〔火入れ、昇圧、走行テスト〕
 
 
 

 各部への注油、ボイラーおよび水タンクへの給水に続き、昨晩組み立てたばかりのブロアーを煙突にセットして、いよいよ初火入れ。緊張の一瞬。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ひたすら蒸気圧が上がるのを待つ。仮エアーテストで気になっていた通り、やはり安全弁から蒸気が漏れる。「通常でも多少は出るが、ちょっと多すぎる」の声。ダメかなあ。しかし、しばらくすると落ち着いた。「ベアリングの座りがよくなかった」ということで一件落着。一安心。経験者の付き添いは、初心者には心強い。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 蒸気圧が上がり、安全弁から蒸気が噴き始める。ちょっとだけ加減弁を開けてみる。おっ、動いた!動いたぞ! はやる気持ちを押さえて加減弁を閉じ、乗用台車を連結。さあ、初走行だ。出発進行! もちろん汽笛も忘れない。ドレンを開けると、左右のシリンダーからリズミカルに蒸気が噴き出す。夢にまで見た瞬間。皆さんの拍手に思わず頬がゆるむ。
 
 
 
 
 
 
 
 


 引込み線から本線へ。もちろん本線上には当方の1両のみ。とりあえず操作するのは加減弁だけ。それ以外のことには気が回らない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 やや緊張の面持ちで本線を一周。トラブルこそないが、蒸気圧が下がり気味。どうやら火床が十分にできていない模様。火室内の一部分だけが燃えている。投炭による火室の管理、ボイラーの水量の管理はかなり難しそうだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 安定した火床を作るのに四苦八苦。素人の手に負えなくなった機関車は、すでに私の元を離れ、もっぱら経験者の方たちの手に委ねられる。やがて、再び勢いよく安全弁から蒸気が吹く。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 もちろんお姉さんだけでなく、妹さんにも同乗していただきました。お二人ともなんとなくお気に入りのご様子。ただ一人、奥様だけは尻込み。あれ~、恥ずかしがる年齢でもないはずなんだけどなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 午後の運転はいたって快調。余裕もできて各部のチェック。ビーンという高周波音を出して発電機が回る。たなびく排気が好印象。前照灯も点灯。ドンキーポンプもOK。ゆっくり動く姿は本物そっくり。饋還弁を開けると、タンクに水が環流する。軸動ポンプもOKだ。安定した火床ができて石炭がよく燃える。しかし、火力が出ると、今度は水の補給が間に合わない。難しいなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 


 その日の夕食。試運転成功パーティーで、かんぱあ~い。立ち会っていただいた皆さん、どうもありがとうございました。組立に協力してくれた家族にも感謝。試運転の成功とともに、新たな課題が山積。石炭と水の管理は難しそう。しかも走りながらは、なおさらだ。まだまだ続く「どきどきライブスチーム試運転」。