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チャンス到来 チャンスは意外に早くやって来た。「結婚するので披露宴に出席してくれ」と知人から連絡。やっと遅い春を迎えたな。おめでとう。場所は沖縄。えっ、オ・キ・ナ・ワ!? 一瞬様々な思いが脳裏をよぎる。日程のこと、旅費のこと、家族のこと、などなど。でも、OKの即答。これは絶好のチャンスじゃないの。知人のご祝儀という大義名分で、ダイビングのパラダイスへ行けるわけだから。 |
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出発準備 早速「るるぶ沖縄」を買って情報収集。さすがにダイビングの宣伝広告は豊富。どのショップにお願いすればいいのでしょう。コースの内容、費用などは、どこも似たり寄ったり。しかし、先々のCカード取得のことなども視野に入れると、指導団体、ショップ選びは慎重にならざるを得ない……。結局、決め手はショップのホームページの充実度でした。う〜ん、安直!電話で披露宴の翌日に予約をお願いする。「泡盛を飲み過ぎないように」とご親切な助言も。みんなでカチャーシーを踊るらしいことも判明。ダイビングにそなえて万全の体調を確保したい当方にとっては、試練の披露宴になるかも……。
知人のご祝儀という大義名分があるので、旅行の手配にためらいはない。飛行機とホテルを確保。小学校では1+1=2と教わりますが、両方セットで申し込むと飛行機代より安くなるのはどうして? この料金システムの謎については、機会を改めて探求することにしましょう。もちろん奥様同伴。結婚13周年記念にこじつけて、春休み中の子供たちは実家でお留守番。2人きりの旅行はこの10年来まったくなかった。当日ダイビングに持参するものは、水着とタオルだけ。2人とも水着を新調しました。各種の器材はすべて現地の借り物。なんともお手軽な体験ダイビング。旅行の荷物は普段の着替えだけ。おっと披露宴用の礼服も忘れずに……。 |
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前日の打ち合わせ 沖縄到着。「波浪の状況によっては、ボートが出航できないこともありますので、前日お店に確認の電話を入れて下さい」と言われていた。残念ながら、天候は必ずしもよくない。時折にわか雨も。「波次第ですね。ビーチ・ダイブになってもよろしいでしょうか。」ダイビングさえ経験できれば何でもいいです。明朝、ホテル前にショップのワンボックスが迎えに来るとのこと。ワクワク。
ところで、結婚披露宴……。郷土色豊かな披露宴を堪能させていただきました。警戒して泡盛はほんの1口だけ。夜7時半の開宴にはちょっとビックリ。潮の満干に基づいて開宴時刻を決めるのですね。二次会に参加しないでゴメンナサイ。だって夜中11時からというのは、かなりキツイので……。 |
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ダイビング・ポイントまで 当日の朝、約束の時刻にホテル前で待つ。それらしいワンボックスはなかなか現れない。どうしたのかなあと心配になりかけたころ、日焼けした小柄の若い女性が、われわれの前を素通りしてホテルに向かう。あれれ、ショップの人かもしれない。声をかけるとまさに的中。その人は、先程からそばの車で誰かを待っている様子でした。確かにワンボックス。でも、ショップ名入りのハデなカラーリングという予想に反して、地味な色のサビサビでした。目の前を素通りされたのは、ちょっとショック。ダイビングをするような年格好には見えませんでしたか? 多少波はあるものの、どうやらボートは出航するらしい。港に着くまでの車の中で「同意書」にサインを求められる。リスクなどの説明と、万一のことがあっても責任は追求しません、というような内容。緊急時の連絡先も。う〜ん。予約の時点ならまだしも、すでに港に向かっている車の中でサインを求められてもなあ。自己決定による同意というより、もはやサインせざるを得ない状況。理不尽さが残る。
港に到着。それらしいクルーザーが係留されている。閑散期ということもあってか、どうやら複数のショップのお客さんがいっしょに乗船する模様。宣伝広告で見た別のショップ名も見える。お客さんたちは、ほとんどがCカード保持者らしい。自前の器材の点検に余念がない。「着替えて下さい」とウェットスーツを手渡される。ボートのキャビンでゴゾゴゾ着替え。奥さんはトイレ兼シャワーの個室で。まだ寒いので、大小2着の重ね着。 出航。海についてはまったくの門外漢。たぶん波は高いのでしょう。ボートの揺れと振動がものすごい。とても立ってはいられない。しぶきが横殴りの雨のように襲いかかり、ズブ濡れ状態。やむなくキャビンに避難。しかし、閉じられた空間の中で上下左右に揺すられると今度は……。あっ、これって、もしかして船酔い? 隣のお嬢さんはあえなく撃沈。ゲロ袋一丁。窓から遠くの水平線を見ていると辛うじて落ち着く。1時間近く、生き地獄のような体験をさせていただきました。波が高いとこうなるのですね。貴重な船酔い体験クルージング。ヤレヤレ。 |
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初ダイビング まったくの初心者ですから、最初は浅瀬でちゃぷちゃぷ……。なんて思っていたら、とんでもなかった。数種の手話と、マスクの水抜き、耳抜き、レギュレーターの取り扱いなどの説明の後、「それじゃ、潜りましょう」とインストラクターさん。げっ、まだ心の準備ができていないのに〜〜。言われるままにエアタンクを背負い、マスクを付けてレギュレーターをくわえる。恐る恐る水中を覗いてみると、なかなか美しい。ちゃんと呼吸もできるぞ。この感覚は新鮮だ。ボートのアンカーロープ伝いに少しずつ潜行していく。途中で耳抜き。すでに深く潜行している方たちの気泡が下から昇ってくる。世界が三次元であることに、改めて気付かされる。
白い砂地の海底で、マスクやレギュレーターの取り扱いの練習。レギュレーターを口から放すのにはためらいを感じるが、言われたままにやるしかない。くわえ直せばまた呼吸ができる。水中でも普通に呼吸ができるって、すごい知恵と技術だなあ、と感心する。魚の餌付け、珊瑚の観察などなどの後、再びアンカーロープ伝いにボートまで浮上。本来は、BCDの浮力調節がダイビングの面白みの1つなのでしょうが、インストラクターさんが全部やってくれているらしい。かくして初ダイブ終了。確かに別の世界がありますね、海中には。 船上でお弁当。「別のポイントに移動しますが、2本目も潜りますか。オプションです。」すでに次のポイントに向かっているボートの上では、「ハイ」と言うしかないでしょ。今度は、先程とは対照的に、高低差のある岩場。美しい魚がたくさん泳いでいる。まるで水族館のようだ。いや、水族館はこの風景を地上に再現しようとしているわけです。一見の価値はあります。1本目も2本目も、それぞれ30分程度ですが、それなりに体力を消耗しているのが分かる。心地よい疲労感。天候も回復し、波も比較的おだやかになって、帰りのクルージングでは、朝のような地獄を見ずに済みました。 |
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