「平らにしたらダメ。傾斜をつける」。筋トレジムのお隣りの敷地が空き地になっていた。駐車場になるらしいという噂を聞いていたが、その工事が始まったようだ。ダンプで土を入れて重機で平らにならしている。離れたところから全体を見ている恰幅のいい、ちょっと強面の人がいた。現場監督に違いない。そう思って声をかけた。「地面を平らにするにはどうしたらいいんですか。家の庭に水たまりができるんです」。その答えがこれだった。改めて目からウロコ。
現場監督(と思われる)は、仕事中にもかかわらず、素人相手に現場の様子を示しながら丁寧に説明してくださる。「入れる土の量は面積と土の厚みから計算する。ダンプの量が多かったので、この現場はちょっと余った」「この現場は手前に0.8%の勾配。両サイドのブロックに勾配のテープを貼っている。高さは計算でわかる」「一番奥に水糸を張って、それをにらんで固めていく」などなど。ローラー車両が往復し、隅はプレートの転圧機が活躍。我が家の庭の整地も最後はこのプレート転圧機でした。
踏板の敷き方を尋ねてみた。「砂を入れて桟木でならす。継ぎ目やクラックから水が入ると砂が流れるのでセメンを混ぜる」。なるほど、砂ですね。園芸店にもそんなことが書かれていた。いやあ、現場を前にした説明はわかりやすいですね。勉強になりました。一度プロの方のお話を伺ってみたいと思っていただけに、絶好の機会でした。それにしても、どうしてこんなに親切なんでしょう。施主と勘違いされたかな。いえ、現場の職人さんたちはみなさん親切な紳士です。
市内某所
さて、直線線路の延長。道床には、コンクリートブロックを並べたい。お店を回ると通常の10cmのほかに6cmもある【画像左】。施工上は、薄い方が地面を掘り下げる労力が少なくてすむ。これに決めかけたが、我が家の裏には使い回しの10cmが多数残されている。あるものを使うという方針からすれば10cmだなあ。工費の節減も大切。使えそうなものを選別して庭に運び入れた【画像右】。とりあえず24個。この運搬だけでも重労働。そして、きれいに水洗い。う〜ん、腰が疲れる。
ブロックを並べる際に地面を突き固めることが重要。「転圧」と言うらしい。実際の現場では規模や用途によって何種類もの機械や道具があるようだ。当鉄道建設ではこれまでレンガを使って手でたたいていたが、これからは規模も大きくなるので一工夫。こんな道具を作りました。卒塔婆ではありません【画像左】。角棒の先に平板を取り付け、石のブロックを結束バンドで固定。平板の裏にクッキー缶のフタを利用した金属板【画像右】。名付けて「転圧棒」。これで地面をたたいて固めるわけです。けっこう重い。7sぐらい。
プロの職人さんのお話を聞くこともできたし、それなりの道具も準備できた。直線線路の道床ブロックの敷設工事を始めます。しかし、並べるだけという安易な楽観とは裏腹に、いろいろ問題が発生します。さあ、どうする?