「定年退職後一番したいことは何?」、奥さんの実家で親戚から尋ねられました。「奥さん孝行!」。後日、奥さんに尋ねました。「定年退職後、何をしてほしい?」。奥さんの返事、「お願いだから放っておいて!」。あわわ。しかしまあ、わからんでもない。それも奥さん孝行の1つかな。そうなると、その次の順位が繰り上がります。ライブスチームの庭園鉄道です!
両親が住まなくなった実家に里帰りし、2年余り家の片づけに忙殺された。手入れされていない庭の植栽も荒れ放題。片づけが必要なのは屋内だけじゃないんだ!放っておけば、時とともにますますジャングル化がすすむ。剪定して庭作りをする技量もその気もない。いずれ更地にするときが必ず来る。それならいまでも同じ。えいやあと思い切って決断。スッキリした。
更地になった庭をどうするの?ん?ライブスチームの線路が敷けるんじゃないの?里帰り前の下関では狭い庭にわずか6mの線路を敷いていた。それを思うともっと長い線路が敷ける。もちろん制約があって周回にはできない。往復でいい。ポイントも設置できそうだ。これは考えてみる価値がある。
そもそもライブスチームを所有すること自体が夢の話だったのに、なんとかそれが実現した。庭園鉄道をお持ちの方のご好意に甘えて運転させていただくだけで十分満足だった。自分の家に庭園鉄道なんて夢のまた夢、のはずだったのだが...。小川精機に相談すると線路のレイアウト図面が送られてきた。あれれ、本当に庭園鉄道が実現するんじゃないの!?
もし本当にこの庭園鉄道が開通すれば、近隣ではJR可部線のあき亀山駅延伸以来の歴史的快挙になるでしょう!「定年退職からの」シリーズのおおとりは、満を持して「ライブスチーム―夢の庭園鉄道―」です。(2023/02/12)
庭の整地 2023/01/24-02/01 専門の造園業者さんにお願いしました。植栽を切り取って土を運び出せば整地完了、と安易に考えたのは素人の浅はかさ。植栽の切り取りこそ半日で済んだものの、その後の根の掘り出し、土の搬出は予想以上に大掛かりな作業。庭が狭い上に塀もある。職人さんたちの技量に敬服しました。 続きを読む |
レイアウトの検討 2022/10/18-2023/02/12 レイアウトのイメージは、当初、正面の直線往復だけでした。右手奥の庭には高い立木が数本あって取り除くのは大変そうだし、しかも全体が厚い盛り土で覆われ、整地はいずれまたの機会だなと思った次第。もう1つ。この箇所に半径5mの円弧を作図できますが、はたして機関車は通過できるのか。かつて運転会の半径5mの仮設線路で先輪が脱線したことがありました。ところが事態は思わぬ展開に。 続きを読む |
線路の受け取り 2023/03/22 線路を発注してから1ヵ月後、出荷OKの連絡をいただいた。午前中の連絡で当日出荷可能とも。あいにく休日や不在の日が重なり、配達は1週間後に先送り。段ボール巻き、3個口。受け取り後、早速、曲線線路を地面に仮置きして花壇の張り出しとの切迫具合を確認。まあ問題なさそうだなと一安心。 続きを読む |
ポイントの仮置き 2023/03/28 レイアウトの検討でもう一箇所気がかりだったのが、玄関角の雨水のパイプと引込線の間隔。ポイントを仮置きして引込線を延ばしていくと、まあ大丈夫。こちらも一安心。ポイントを置く玄関前の敷石を線路全体のレベルの基準にするつもりだが、この敷石周辺をどのように整備するかが課題。前途多難の予感がする。むしろその方が楽しめる。 |
庭の整地(その2) 2023/04/08-04/22 さて、どこから線路を敷こうかな。イメージをめぐらせているとちょっとした降雨。あれ、やっぱり水たまりができるなあ。植栽を除いて整地しても、縁側寄りの水たまりは以前のまま。この際、排水対策を考えよう。床下の荒れた状態や、並んだ敷石がフラットでないのも気になっていた。線路の敷設前に、庭の整地(その2)。 続きを読む |
施工計画の策定 2023/05/05 線路敷設の施工計画はすでにある。いくつかのブロックに分割して作業を進めたい。ただし、その計画があるのは頭の中。バス乗っている時や病院の待合室などでイメージを作り上げ、膨らませている。しかし、どうやらそれを顕在化しておいた方がよさそうだ。巨大プロジェクト施工の現場経験者からのアドバイス。はい、そうしましょう。 続きを読む |
[1-1]ポイントの道床 2023/05/03-05/09 第一期工事の最初は、玄関前の敷石の箇所。ポイントの線路がここで広がるので、段差のない道床を作らないといけない。しかもここのレベルが全体のレベルになる。レイアウトを考え始めたとき以来の難関工事箇所。施工自体はそんなに時間はかからない。しかし、それ以前の、脳内で試行錯誤している時間がはるかに長い。まだ課題は残るが、とりあえず出来上がった道床にポイントの線路を置いてみた。 続きを読む |
[1-2]直線線路の延長 2023/05/16-05/24 ポイント部分の先へと続く直線線路。この箇所はブロックを並べるだけなので楽勝だと思っていたが、最大の障害に遭遇。それが雨降り。屋外なので雨が降ると工事ができない。天候を見越して工事の予定を考えないといけないのだ。というか、むしろ「晴工雨読」(晴の日に工事、雨の日に読書)、悠々自適でいいんだな。焦らないことにします。 続きを読む |
[1-3]続・ポイントの道床 2023/05/18-05/31 直線線路の延長が終わっても、まだ懸案が2つ残っている。雨水のマスと玄関敷石の水勾配。金属加工を駆使して対応しよう。実家に引越して以来、初めて工作室で工作らしい工作。数年ぶりの金属加工にちょっとルンルン。あれ、どうだったかなということも。白玉砂利を洗って玄関前に入れ戻し、庭園鉄道第一期工事の完了だ。 続きを読む |
[2-1]主桁の製作 2023/06/05-06/13 第二期工事に取りかかる。玄関前の鉄橋とその先のメンテナンス場。とりわけ鉄橋は当庭園鉄道の見どころの1つになるはずだが、橋梁の建設は初挑戦。機関車の重量だけでなく、乗車する人間の体重も考えないといけない。HOゲージとはわけがちがう。橋梁の基本の勉強から始めよう。 続きを読む |
[2-2]主桁の設置 2023/06/17-06/25 出来上がった主桁を設置する。しかし、それに先立って橋台と橋脚を作らないといけない。レンガの橋脚がシブイなあと思っていたが、強度を考えるとちょっと不安。御影石のブロックはどうだろう?ポイント部分の道床も御影石だ。自作「転圧棒」に取り付けたのも外して利用する。主桁の支承部分が悩ましい。より強度のあるキャップネジに交換してみたが、課題が残る。 続きを読む |
[2-3]庭の整地(その3) 2023/07/04-07/14 橋梁の先の地面は機関車の整備場。ライブスチームは、とりわけ運転後の掃除とメンテナンスが大切。そのためのスペースを確保します。当初の業者さんの整地から半年近くが経過して地面もちょっと様変わり。この際、整地し直した方がよさそう。しかし、屋外の作業はお天気次第。梅雨時期は思うようにはかどりません。他方、新たな発見があり、懸案が1つ解決! 続きを読む |
[2-4]直線線路の延長(その2) 2023/07/22-07/28 整地が済んだので、道床の踏み板を並べて直線線路を延長する。踏み板作業は要領がわかり順調に進むが、例によって思わぬ試練が続出。自然との共生という難題も?梅雨が明けて雨による中断はなくなったものの、今度は夏の猛暑だ。これも辛い。熱中症に気をつけよう。試練を乗り越え、第二期工事が完了!第一期分と合わせて直線線路は10m近くに。 続きを読む |
[2-5]主桁の塗装 2023/09/09-09/23 8月は猛暑が続き、屋外の建設工事は中断。9月になって工事再開。といっても次期の土木工事ではなくて橋梁主桁の塗装。サビが気になっていました。しかし、すぐさまスプレーというわけにはいかず、まずは塗装コーナーの整備から。塗装した主桁は、視線を下げて横から見るといい感じ! 続きを読む |
[4-1]曲線線路の敷設 2023/09/22-09/30 第三期工事より先に第四期工事を施工することにした。引込線を敷設すると庭が手狭になって作業に支障が出るからだ。曲線線路の敷設自体は直線線路の応用なので、これまでのノウハウでなんとかなる。問題は線路に重なる雨水マス。さあどうするか。思案のしどころ。これが楽しい! 続きを読む |
[4-2]雨水マスの加工 2023/10/11-10/14 雨水マスをどうやってクリアするか?第二橋梁のアイデアはあるものの、その前に雨水マス自体に手を加えなければいけない。この雨水マスには忘れられない思いがある。定年退職後の実家メンテナンスの大きな課題の1つだったからだ。その甲斐あって、庭園鉄道建設では余計な心配をしなくて済んだ。 続きを読む |
[4-3]曲線線路の敷設(その2) 2023/10/18-10/22 橋梁建設は後回し。その先の線路の敷設を済ませてしまおう。大きな問題がなければ短期間で済むはず。不足する道床用ブロックは、再度家中を探し回って調達。業者さんの整地の際に漏水事故になったパイプは現れず一安心。それでも、あれこれ試練がありました。 続きを読む |
[4-4]第二橋梁の建設 2023/10/28-11/07 第四期工事の難関、第二橋梁の建設。既設の玄関前は直線だったが、今回はカーブ。レールと主桁の位置関係をどうするか。これで第四期工事は完了。つまり、まだ引込線とポイントの工事が残っているが、庭園鉄道の本線部分は全線開通したということ。機関車のスチーム走行が近い! 続きを読む |
線路の踏み固め 2023/11/12-11/15 本線が全線開通したので機関車を走らせたい。しかし、直線線路ならまだしも、最小通過半径5mの機関車をいきなり半径5mの曲線線路にスチーム走行で進入させるのはちょっと無謀かな。実機でも、新しい路線が完成すると本運用に先立って「線路の踏み固め」をするそうだ。ここはまず慎重な試験走行から。 続きを読む |
機関車定置場の改善 2023/12/16-12/23 冬期、屋外の工事はお休み。寒い、雪が降る。機関車の定置場にしている玄関スペースはケージにピッタリ。ただ、力任せの出し入れに苦労していたので、楽にできるよう一工夫。 続きを読む |
[3-1]道床の嵩上げ 2024/04/12-04/14 春が来た!いよいよ最後の第三期工事。引込線の敷設を後回しにしていたのは、玄関前の敷石に水勾配があるから。線路面は水平にしたい。う〜む、これが難題。これまでのノウハウを生かしつつ工事全体の総仕上げ。最初に直線部分。えっ、そこは第一期工事で出来上がったところじゃないの?いいえ、よお〜く見てください。見てもわかんかあ(笑)。 続きを読む |
[3-2]道床の嵩上げ(その2) 2024/05/03-05/05 春が来たのはいいが、天気が安定しない。ジム通いを除いた日が晴れるとは限らない。屋外工事は悩ましい。ゴールデンウィークに道床の嵩上げを延伸。ん?ゴールデンウィーク?定年後は毎週ゴールデンウィークです!この区間は散々苦労した箇所。雨水マスもある。でも、これまでの苦労の甲斐あって作業は順調。画像の段差が水勾配。 続きを読む |
[3-3]主桁の嵩上げ 2024/05/11-05/21 橋梁の嵩上げは簡単。支承のキャップスクリューを長くすれば済む。しかし、それだけでは足長おじさんになってしまう。雨水マスはそれでよかったが、橋梁は一工夫したい。赤い台座の下に基礎ブロックというのはどうだろう。アイデアはよかったが、部材調達がドキドキに…… 続きを読む |
[3-4]道床の嵩上げ(その3) 2024/05/29-06/04 梅雨入り前の貴重な晴れの日を逃さないように工事を継続。続いて整備場の嵩上げ。作業自体はこれまでの繰り返しだが、一部仕様を変更。石板の踏み板を2枚から3枚に拡幅。ニワハンミョウさんのすみかはどうなったのでしょう…… 続きを読む |
[3-5]ポイントの設置 2024/06/08-06/12 第三期工事の最大の難関は、水勾配のある敷石上でポイントの線路を水平にすること。本線道床の嵩上げが完了したので、次の課題は引込線側の枕木の隙間。さあどうする?画像の枕木にナットが並んでいますね。かなり悩みましたが、施工は意外にスマート。 続きを読む |
機関車定置場の改善(その2) 2024/06/15 線路敷設工事も終盤。庭園鉄道の本格運用が始まれば、機関車が定置場から出入りする機会も増える。すでに改善を加えているものの、その後問題が顕在化。突出したケージの線路が当たって柱にキズ。なんとかしたい。 続きを読む |
[3-6]引込線の敷設 2024/07/06-07/12 案の定、梅雨入りして屋外作業が中断。貴重な晴れ間に引込線を1本敷設。水勾配のある敷石と道床ブロックにまたがる箇所だけに、面倒な応用問題という感じ。敷石の箇所はポイントと同様にネジ式の施工だが、今回は数が多い。それに続く箇所は、嵩上げした道床の高さにブロックを一致させるのに一苦労。 続きを読む |
[3-7]引込線の敷設(その2) 2024/07/19-07/23 ついに最後の線路敷設となった。曲線線路1本と直線線路2本。いずれもこれまで経験済みの作業。楽勝かと思いきや、新たな挑戦が求められる事態も。線路の敷設が終わったからといって鉄道建設が終わったわけではない。関連設備や、庭園鉄道たる所以の庭造りは、まだまだこれからだ。 続きを読む |
夏休み孫運転会 2024/08/01 夏休みをとって娘ファミリーがやってきた。もちろん2人の孫もいっしょ。この日程が線路敷設工事に関係していたことは言うまでもない。周回レイアウトではないが、それなりに喜んでくれたようだ。帰宅後も「じいじの機関車楽しかったね」と繰り返していたそうだ。よっしゃあー!! またおいで! 続きを読む |
庭造りの準備 2024/08/31-09/11 庭造りといっても、足立美術館のような日本庭園を造るわけではない。植木を全部撤去したので道路から丸見え。これをなんとかしたい。庭の排水は懸案のまま。地面が真砂土のままもねえ。業者さんの着手前にできることはこちらで。引込線完成時とどこが違うかかわりますか? 続きを読む |
転轍装置の取付 2024/09/25-10/25 当庭園鉄道の見どころの1つがポイント。単純な往復ではない運転が楽しめる。小川精機のポイントは、枕木に取り付けたレバーでトングレールを動かす仕組みだが、やはり遠隔操作がしたい。機関車から離れなくても切り換え可能にするにはどうしらいいのか。手動式転轍機のようなメカニカルなものがいい。 続きを読む |