ワフ製作記/続・ワフ製作記続・続・ワフ製作記 BACK
 

 
ワフ29500形式5t積有蓋緩急車
 
 
 C11328も1両だけでは寂しかろう。子供の頃の記憶の通りに、オハ35系客車を3両引かせたいという思いはあるものの、その実現にはかなりの困難が予想される。さしあたり貨車ならどうだ。幸いクラウンモデルの3.5インチワフ29500キットがある。ライブスチーム特別会計を使い果たそうと思っているので、資金調達の苦労もない。入手するためのハードルはないに等しい。しかし……。
 
 「O社と異なり加工がありますが、工作するのも楽しいものです」「部分的な加工もご依頼があればお引き受けをします(有料)」。キットに同封された手紙の一節。ざっと見渡しただけでも、ハンド工具による組立のみだったC11の場合とはまったく様子が違う。うまく完成させられるのだろうか。一抹の不安が脳裏をよぎる。しかし、これを乗り越えないことには自作ライブスチーマーへの道も開けない。
 
 あれれ、いつの間にライブスチーマーを目指すことになったのでしょう。それはともかく、ワフ29500キットを入手してしまいました。たとえどんなに時間がかかっても、どんなに苦労しても、このキットを完成させましょう。そして、C11328に連結して、子供の頃に見た可部線のあの光景を、遠い記憶からもう一度この目の前に再現することにしましょう。「ワフ29500製作記」の始まりです。
 
 
画像をクリックすると、詳しい記録をご覧いただけます。
 
 
 
 ワフ29500キットの到着 2003/03/25
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 この業界の商品供給の特質については、折に触れて先輩各氏から聞かされていた。まさにその一端を見る思い。見積書の納品期日から遅れること1ヶ月。やっとキットが届いた。しかし、まだこの時点で未納の部品も。結局すべてが揃ったのは、月が改まった4/8のことでした。
 
 生産現場の状況を考えると、止むを得ないのかなあ、という気もします。ライブスチームが、文字通りKing of Hobbyとしてメジャーにでもならない限り、現状を受容して、そのつもりで付き合っていくしかないのでしょうね。
 
 
 
 車輪の組立 2003/05/05
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 OSのC11キットと違って、「組立説明書」や「部品表」のようなものはない。付属の図面もイラストではなく、本格的な製図の図面。現物の部品を見ながら確かめないと、各部品がどう組み合わさっているのかもすぐには分からない。前途多難かな。いや、やり甲斐がありそう。
 
 とりあえず、もっとも簡単な車輪の組立から。といっても、車輪を車軸に通して固定するだけ。線路の上を転がしてみるが、機関車の動輪のときのような感動はない。所定の間隔に並べ、上にのるワフの車体を想像する。結構デカイなあ。

 
 
 板バネの切り出し 2003/05/16-05/25
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 さあ、どこから手を着けようかな。C11の組立もそうでしたが、やはりまずは板バネから。しかし、これに思わぬ時間と労力を費やすことに。リン青銅の帯を各種の長さに切断、角を落として面取り、センターに穴明け。これだけのことですが、何せ数が多い。
 
 一部加工済みのものもあるものの、1セット9枚が前後左右、つまり36枚。9枚のうち6枚の角を落とすわけですが、これが延べ96箇所。ヒエ〜〜。集中力と根気と時間が必要。やっとの思いで完了。ふう〜っ。費やした労力のことを考えると、この輝きは黄金の輝きにも匹敵するわけです。

 
 
 板バネに胴締取付 2003/06/27-07/04
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 板バネの切り出しで精根尽き果ててしまい、しばらくワフ製作から遠ざかっていた。1ヶ月余りの静養の後、やっと作業に復帰。
 
 板バネをまとめる胴締の取付。タップを立ててネジで締めれば出来上がり、と安易に考えていましたが、意外に手間がかかります。キットのパーツが完全加工済みではないからです。所定の規格に合うよう、最後の仕上げは自分でしなさい、ということ。諸々不満も残りますが、これで板バネ完成。ふう〜っ。

 
 
 軸箱の加工 2003/07/19-07/25
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 作業は遅々として進まない。工作時間が確保できないこともあるが、それ以上に工作に手間がかかるのだ。この際、むしろ先を急がず、その都度の工作を楽しむ方がよいのかもしれない。思い通り精密に仕上がったときの満足感は何ものにも代えがたい。
 
 板バネに続いて軸箱の加工。軸受け部分にローラーベアリングが装着されているものの、外観の仕上げは残されたまま。ダミーの軸箱蓋も真鍮板から切り出す。当然のことながら同じものを4個。完成した軸箱を並べて、ウフフ……。

 
 
 ワフ用簡易レールの作成 2003/11/12
 
ご紹介するほどのことはありません。 4ヶ月ぶりの更新です。「ワフはどうした?」とお叱りの声もあり、この場を借りて言い訳をさせてください。専用の工作室はありません。高校生の娘の部屋を間借りしての作業。したがって、夏休み中はお手上げ。部屋主さまが終日ご在室です。嗚呼、哀愁のライブスチーマー。夏休み後、さあ再開だと気合いを入れたものの、車体を置く場所が必要なことにハタと気付く。う〜む、……。うなっている間に今日に至った、という次第です。
 
 例によってスペースは出窓しかありません。ボール盤があるので、以前の3.5インチレールは置けません。アルミのアングルで簡易レールを自作。合わせて久々に片付けと掃除も。レールに載ったワフを想像すると、意欲がわいてきたぞ。

 
 
 軸箱守の組立 2003/12/03-12/06
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 軸箱を支える軸箱守の組立。部品の欠品というオマケもあったが、これは容易にクリア。しかし、軸箱がスライドする隙間の精度は、そのまま貨車としての機能に影響する。図面通り、正確に20mmの間隔で、しかも平行に組み立てるにはどうすればいいのでしょう。思案のしどころ。ジグ(jig、「治具」を当てることもある)の工夫がポイントかな。
 
 どんなに集中して注意深く加工しても、素手の精度には限界がある。より精度を上げるためには、手先の器用さ以上に、知恵工夫が必要。どんなジグを準備したらいいのでしょう。金属加工の面白みが少しは分かってきたような気がします。期待通りの精度に仕上がり、満足!満足!

 
 
 軸箱守の取付 2003/12/10
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 軸箱守の組立に気をよくし、早速次の作業に取り掛かる。床下の梁になるチャンネルへの取付。これもまた精度が要求される。左右の軸箱の位置がずれたのでは、これまでの苦労が水の泡。チャンネル材はカット済みなので、けがきに集中できる。しかし、いざ穴あけという段になって問題発生。知恵と工夫が求められます。
 
 クラウンモデルのパーツは完成度が高く、マニア心をくすぐられます。特にロストワックス製品は絶品。にもかかわらず、軸箱守の取付に、なべビスとは……。よくできたM2六角ボルトがあるはずなのにどうしたのでしょう。ここはやはり六角ボルトですよ。問い合わせてみましょうね。

 
 
 バネつり受けの取付 2003/12/10-12/13
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 軸箱守に続いてバネつり受けの取付。バネつりに支えられた板バネは、このバネつり受けを介して床下の梁に固定される。軸箱守の場合と同様、取付の精度が求められるが、ここも知恵と工夫で克服。左右を重ね合わせると、軸穴の位置がピッタリ一致。やったぜ!
 
 ボール盤の穴あけは難しい。貫通する直前、ドリルに大きな力が加わることは気付いていたが、ものによってはどうやら予想以上のようだ。加工材をテーブルバイスでしっかり固定できればよいのだが、形状によってはうまくいかないこともある。手間と忍耐が要求される。金属加工は奥が深いなあ。

 
 
 二段リンクの組立 2003/12/17-12/20
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 う〜む、困った。これまで作成してきた板バネや軸箱守を組み合わせて走り装置の二段リンクを組み立てるのだが、肝心のその構造が分からない。これまで、キリコばかりで家族には不評この上なかったものの、走り装置が組み上がって車輪が入れば、さすがの素人にも、何を作っているか分かろうというもの。しかし、そのバネつり部分の構造が……。
 
 クラウンモデルに問い合わせ。完成品を下からのぞいた画像が1枚送られて来た。なあ〜るほど。しかし、百聞は一見にしかずとも。保存されている実物を見学してみよう。これで、足回りの加工は一応完了。ふう〜っ。

 
 
 床板に梁の取付 2003/12/27-12/29
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 いよいよ床板の加工。これでようやくワフの全長全幅が明らかになり、完成の姿に一歩近づく。まずはの取付。床下の中央と外側にそれぞれ2本。それから端梁も。図面を睨みながら慎重にけがき。
 
 ん? 側面図の全長と床板図面の全長が2mm違うぜ。ハテ、どうしたものか。一晩悩んだ末、材料を実測し、それに一致する側面図の数値を採用。これなら材料がそのまま使える。もし間違っていたら、側壁や屋根の取付に影響があるのかな。まあ、そうなったときに考えましょう。

 
 
 床下補強材の取付(その1) 2004/01/09-01/10
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 梁に続いて床下補強材の取付。チャンネルから切り出すものと、ロストワックスを加工するものがあり、5種類の異なった形状のものが全部で24個。取付用のM2×4mmボルトとM2mmナットが92セット。……のはずが、いくら探しても見つからない。あれれ、欠品かなあ。
 
 どの補強材も加工が必要なので、とりあえず最も簡単なものから。中央梁の間に入る補強材。チャンネルを所定の長さに切断するだけ。ネジで取り付けて、はい出来上がり。まずは小手試し。
 
 ※詳細ページに、廃止されたJR可部線安芸飯室駅。

 
 
 床下補強材の取付(その2) 2004/01/24-01/28
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 補強材は、チャンネルやロストワックスを加工して自分で作らないといけない。数も多く、地味で根気のいる作業。チャンネルの加工に取り掛かったものの、訳あって後回しに。これは後日ご報告。それで、まずはロストワックスの加工から。
 
 図面に従って、同一のロストワックスから2種類の補強材を成形するのだが、その第1弾。荷室引戸のレールを支える突起を兼用するタイプ。ヤスリ加工のポイントはバイスへの取付。専用の取付ジグを工夫してクリア。とりあえず8個。床下への取付穴の加工は、次回まとめていっしょに。

 
 
 床下補強材の取付(その3) 2004/02/04-02/07
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 ロストワックス成形の第2弾。車掌室部分の床下に取り付けるタイプ。前回と同様に、取付ジグを使用してバイスに固定し、ヤスリ掛け。わずかでも、経験を積むとそれなりに熟練します。こちらは6個

 さて、前回分も合わせて、床下への取付穴の加工。1個ずつけがくわけにもいかず、ここはやはりジグの工夫。しかし補強材をピッタリ固定するには、T字アングルの肉厚分の隙間を再現することが必要です。どうしたらいいのでしょう。アイデアが求められます。


 
 
 床下補強材の取付(その4) 2004/03/04-03/07
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 仕事の繁忙期と娘の期末試験が重なり、作業が中断していました。これが最後の補強材。1本のチャンネルを個数分に切り分けてヤスリで仕上げる。実は、一連の補強材のうちで最初に着手したものの、切り分けているうちにチャンネルの長さが足りなくなってしまった。切りしろを大きく取りすぎたのが原因。だって糸のこがまっすぐに進まないんですもの……(涙)。やむなくクラウンモデルから1個分送っていただくことに。てなわけで、後回しになっていました。
 
 届いたチャンネルを見てビックリ。なんと加工済み。そんなつもりじゃなかったのに。しかし、職人さんの技を盗む絶好のチャンス。仕上がり具合をじっくり観察させていただきました。わざわざどうもありがとうございました。

 
 
 床下補強材の取付(その5) 2004/03/09-03/20
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 なぬっ、春休み!? 仕事の繁忙期を乗り越え、ワフ製作に集中しようとしていた矢先。お嬢さまが終日ご在室では作業ができない。子供の勉強を親の趣味で邪魔するなどもってのほか、と家族から非難を浴びる。下回りを一気に仕上げ、軸箱と車輪を取り付けてレールにのせるはずだったのに……。あ〜あ。
 
 それでも、すきを突いてちょっとずつ作業。やっとそろった床下補強材を床板に取り付ける。正月以来だものなあ、手間が掛かったなあ。作業終了後、ローアングルからなめるように眺め回して、ウフフ。心配していた強度も問題なさそう。レールにのるまであともう少しだ。

 
 
 端梁の加工 2004/04/16-04/29
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 手間の掛かった床下補強材の次は、端梁の加工。しかし、新年度とともに作業のペースは一気にダウン。まとまった時間もとれず、こま切れに工作を継続。止り穴のタップ立て、ダイスによるネジ切りなど、初体験の作業も。
 
 鎖で吊り下げられたブレーキホースは、アングルコックのディテールと相俟って、リアリティーに満ち満ちている。さすがクラウンモデル製と思わせる精密な作り。早く連結器を付けたいなあ。

 
 
 連結器の取付 2004/05/02-05/04
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 「友達と映画に行ってもいい?」えっ、お出かけ?ゴールデンウィークは、お嬢さまがご在室で工作は無理と諦めていた。映画のほかにも予定があるらしい。ウフフ。絶好のチャンスを逃さず作業を進める。
 
 端梁の加工に続いて、連結器の取付。連結器の根元に9.0mmの穴あけが必要。しかも厚みは14.0mm。手持ちのボール盤と私の拙い技術で垂直の穴があけられるのか。中央梁のチャンネルに平板を取り付けてカプラーポケットを作る。平板にタップを立ててチャンネル側からボルトで締めろということらしい。う〜む、そんなことができるのか。憂鬱になりつつも、果敢に挑戦。我ながらよくやった。褒めてあげたい。(笑)

 
 
 踏段の取付 2004/05/14-05/29
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 端梁の加工が終了し、次はいよいよ車輪の取付、と期待されていた皆さん、ゴメンナサイ。床下関連でもう1つ、ワフ固有のパーツがありました。デッキの踏段。これがないと車掌車とは言えませんよね。しかし、ここで新たな課題。そう、ハンダ付け。小物の経験はあるものの、大きいパーツのハンダ付けは未経験。うまくできるのかなあ。
 
 今後のボディの組立でハンダ付けの必要な箇所があり、今回はその腕試しのつもり。思い切って挑戦すればなんとかなるものだ。これで、足回りと床下の加工がすべて完了。やったぜ。一山越えた。ふう〜っ。

 
 
 荷物室妻板の加工 2004/06/11-06/23
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 下回りが完成した。次は何だろう。板バネ車輪を取り付けてレールにのせてみたいのはやまやまですが、塗装のためにもう一度分解することを考えると、割ピンの処理が厄介だなあ。下回りだけでも先に塗装した方がいいのだろうか。しかし、塗装済みの床板や端梁は上ものの取付の邪魔にならないだろうか。あれこれ思案した結果、塗装は後回しとし、上ものの加工に取り掛かることにしました。
 
 まずは妻板、それも比較的加工が簡単そうな荷物室の妻板から。何でも挑戦!よく考えた後は思い切ってやってみる。この姿勢を堅持しつつ一応完成はしたものの、側板や屋根との関係はうまくいくのか。満足感より今後の心配が先に立つ。

 
 
 デッキ妻板の加工 2004/07/02-07/21
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 妻板加工の第2弾はデッキの妻板。このデッキの存在こそがワフのワフたる所以。アングルと角棒を組み合わせて平板でサンドイッチにする加工は手ごわそう。でも、ヤスリ掛けがピッタリ決まって、ウフフ。
 
 ハンダ付けもいよいよ本格的になってきました。フラックスの塗布がポイントの1つですね。綿棒はダメです。滴が垂れて慌てました。試行錯誤の結果、細字用のふでがいい感じ。コテ使いの要領が分かると結構楽しい。余分なハンダは彫刻刀で削り取ればよいことも発見。新たな技能の修得につながるか……。

 
 
 車掌室妻板の加工(その1) 2004/07/28…12/03
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 夏休み中は工作室の部屋主のお嬢さまがご在室ですから、工作は諦めざるを得ません。しかも今年は夏休み後からの仕事が多忙を極め、工作どころではなくなっていました。その仕事もひと段落し、中断していたワフ製作をやっと再開。
 
 新たに上等な糸のこの歯を入手。真鍮板が思いのままに切断できます。そうでしょ、私の腕が悪かったのではなくて、安物の歯がダメだったんですよ。工具の質の重要性を痛感。妻板の第3弾は車掌室の出入口。床板への取付は手間が掛かりそうなので、まずは引戸の加工から。もちろん開閉できます。

 
 
 車掌室妻板の加工(その2) 2004/12/13-12/17
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 引き続き、車掌室妻板を床板に取り付ける。これまでの妻板は端梁の端に取り付けるので、位置決めはほどんど問題にならなかった。しかし、この妻板は床板の上。側板との関係もあり、位置決めは慎重に。合わせて引戸のハンドルも。でも、ドアロックの仕掛けは先送り。シンプルで確実なメカニズムをじっくり考えましょう。
 
 デッキ妻板をいっしょに取り付けると、いかにもワフらしい雰囲気。あと側板を取り付ければほぼ完成。しかし、側板の組立はうまくいくのかなあ。心配が先に立つ。

 
 
 側板床アングルの取付 2004/12/22-2005/01/07
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 妻板の加工が完了し、次はいよいよ側板。ワフの形があらわになる……。でも、その前に準備作業。うわものを床板に固定するアングルの取付。これに側板をハンダ付けするわけです。上下を分解できるように床板にネジ止め。アングルの両端には、妻板の縦横のアングルが重なり、現物合わせの細工が求められる。
 
 作業の途中で年を越しました。ワフ製作は3年目に突入。新年の誓い、今年こそワフを完成させるぞ!

 
 
 デッキ妻板結合金具の取付 2005/01/08-01/12
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 いよいよ側板の取付……。入念に図面をにらみつつ、側板を妻板にあてがってイメージトレーニング。ハテ、まだその前に……。
 
 ワフの場合、荷物室妻板と車掌室妻板に側板を組み合わせて四角い箱が構成される。したがって、デッキ妻板は、言わばオマケ。デッキ天井部分の側板と脱着可能であるのが好都合。そのための仕掛け。側板の取付に先立って、この結合金具を取り付けておきましょう。もう1つ。前回取り付けた床アングルの荷物室入口部分の切り取り。地味な作業が続く。

 
 
 側板の取付(その1) 2005/01/19-01/21
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 今度こそ、側板の取付。まず、三連窓側。強度の問題などを考えて、車掌室と荷物室を一気に取り付けてしまいましょう。しかし、床下補強材などと違って、常に目に触れる部分。とりわけ側板と妻板と接合部分は完璧に仕上げたい。どうするかなあ。
 
 ハンダ付けを終えて車体を起こすと、三連窓と荷物室入口が目の前に。これまでイメージだけだったワフの側面が形になった。接合部分も上出来。ワオ〜ッ。

 
 
 側板の取付(その2) 2005/01/22-01/23
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 時をおかずに、引き続き二連窓側の側板。三連窓側がうまく出来たので、もはや考えることはありません。同じ方法で作業。ただし、前回とは異なり、すでに他方の側板が付いているので、箇所によってはハンダゴテの取り回しが厄介。荷物室の入口や車掌室の窓穴を利用して作業。
 
 この数日間で、ワフの外観が一気に出現。完成に向けて最大の山を越えた感じ。でも、ここに至るまでには、地道な作業の積み重ねがあったわけです。角度を変えて、なめ回すように眺める。ウフフ……。

 
 
 仕切板の取付 2005/02/02-02/11
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 車掌室と荷物室を分割する仕切板の取付。荷物室妻板、デッキ妻板、車掌室妻板と続いた一連の加工の最終回。ペコペコしていた左右の側板がしっかり安定。荷物室側にはアングルがなく、荷物室の入口から見るといい感じ。
 
 さて、上ものの構造部分はこれで完了。キットの梱包も残り少なくなり、ゴールが見えてきた。あとは、荷物室引戸と屋根、その他ディテール。組立はこのまま何とかなりそうですが、別の難題が気になり始めた。塗装。う〜む。

 
 
 荷物室引戸の取付 2005/03/10-03/19
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 残り少なくなった加工の1つ、荷物室引戸の取付。しかし、かなり大変そう。まず、戸袋の精度。とりわけ上下の間隔とその平行の正確さ。これがうまくいかないと引戸がスムーズに開閉できない。さらに、引戸補強材のハンダ付け。これまでのハンダ付けはいずれも目に触れない箇所ばかりだった。外装のハンダ付けが見映えよくできるかなあ。
 
 時間をかけて入念にイメージトレーニング。その甲斐があって、我ながら上等な仕上がり。最近ほとんど相手にされなくなっている家族にも披露。「細かい工作みたいね」。分かっていただけますか。ニンマリ。

 
 
 屋根通風器の取付 2005/04/20-05/04
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 ディテールを除けば、最後の作業となった屋根の加工。ロストワックス製の通風器と煙突上部をネジ止めするだけなので楽勝……。と甘く見ていたが大間違い。どちらもそれぞれひとひねりあって存分に楽しめる。
 
 まず、通風器の取付。屋根板に直付けするのではなくて、実車同様に四隅を足金具で浮かせて取り付け。しかもこの金具は、M1.7mm3本で通風器本体に固定する。鉄道史資料保存会編『国鉄貨車明細図面集T』(1993年)の車掌車の図面を確認したところ、確かにここはボルト3本でした。クラウンモデルに、脱帽!

 
 
 煙突上部の取付 2005/05/07-05/14
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 屋根加工の第2弾は煙突上部の取付。車掌室には暖房用のだるまストーブがあり、その煙は屋根に取り付けられた煙突上部を通して室外に出る。これには通風の工夫が施され、走行中に煙が逆流しにくい仕組みになっている。
 
 煙突上部には固有の屋根板が付く。キットには、この屋根板の取付ネジをリベットで再現する加工もあり、最後まで一筋縄では行きません。その他にも紆余曲折があって取付終了。ふう〜。

 
 
 霧除けの取付 2005/05/18
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 屋根の最後の課題は霧除けの取付。屋根板と妻板との接合部分を覆うために、屋根板の両端に取り付ける。しかし、屋根板のアールの形状が図面と食い違ってしまったので、切り出し済みの部品が使えない。現物合わせで自作するしかない。しかも屋根板の端に隙間なくハンダ付けしないといけない。直線ならまだしも、曲線のハンダ付けは初挑戦。気が重いなあ……。
 
 ほお、案ずるより何とか。うまく行きました。これでキットの主要な工作はすべて完了。あとはディテールを残すだけ。完成間近!

 
 
 窓枠の取付 2005/05/22-06/02
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 ディテールの細工はきりがありません。緩急車ですからデッキの手ブレーキは必須ですよね。さらに室内や床下のことを考えると、完成の目途すら立たなくなってしまいます。そこで、当面キットに付属しているものだけを取り付けて、とりあえず完成ということにしましょう。その他のディテールは、その後のお楽しみ。
 
 あとキットに残っているのは、車掌室の窓枠、デッキの手摺り、引戸の取手。まず、窓枠。2つのタイプから選択するわけですが、手作業の技術レベルを考えると、選択の余地はありません。フラットだった側板に奥行ができました。

 
 
 荷物室引戸に取手の取付 2005/06/08-06/15
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 キットの部材は、残すところ2.0mm真鍮丸棒が1本のみ。これを加工して、デッキの手摺りと荷物室引戸の取手を取り付けます。面倒そうな引戸の取手を先に。2.0mmの丸棒とはいえ、曲げ加工には体力と集中力が必要。おりゃあ〜っ!掛け声とともに汗が噴き出す。
 
 ついでに、戸袋にも手を加えてみました。端側の柱はない方がいいですよね。塗装後のレタリングのじゃまになります。側板に開いてしまったネジ穴も補修。取付用の六角ボルトを皿ネジに変更してスッキリ。

 
 
 デッキ手摺りの取付 2005/06/17-06/22
 
クリックして詳しい記録をご覧ください。 さて、いよいよキット最後の加工。デッキ手摺りの取付。2.0mm真鍮丸棒を加工して、デッキの入口にハンダ付けします。丸棒の曲げ加工については、引戸の取手ですでにノウハウを習得済み。気になるのはハンダ付け。すでにハンダ付けしている部分にさらにハンダ付けしようとするとどうなるでしょう……。
 
 側板の加工以降取り外したままだったデッキの踏段床下補強材を再び取付。デッキの踏段と手摺り、これこそワフがワフである所以。どおだあ〜!

 
 
 ワフキットの加工完了! 2005/06/22
 
クリックして現時点の全体像をご覧ください。 工作機械といえるものは何もない状況で、ジグの工夫をしつつ、もっぱら手作業のヤスリ掛けを武器にここまでやってきました。当初に比べると、多少の知恵と技術は身についたかもしれません。それに、思い通りに仕上がったときの至福感。金属加工の楽しさも。
 
 2003年3月の荷物到着以来2年と3ヵ月。キットそのものの加工はこれで完了です。たしかに塗装や走り装置の組立、追加のディテールなど、まだまだ作業は残っていますが、このページに一応の区切りをつけましょう。続きは、「続・ワフ29500製作記」へ。