〔旭鳳酒造〕
旭鳳酒造は広島市安佐北区可部の市街地の中にある。かつての石州街道から県北西部へ分岐するT字交差点のすぐそば。私が小さい頃、国道54号線のバイパスができたが、いまでは並行してさらに片側2車線の新バイパスができている。広い間口のお店の左右には、まさに酒蔵が展開。大きな看板は時代を感じさせ、石州街道を彷彿させる。
「旭鳳グッズありませんか」「在庫が残るので作っていないんです」。ロットで発注するにはリスクが大きいという大人の事情らしい。でもテレビ番組で「ぐい飲み」見たけどな。「貸し出してます」とのこと。ゴソゴソしていたお女将さんが持ち出してきたのがこれ。旭鳳マッチ。以前は大量にあって自由に持ち帰っていただいていたが、いまではほとんどなくなったとも。
実はこのマッチの「鳳凰」の図柄が、新酒やひやおろしなどのラベルのデザインの元なのだそうだ。比べてみるといっしょ。ただし「旭鳳」の文字は別。へえ、今となっては貴重なマッチなんですね。「お持ち帰りください」。えっ、もらっていいんですか?四合瓶コレクションといっしょに大切にします。
新酒ラベルに記載された「BY」が「Brewery Year(醸造年度)」であることを教えていただいたのは旭鳳酒造。7月1日から翌年の6月30日までが酒造りの「年度」。酒米の収穫から醸造、出荷の年間サイクルの基軸なのだそうだ。「酒税」の税務署がらみの世界。そういえば、「清酒鑑評会」を主催しているのは「国税局」なんですよね。