〔板バネの切り出し〕
 
 
 C11の組立終了後、出窓と工作机は空いたまま。この限られた貴重なスペースをどういうふうに利用するか。家族内にさまざまな思惑が交錯し始めました。え〜っ、ずっと私の工作スペースのままじゃないわけ? 早急に既得権を主張しないと、とんでもないことになりそうです。早速手を打ちました。C11の組立時に廊下のすみに捨て置かれていた安物ボール盤、これを出窓に戻しました。お父さんはまだ何か続けるつもりなのね。そういう雰囲気が再び家族内に定着。ひとまず安心。
 
 
 
 
 しかし、一難去ってまた一難。一般に、子供の成長にまさる親の喜びはないと思われています。その通りです。でも、自分の工作室を持たず、子供部屋に間借りして工作している場合は微妙です。C11の組立時に中学生だった部屋主のお嬢さまも、ご成長されてこの4月から高校生。お勉強も大変らしいです。そのため、土日もほとんどご在室。使わせてくださいとも言えず、モジモジ。
 
 こうなると悪知恵を働かせたくなるのが男のさが。高校生は毎日決まった時間に登校。でも半ば自由業の大学教員にはそんなのないんだぜ〜。講義時間に遅れちゃマズイけど、時間管理の自由度は高校生なんかの比じゃないよ〜。金曜日は午後から講義。都合をつければ午前中はなんとかなる。週に1日、金曜日の午前中。この時間帯なら部屋主のお嬢様に気兼ねなく工作できる。
 
 かくして、ささやかな工作スペースとわずかばかりの工作時間を辛うじて維持。しかし、この調子でいくと、ワフの完成にいったいどれだけの月日がかかることやら……。
 
 

 キットに梱包された板バネ関連の素材。10mm×180mmのリン青銅の帯16枚。胴締めになる真鍮材と固定用の3mmネジ。ただし、2段リンクに取り付ける板は、すでに両端に真鍮パイプがロウ付け済み。これらはあくまでも素材。これを加工して組立部品を作り出さないといけないわけです。ウムッ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 何はさておき、まずリン青銅を各種の所定の長さに切断しなくては。しかし、これが結構辛い。数が多いのです。湾曲した帯を平らに押さえつつ、正確に長さを測るのも至難の技。そうでなくても、素人の私にもともと技はない。いつもの万力にさらに小型の万力を取り付けて糸鋸を引きやすいように。ありゃ、作業机の上が雑然としていますねえ。整理整頓が大切なんですが……。
 
 
 
 
 
 
 
 


 切り出した板バネ。9サイズがそれぞれ4枚。糸鋸の刃にも0.4mmほどの厚みがあり、けがいた線の真上を切ると、当然その分短くなってしまいます。線の横を気持ち長めに切断して、その後ヤスリで所定の長さに。したがって、1つの帯から複数枚切り出す場合には、1枚ずつその都度長さを測ります。両端に真鍮パイプが付いた板は上から2枚目。模型化に際して設計変更したとのこと。マジックで@〜Hの番号を記入しましたが、これは後で消します。初日の作業はここまで。ふう〜っ。
 
 
 
 
 
 


 ここで新兵器。ペンシル型のケガキ針。超硬チップ針なんだそうです。ということは、いままでいったい何を使っていたのでしょう。あはは、鉛筆ですよ。お嬢さんのペン立ての。これでもう、勝手に使って叱られることもなくなるでしょう。(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ケガキ針で力任せに線を引くのだとばかり思っていました。素人の浅はかさ。そうじゃないのですね。ケガキの必要なところにマジックインクで色を塗り、その塗料に線を引けばいいわけですか。力もいりませんし、むしろケガキの線もよく分かります。なあ〜るほど。下の6枚は四隅を斜めに切り落とし、さらに面取りをします。1枚に4箇所、同じものが4枚、さらにそれが6サイズ分。都合96回の繰り返し。ヒエ〜〜。翌週の1日はこれだけで精一杯。
 
 
 
 
 
 
 


 全部の板を4つの組に分け、それぞれ1〜4の刻印を打ちました。湾曲した板バネを隙間なく重ねるには、それぞれ微妙な現物合わせが必要です。ゴチャゴチャにするとうまくいきません。刻印の位置で板の方向も一定に。シンナーで洗浄すると、マジックインクが消えて刻印の数字だけが残ります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 打刻用のポンチ。手前が数字、後ろがアルファベット。どういうわけか、以前から持っていました。こんな形で活用できるとは……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ボール盤で穴あけ。まず0.8mmの下穴を開け、その後で所定の3.1mmに拡張。ところが、思わぬ失敗で痛い目に。当初はテーブルバイスを使わずに作業していました。下穴や長い板の場合はそれでよかったのですが、板が短くなると大変なことが……。そうです、板を押えきれず、ドリルと一緒に回転してしまうのです。まるで飛行機のプロペラのように……。しかも板が変形して、せっかく現物合わせで成形した湾曲が台無し。あちゃ〜。ボール盤入手以来、一度も使ったことのなかったテーブルバイスの必要性を痛感しました。誰でもみんな失敗して成長する……。
 
 
 
 
 


 正直なところ、ドリルによる穴あけはすべて正確に同一の位置というわけにはいかないようです。正確にけがいたつもりでも誤差はありますし、また、正確にポンチを打つのも至難の技です。加工の点数が多いと、中には微妙に穴位置のずれたものができてしまいます。だからといって、ここは、精度のない安物ボール盤のせいにはせず、また、手作りの味わいなどと開き直ることもせずに、私の技術の未熟さゆえということで、今後精進することにしましょう。
 
 
 
 
 
 
 


 板バネを重ねてネジで仮止め。ほお〜。板バネのイメージだなあ。ニニッ。微妙に穴位置のずれたものは、ネジを通すとよく分かります。もちろん、穴を大きくしてごまかしたことは言うまでもありませんけどね。(笑)