〔鹿児島県の巨木〕
鹿児島県南さつま市坊津町秋目
坊津町秋目のアコウ。幹の周囲9.3m。推定樹齢は不明。天然記念物指定なし。
幹の周囲の数値は目通り(目の高さ)の位置らしいですが、いったいどの部分なのでしょう?どこがどうなっているのか皆目見当もつかないほどグジャグジャに絡んでいます。高さはさほどでもないものの、巨木リストに「グジャグジャ」のカテゴリーがあれば、かなり上位なのではないでしょうか。
鹿児島県南さつま市坊津町久志
坊津町平尾のアコウ。幹の周囲8.0m。推定樹齢300年。天然記念物指定なし。
23mと言われる高さと枝振りに圧倒されます。周囲が開けているので、離れたところから全貌を見渡すことが可能。海上からの目印にもなっているとか。国道226号の路肩にあるので行き着くのは容易。ただし、慎重に探しすぎて役場の方のお世話になることもあります。(笑)
鹿児島県指宿市西方
指宿市信楽寺の墓地のアコウ。幹の周囲は2007年の実測によるとほぼ14m。天然記念物指定なし。
アコウにしては幹が整っており、目通りの太さはアコウとしては日本一らしい。たしかにデカイ。上方は例によって枝が広範囲に広がって全貌をとらえにくい。隣接して報国神社があり、信楽寺のアコウか、報国神社のアコウか、見解が分かれる。でも、車で行く場合、信楽寺の境内に車が置けるので、「信楽寺のアコウ」でいいんじゃないの?
鹿児島県指宿市東方
指宿市内のアコウ。幹の周囲6.0m。推定樹齢300年。指宿市有形民俗文化財指定。
信楽寺のアコウの後ではさほど太いとも思われないが、周囲に及ぶ屋根代わりの枝振りは圧巻。それなりの空間を創り出しています。「モイドン」の響きに心引かれますね。「森殿」という神様のことらしい。「ドン」がいかにも鹿児島っぽい。
鹿児島県姶良市蒲生町久徳
蒲生八幡神社境内のクスノキ。幹の周囲24.2m。根回り33.5m。推定樹齢1500年。国指定の特別天然記念物。
唖然。絶句して言葉にならない。日本最大の巨木として認定。国宝の巨木ですね。「木」は丸いというイメージはいつごろから作られたのでしょう。自然に対して人間の都合が優先し始めたころでしょうか。「商品」としての木材がそれを決定的にしたのかもしれません。みんな丸く真っ直ぐに育てられます。しかし、巨木たちはそうではありません。丸くもなければまっすぐでもありません。それは「木」の本来の姿を教えてくれているようにも見えます。「人間」はどうなのでしょう。みんな同じように丸くまっすぐに育つのがいいのですかね。そんな人間は……。