〔オイルダンパーの作成〕
 
小川精機 AT-67
 
 
 TR41Dにはオイルダンパーが付いています。ライブスチームの乗用台車の場合、あってもダミーですから機能重視の観点からは不必要でしょう。しかし、ディテール重視の当方としては是非ともほしいパーツです。ところで、実際のところ、小川精機の既製品にオイルダンパーは取り付けられるのでしょうか。5インチの乗用台車を取り外してきて、まずはじっくり観察。
 
 チャンネル構造になった上のごつい枕梁と下の平板の間にスプリングがはめ込まれています。このスプリングは一度はめ込むともう分解できそうにありません。ということは、枕梁の組立は、塗装も済ませて、パーツがすべてそろった一番最後。そうか、塗装もかあ。上の枕梁の端面に横になったヨの字の出っ張りがありますが、これがなければ枕梁の長さは下の平板の長さと同じ。つまり、上下の端面のラインは一致するわけです。よし。
 
 オイルダンパーを固定するために上下にチャンネルを取り付けようと思います。上の枕梁には十分なスペースがあります。下の平板下側の隙間も1.0mmの厚さのものなら問題なさそうです。よしよし。枕梁と平板の上下の間隔を計測すると38.0mm。これがオイルダンパーの長さを決める基準。いくら強くて固いといっても、スプリングですから縮みます。この動きをどこかで逃がさないといけませんよね。
 
 オイルダンパーの固定は上部のみとし、下部は固定せず、ネジの長さに余裕を持たせてスプリングの動きを逃がすことにしましょう。2.0mmの余裕を確保するとオイルダンパーの全長は36.0mm。さて、太さは? 残念なことに『国鉄貨車明細図集』のホキ図面の台車はTR41C。つまり板バネ仕様です。実車の画像ではブーツカバーのようなものがついていたりして、いかにもオイルダンパーというイメージではありません。う〜む。
 
 『国鉄貨車明細図集』のコキ用のTR63の図面を参考にして直径を割り出しました。しかし、図面上の数値をそのまま工作に反映できる素材が見つかるとは限りません。市販素材の規格次第です。ダミーですから丸パイプを2本接続すればよいと思っていましたが、よく考えたところ、丸棒丸パイプという組み合わせにハタと気づきました。丸棒にした方がネジ穴の加工が簡単です。お店で物色し、8.0mmの丸棒と10.0mmの丸パイプの組み合わせに決定。さあ、オイルダンパーの作成開始。
 
 

 8.0mmのアルミ丸棒と10.0mmのアルミ丸パイプを所定の長さにカット。パイプの肉厚が1.0mmですから8.0mm丸棒に丁度はまるわけです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 仕上げにボール盤を利用しました。丸棒をチャックにくわえて、下に置いた平ヤスリに押し当てると見事に美しい切断面に仕上がります。また、アールを付ける際にも丸棒を回転させてヤスリがけ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 丸棒の上下にタップ穴を開ける際にはこんな荒業も。ドリルをバイスに固定して丸棒の方を回転させます。こうすると、丸棒の中心にドリルが立ちます。工作機械を使わない手作りホキ製作を標榜していますが、ボール盤が旋盤代わり。(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 オイルダンパーの上端と下端にアール加工。丸棒の上下からM2.6mmタップ。旋盤代わりのボール盤のお陰で完成度が高くなりましたよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 丸棒と丸パイプはM1.4mmネジで固定します。テープで仮固定して1.1mmの下穴。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 丸棒にM1.4mmのタップ。丸パイプ側は1.4mmに広げて皿ネジのざぐり。ネジ止めは一箇所だけで十分。1.4mmのタップは本当に久しぶりだなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 オイルダンパー取付用の六角ボルト。上側用にM2.6×4。下側用にM2.6×9 s 6。下側用は根元3.0mmにネジ山がなく、この部分でスプリングの動きを逃がします。いずれもC11組立の残り物を利用。いえ、実際は残り物のネジを見てどうするかを考えているわけですが……。(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 上下のボルトを仮止めするとこんな感じ。オイルダンパーらしい形に見えませんか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 4本そろって出来上がり。同じものを量産するのは手間がかかります。しかし、そろうとそれなりに達成感がありますね。