O.S.法隆寺レイアウトデビュー顛末記

 03/07/13 奈良・安堵町
 
 
 「回復しそうにないですねえ」。予報通り、雨は午後から本降りになった。早々に片づけを済ませて帰宅される方もある。中には、ご自分だけでなく、後ろのお子さんにもカッパを着せて運転を続けられる方も。しようがないなあ、午後の運転は取り止めだ。念願のOS法隆寺レイアウトデビューは、やや不完全燃焼の結末となってしまった。
 
 法隆寺レイアウトには、昨年3月に見学させていただいて以来。この間に、クラブハウスが新築され、また、一部に新線の敷設、待避線の追加など、レイアウト自体にも手が加えられている。機関庫のターンテーブル上のテントも真新しい。昨年からの変貌ぶりに、ライブスチームに対する小川精機の意気込みを感じる。法隆寺レイアウトデビューの顛末記。
 
 

 法隆寺レイアウトまでどうやって行くか。延々500km以上も高速道を運転していく気はさらさらない。目を付けたのはカーフェリー。北九州の新門司から大阪南港行き。大阪まで着けば、あとは何とでもなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 いつもお世話になっている旅行代理店に相談したところ、一等個室を確保することができた。割引・特待料金。夜間航行なので、できればしっかり睡眠をとりたい。基本的に、一等のデッキは二等の上の階。機関室の騒音も緩和される。新門司港発17:20、大阪南港着5:20。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 車もまばらな早朝の大阪市内をさっと通り抜け、西名阪自動車道の法隆寺ICから法隆寺レイアウトへ。7:00過ぎの到着は、もちろん一番乗り。一時間余り待って、受付開始。いまにも降り出しそうだが、まだ大丈夫そう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 午前中、一周300mのレイアウトを3周。試運転、運転会デビューに続く3度目の運転。まだまだ運転操作に習熟しているわけではない。とくに走行しながら継続的に投炭、缶水調整をするのは初めて。いきおい前方の安全確認がおろそかになる。「最初の間は非常に忙しく、目の回るような作業」と運転説明書にあったのはこのことなのだ。
 
 あっという間にタンクの水が減少。給水しなくちゃとは思ったものの、機関庫に戻る側線のポイントが分からない。あれれ〜、と戸惑っているうちに3周目に突入してしまった。その後、ポイントの切換と誘導をしていただき、無事機関庫にたどりついたのでした。澤井さん、お心遣いどうもありがとうございました。
 
 「煙草でもふかす余裕ができればもうしめたものです」(運転説明書)という心境にはほど遠い。煙草を吸わない私は、口笛でも吹きますか。今後、運転回数を重ねて経験を積むことが望まれるわけですね。デビューの悪天候は、法隆寺レイアウトにこれから何度もいらっしゃい、という天の計らいなのかな。
 
 
 

 雨模様の中、機関庫で待機するC11328。お隣りはC6215。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 さて、顛末記はまだ続きます。通常、雨の日には、できれば運転を控えた方がいいわけで、というのも、機関車は鉄の塊、水に濡れるとサビるのです。案の定、帰宅後の掃除と点検に時間を費やすことになりました。デフの内側には雨水の流れた跡。デフ下端の取付ネジに赤サビ、その周辺には水溜りの跡も……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 サビが顕著なのは前端梁の周辺。解放テコ、テコ受、復元バネ、ブレーキコックなど、細かい部品の隙間に多い。ただし、いずれも油を塗り込むと除去できる軽微なものばかり。ものによっては分解も厭わず丁寧にメンテナンス。丸半日を費やして元通りに。いつものことながら、運転後のメンテナンスは手がかかります。でも、これが大切なんですよね。
 
 
 
 
 
 
 
 


 あ、今回の遠征に先立って、改良を加えた運搬ケージはどうだったのでしょう。結論として、蒸気溜による安定化は信頼性が高そうだな、という印象です。木枠の隙間に紙ウェスを挟むと、ガタつきもなくなり、ケージと機関車が一体化します。車に積載している間だけでなく、台車で運搬する際も安心。ただし、遠征とはいうものの、移動の大部分はフェリーだったので、往復の実質走行距離はわずか150km。あてにならないかもしれませんね。