小川精機本社訪問記

 03/05/29 大阪・東住吉区
 
 
 「アマシンね」。事前にいただいた本社案内図の通りに、天王寺駅からタクシーに乗車。訳も分からず、ただ書かれているまま「くまた方面」とお願いして、運転手さんに地図を見せた。「アマシン」と言われても……。機械(マシン)の一種かなという程度のイメージしか浮かばない。やや渋滞ぎみの国道を一直線に進んでいく。くまた交差点を通過。そろそろかなと思ったところで発見。尼崎信用金庫。なるほど、アマシンだあ。
 
 アマシンを右折すると、変形五叉路の交差点。斜めに微妙に曲がるともう東西南北が分からなくなった。ここから片側一車線。もう近いはずだ。すぐ見つからなかったら面倒だなあ。住居表示に目を凝らしながら、運転手さんに声をかけようと思った矢先、「ここでしょう」。おおっ。見上げるような社屋。「小川精機株式会社」の大きな看板。立派な企業じゃないの!
 
 
     
 
 
 受付は2階らしい。玄関入口には、ガラスケース入りの模型エンジンが2台。そういえば、中学生のとき自作したUコン飛行機のエンジンはOS製だった。慣らし運転だけで、結局、飛ばせなかったけど……。当時のエンジンに比べると流線型でカッコイイ。しかし、目下のところ飛行機やヘリコプターにまで手を広げるつもりはない。目をつぶって通り抜ける。我慢、我慢。
 
 受付のソファーで待っていると、営業の井上氏がいらっしゃった。何度となくメールや電話のやりとりをさせていただいているので、そんなに改まった感じもないが、直接お会いするのは3度目かな。受付のある社屋はエンジンの工場。ロコの工場は隣接の別棟とのこと。早速案内していただくと、駐車スペースになっている敷地にトリプルゲージのレイアウト。なるほど、試運転用ですね。ただし、一部撤去されて周回は不可。
 
 ご案内いただいたのはロコ工場最上階の展示室。階段を上がる途中、各階の作業場入口のドアに「関係者以外立入禁止」の掲示。わざわざそこを通過して最上階の展示室に上がって行くところが思わせぶりで心憎い。「立入禁止」の中で何をしているのか気になるじゃありませんか。展示室内には、所狭しと歴代のOSライブスチーム製品が並んでいます。
 
 ロコ工場責任者の北田氏も同席され、話題はやはりC11。オプションのタービン発電機が乗用車のダイナモより高価なのはなぜでしょう。現物を片手に詳しく説明していただきました。小さくても内部の構造は本物そのものなんですね。もちろんコイルは手間のかかった手巻き。地味な黒塗装にするから値打ちが分からないのでしょう。金メッキにしたらどうですか。(笑)
 
 前照灯のレンズは鋳型を使った本物のガラス製だったのですね。プラスチックの型押しかと思っていました。その他、ドンキーポンプの内部構造を初め、実は随所に妥協を許さない細かい細工があるわけですね。±0.01mmでしっくり、±0.03mmでガタガタなどの精度のお話も。勉強になります。私も含めて、その辺のことがお客さんに十分伝わっていないかもしれませんよ。組み立てれば走って当然、と思われていますからね。
 
 2時間近くお話を伺って失礼することに。井上さん、北田さん、どうもお世話になりました。お仕事中にもかかわらず時間を割いていただいてありがとうございました。日本のライブスチーム業界で、OSは、おそらく最も安心して信頼できるメーカーの最有力候補です。製品だけでなく、それ以外のソフト(人間関係)も含めて。ヨイショ!
 
 タクシーを呼んでもらおうかな、と思ったところ、流しのタクシーがいるのですぐ拾えるとのこと。さすが大都会の大阪ですね、地方の下関とは違うなあ。おっしゃる通り、国道に出るとすぐさま空車のタクシー。表情のゆるんだ私に運転手さん、「今日の仕事は終わりですね」。ん? あ、そうだ、仕事で大阪に出張中だったのだ!!
 
 
 
展示室の室内
 
 
やはりまず目がいくのはC11
 
 
壁面にパーツのディスプレイ
 
 
往年の名機も
 
 
これが耐久運転世界記録のマウンテン!
 
 
シェイと並ぶ試作タービン機関車
 
 
国鉄型風C21
 
 
 
「ライブスチーム」が小さい!