ミニSLフェスタ in Fukuchiyama 2007
2007/10/27-28 京都・福知山市
福知山市で開催されたミニSLフェスタを見学に行きました。2000年の初回以来、今年で8年目。うわさには聞いていたものの、実際に現地に行くのは初めて。年ごとに参加車両も増えて盛大になっているらしい。下関の行政イベントでミニSL運転会を企画して苦労したので、うまくいっている他の行政イベントが気になります。ライブスチームの走行を見たい気持ちとともに、実施の体制や好評の秘訣など、運営のノウハウにも興味津々。
福知山駅前から専用のシャトルバスに乗ってイベント会場に。明智光秀をまつる神社のある御霊公園をメイン会場に、そこから広小路通りに周回の仮設線路が延々と続いています。1周700mのレイアウト。到着したときはちょうど雨上がり。公園内には水溜りやぬかるみができていましたが、そんなことはものともせず、何両もの機関車が運客を行っている最中でした。
公園中央のテントの中にはトラバーサーが設置され、その両側にたくさんの機関車が留置できるようになっています。驚いたのは、このトラバーサーには移動のための専任の係りの方がいらっしゃるのです。スチームアップが完了し、いざ走行となって合図をすれば、係りの方がトラバーサーをスルスルと移動してきます。機関車を載せるとまたスルスルと本線へ。どうやらこの方たちは市役所の職員の方のようです。
中央のテントの一角には袋詰めの石炭の山。程よい大きさに砕いたものも準備してあります。石炭は主催者側が用意したもので、参加者は必要なだけ使用することができます。石炭と水は主催者が提供、現地までの交通費や宿泊費は自己負担、それでよければご参加ください。これがこのイベントのスタンスのようです。主催者による懇親会や記念品はあるようですが、それだけではこんなに参加者が集まらないでしょう。何か秘密がありそうです。
参加されているライブスチーマーの方に伺うと、皆さん一様に楽しんでいらっしゃるご様子。ポイントは主催者との人間関係でしょうか。対価を受け取って営業として運客をしているわけでもなければ、逆に、使用料を支払ってレイアウトで運転させてもらっているわけでもありません。お客さんの乗車も無料。金銭的な利害を介さないこの関係のあり方が参加者のみなさんの素直な満足感を引き起こしているのかもしれませんね。
主催者のおもてなしの姿勢がすばらしいという声も伺いました。レイアウトの設備や運営方法などへの要望にも積極的に応えてもらえるようです。それにしても、そんな姿勢は一朝一夕に築かれるものではないでしょう。これまでの蓄積の成果なのですかね。こんな取り組みのできるお役所もあるのだなあ。これまたある種のカルチャーショック。相手との人間関係よりも自分たちの組織のルールが最優先。お役所にはこんなイメージしかありませんからね。
イベントは2日間。初日の終了と同時に、広小路通りではあっという間に仮設線路の撤収。そうかあ、公道ですから線路を敷いたままというわけにはいかないのですよ。広小路通りはトラックも行き交う普通の道路。翌朝もう一度線路を設営するわけです。その作業の要領のよさにこれまた感心。作業しているのは、これも市役所の職員の方のようです。へえ〜、入札して業者に丸投げではないのですか。こういうやり方だとノウハウが蓄積されますよね。そういえば、シャトルバスの添乗も職員の方でした。
年ごとに盛大になって全国規模で認知され、しかも参加するライブスチームのオーナーにも好評。このイベントの成功の秘訣は行政の姿勢にありそうです。施策上の位置づけ、予算の状況、実施の体制、今後の展望など、行政の取り組みの具体的ケースとして詳細に調査してみたいですね。調査報告はいずれまた。今後もライブスチームファンは福知山から目が離せません。
御霊公園本部前を出発
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正面ゲートから広小路通りへ
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商工会館前を通過
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列車が次々に
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延々と続く線路
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折り返し地点の周回部分
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訪問したときには、JR福知山駅の立体化工事が完成し、引き続き北丹後鉄道(KTR)の立体化工事が進んでいるところでした。合わせて駅周辺の整備事業も進行中です。気になるのは、駅南口の囲いの中のC11。ターンテーブルの上に載っています。ナンバープレートは取り外されていますが、サイド水タンクの形状から初期型であることがわかります。周辺の整備事業が完成すると、「鉄道の町福知山」の駅前シンボルになるのだそうです。
今回のミニSLフェスタは見学だけでした。いつか機関車を持参してフェスタに参加したいですね。しかし、これほど長距離の連続走行は未経験。水量を確保するための補助の水タンクなど、それなりの対策が必要かもしれません。駅前のC11がどうなるのかも含めて、福知山に関する興味はまだまだ尽きません。