〔レイアウトの検討〕

 庭園鉄道に思いをめぐらせ始めたのは、定年退職後、実家の片付けが1年半かけてやっと一段落した頃から。造園業者に庭の整地を相談したのと同じ頃でした。機関車の生産から撤退した小川精機だが、線路の販売は継続すると聞いていたので、まずは問合せのメール。

 するとその日のうちに折り返し線路、ポイントの図面資料が送られてきた。駅の島式レイアウトの図面もある。「敷設場所の寸法とご希望のレイアウト形状をお知らせいただきましたら、CADで作図して正確に設計します」とも。ほお、図面も描いていただけるのね。心強いな。場所の寸法を計測し、レイアウト形状を描いて返信。素人のフリーハンドですからこんなもんです。ご容赦ください。


【図面1】敷設場所の寸法

 整地は年明けになると言われているので、伸び放題の植木の中を苦労して採寸。誤差があるだろうなと心配。



【図面2】レイアウト形状案(その1)

 大がかりな土木工事が予想される右手奥の線路敷設を考えないとすれば、こんなレイアウト形状かな(赤線)。島式レイアウトの半分が使えそうだ。直線往復とはいえ、分岐ポイントが1つはほしい。 



【図面3】レイアウト形状案(その2)

 「ご希望のレイアウト形状」と言われるとイメージが膨らみます(青線)。将来右奥へ延伸すればこうなるかな。分岐ポイントを増やして引込線をもう1本。周回しない代わりに行ったり来たりする操車場のイメージが楽しそう。軒下の縁側寄りの引込線には機関庫を配置しよう。ま、あくまで夢のお話しですが……。

 「しばらくお待ち願います」と返信があってから3週間近くが経過。CAD図面が送られてきた。驚いたことに、「夢のお話し」のつもりで描いたレイアウトが作図されている!分岐ポイント2つ、引込線2本。右奥へも曲線が延びている。図面が描けるということは線路が敷けて機関車が走れるということなのか?

【図面4】CADレイアウト案

 「C11の最小通過半径は5m」の説明がある。半径がこれより小さくなると、先輪よりも従輪が先に脱線するらしい。当方の機関車の先輪が脱線したのは「せり上がり脱線」。線路のサビと側圧によってフランジが線路を乗り越えてしまうようだ。「線路の内側にスチームオイルを塗ると改善します」とも。要するに、半径5mのレイアウトで機関車が走行できるということだ!

 しかも曲線線路の位置から考えると、立木を取り除かなくてもいいのかもしれない。盛り土だけ取り去って整地すれば線路が敷ける。いずれそのうちと半ば諦めていた第二期工事もいっしょにやってしまおう。この点を、打合せ中の造園業者に打診すると、盛り土だけならと難なくOK。「夢のお話し」が夢じゃなくなった!!こんな高揚感はC11のキット購入のとき以来だ!!

 ターンテーブルもほしい。左の庭の寸法を確認すると、分岐ポイントをもう1つ増設してターンテーブルを設置できそうだ。早速【図面4】に手書きでポイントと赤丸を記入してみた。しかし、レイアウトの検討はとりあえずここまで。実際に庭の整地が終わって何もなくなった段階で、もう一度敷設場所の寸法を正確に確認したい。レイアウトの最終決定はそれからだ。

  

 庭の整地作業が終わった。念のためもう一度敷設場所の寸法を確認。はやり若干数値に違いがあるが、それこそ誤差の範囲かな。縁側前の敷石は残すことになった。【画像左】軒下の雨水対策。造園業者の助言に納得。もう1つ。立木を残したので、整地地面に若干花壇の張り出しができた。【画像右】線路に切迫しないかな。

 改めて冷静に考えると、【図面4】のレイアウトは庭に線路がいっぱい。足の踏み場もない感じ。引込線の本数に合わせて、これから何両の貨車を作れるだろうか。機関車は屋外の機関庫ではなく、やはり屋内に保管したい。ターンテーブルは直線線路の先端に設置できる。むしろこの左のスペースは機関車のメンテナンス用にオープンにしておきたい。あれこれ考えた結果のレイアウト形状は、【図面4】の引込線を1本にするイメージ。


【図面5】レイアウト形状案(その3)

 立木を残した敷設場所の新たな寸法を記載した図面とともに、再びレイアウト形状を添付してCAD図面を依頼。赤線部分が線路に切迫する場合は花壇の再施工も考えよう。


【図面6】CADレイアウト(確定)

 CAD図面が送られてきた。よし、これで決定だ。敷設場所の制約があるところに線路をよく入れていただいたものだ。ありがたい。使用する線路の一覧も送られてきた。手持ちの線路を勘案して必要分をご注文くださいということ。直線線路は手持ちが10本ある。特注Fは自分でカットすればいいかな。細かいサイズの特注Eはお願いしよう。曲線とポイントはもちろん発注。

使用線路(総延長 26.26m)
@ 3.5-5インチ直線S(1.5m) 8本
A 3.5-5インチ曲線 CA10(r=5m) 5本
B 3.5-5インチ曲線 CA10(r=5m)1/2  1本
C 3.5-5インチ曲線 CB10 1本
D 3.5-5インチポイント PA-R5 1本
E 特注3.5-5直線S(727mm) 1本
F 特注3.5-5直線S(900mm) 1本


 というわけで、レイアウトの検討と線路の発注が完了。注文を受けてから線路の製作に取りかかるとのこと。あとは入荷を待つばかり。


杭打ちしてみました。