全長わずか20cm足らず。固形アルコールを燃料にしてボイラで蒸気を発生させ、ピストンを動かします。もちろん一人前に弁装置も付いています。ただし、逆転機はなく前進のみ。車輪は真鍮の型押しで貧相ですが、走行に支障はありません。駆動輪は後輪の1軸のみ。連結棒は見せかけだけで、前輪はフリーに動きます。わずか一晩で完成する小型の簡略機ですが、立派なライブスチームです。東急ハンズで組立キットを見つけました。
台枠を組み立て、車輪を取り付ける。ボイラは、すでに銀ロウ仕上げ済み。シリンダと蒸気室も組み合わせ済み。
シリンダにピストンを取り付け、蒸気室にピストン弁を入れる。連結棒、主連棒、偏心棒を取り付ける。リターンクランクの角度の設定は、角穴に固定したクランクピンに取り付けるだけなので、至って簡単。とりあえず、シリンダに息を吹き込んでみると……。おおっ、車輪が回る回る!
ボイラを載せ、安全弁から蒸気室へ蒸気管を配管。これで、駆動系は一応完成。まだバーツの取り付けが残っているが、待ちきれずに試験走行。ボイラに水を入れ、固形アルコールに点火。
しばらくすると、安全弁が吹き始める。スロットルを開けると、シリンダからシュッ、シュッと音をたてて走る、走る!! 歓喜の瞬間。
運転室など、残りのパーツを取り付けて完成。カウキャッチャーの細工はちょっと面倒。
【弁装置】
ワルシャート式の簡易版ということなのでしょうか。詳しいことは分かりません。加減リンクがないので、構造は至ってシンプル。
【走行する弁慶号】
キットにはなかったレールを自作しました。アルミアングルを木ねじで固定しただけの安直品です。でも、レール幅の設定には、細心の注意を払いました。脱線すると大変ですから。
蒸気を吐きながら、軽快に走りますが、しばしば空転します。自重が足りないせいでしょう。周回レールがほしいところです。(00/03/14)