して、1.0mmの真鍮板に貼り付けました。円弧のケガキに自信がないので、鉛筆書きした紙を貼り付けてケガキの代用。
 
 
 
 
 
 
 


 真鍮板への貼り付けは大正解。中心6.0mm。周囲に2.0mmを並べて長穴に。もちろんそれぞれ最初は0.8mmの下穴から。シンナーで真鍮板からはがすと、バリやゆがみもなく、ほぼ満足。ハサミで直径14mmに切り出し、ハンドルの内径にピッタリ合うまでヤスリで微調整。吹けば飛んでしまうこんな薄物でも手間と時間がかかります。失敗したらもう一度と思って始めましたが、1つだけでもう結構です。これも最後は研磨剤で仕上げてピカピカに。
 
 
 
 
 
 
 


 磨いておいたハンドル本体にバスコークで接着。この平板はリングの内部に沈んでいるので、圧着させるのに工夫が必要。作業机の上を見回し、程よい直径のペンのキャップを利用。祈るような思いで、そのまま一晩。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 さあどうなっているだろう。いつもより早起きし、はやる気持ちを抑えつつ、重石をはずす。ほお〜、どおだ、だおだ。リングの内部に均等に密着していて、いい感じだぜ。ニコニコ。本物では4つの穴のうちの1つが大きく、外側に開いていますが、その再現はあきらめました。リングに均等に密着しなくなるのを心配したからです。まあ、イメージ優先ということで……。
 
 
 
 
 
 
 
 


 煙室扉に装着。このタイプのハンドルは比較的レアです。この「改造記」では初めてのC11328らしい改造になりました。この種の固有ネタはまだまだいくらでもあります。当分楽しめますね。ウフフ。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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