今回鉄道建設で使用している曲線線路は、半径5m、22本で円周になる。つまり、円周の4分の1だと5.5本、5本と半分。1本L=1500mm弱なのでその半分はほぼL=750mm。これが橋長に近いことに気づいたのは、曲線線路の敷設(その2)の工事中。それまで道床ブロックに載せたり降ろしたりしていた橋梁部分の線路の重さが半分で済むことになった。ちなみに三線式線路1本の重さは5kgほど。
橋梁部分の線路状況【画像左】。長さが半分の線路をこの場所に敷くことによって、橋梁建設の際の線路移動の労力が半分で済む【画像右】。CADの図面では、円弧の一番先に半分の曲線線路が描かれていた。その通りにしていたが、カーブのどこにあってもいいわけです。
橋梁建設の課題の1つが支承に利用したネジの強度だった。ステンレスのキャップスクリュウーに落ち着いているが、結局、強度についての認識は不十分なまま。ただ、ボルトの頭に刻印された数字がそれに関係していることがわかったことは成果だった。
ちなみに使用しているネジには「THE A2-70」、ナットには「304」の刻印がある【上画像】。「THE」はメーカーの記号、これは韓国の企業らしい。「A2」はステンレス鋼の種類。「70」は強度だが、「引っ張り強さ700N/mm2」と言われてもピンとこない。ナットの「304」は素材がステンレス(SUS304)ということらしい。
支承の施工には問題が残っている。いくらステンレスのネジを使ったにせよ、荷重を受けるL金具のネジ穴がそのまま。L金具を中ぐりして上下からステンナットで挟んで固定すればよかったのだが、気づくのが遅かった。問題が起きれば改善する。それまでは様子見ましょう。
橋梁建設の手始めは橋台の設置。玄関前の橋梁と同じ大理石のブロックを使う。しかし、下が地面のままなので、基礎を置くことにした。雨水マス縁石のときと同じ厚さ半分のレンガ。道床ブロックからの深さを確認。向き合う道床ブロックが同じ高さなので、これで橋台も同じ高さになる。 |
基礎レンガの左右、前後の水平を調整。水準器が直接置けないのでレンガを挟む。 |
橋台ブロックを載せる。ブロックの向きはまだ適当。 |
曲線線路の敷設(その2)の際に最初の道床ブロックの位置決めで悩んだのがここ。雨水マスの縁石レンガの基礎と橋台の基礎の位置関係。クリアできて一安心【画像白丸】。 |
向き合う橋台はこんな感じ。 |
さて、橋台の次は主桁。レールがカーブしているので主桁の位置をどうしようかな。実物大の型紙を作ってあれこれ思案。横振れしているレールが主桁の上面がらはみ出ないように幅を決める。直線線路の主桁より10mm広い。長さはL=650mm。 |
主桁の素材は以前と同じカラーアングル。2本組み合わせてチャンネル状にする。L=600mmの規格品を使うつもりだったが、それより長くなったのでL=750mmの規格品から切り出した。長さを測るとL=745mm。う〜む、公差の域を逸脱した不良品か?まあカットするのでいいですけど…… |
所定の幅に仮組みして橋台に載せてみる。支承はまだない。 |
線路を置いて左右の振れ幅を確認。よしOK。 |
主桁を本組み。支承を取り付ける。 |
支承の高さを調整して主桁を設置。主桁ができれば線路が敷ける。つまり車両が走れる。早速、乗用台車で試験走行したことは言うまでもありません!(笑) |
線路の固定板の作成。型紙を置き、枕木の穴からのぞいて位置決め【画像白丸】。カーブなので中心線上にはありません。これが厄介。 |
カラーアングル用の平板から切り出して穴開け。はみ出たL金具は切り落とす。 |
もう一方の固定板を作成……、よく見たら枕木の穴からネジが見えます。よし、このネジを利用しよう。 |
こうなりました。カラーアングルのL金具を全ネジに取り付けました。既存のネジ穴は使用せず、こちらも上からのぞいて穴位置決め。ナット固定なので左右の微調整ができるすぐれもの! |
主桁と線路を低頭ネジで固定【画像白丸】。これで橋台、主桁ができた。橋台の向きは、結局真上の枕木に揃えることにした。 |
掘り下げていた橋台部分を埋め戻し、雨水マスに玉石を入れる。おおっ、いい感じだな。 |
塗装した主桁を設置して線路を敷けば、第二橋梁の完成。やったあ〜。 |
庭園鉄道の本線部分の敷設が完了。線路を頻繁に動かすこともなくなるので、継目をボルトで固定。 |
古い線路の中には、ネジ穴にサビが回ってタップが必要なものも。 |
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