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腹を決めていた。もし今度も見学できなかったら責任者にお願いしよう。今年8月にオープンした九州鉄道記念館。我が家のある下関からは関門海峡を挟んだ向こう岸。門司港駅のすぐそば、車で20分足らず。丁寧に整備された静態保存のC59の1号機とキュウロクが磨き出しのロッドを輝かせ、防錆オイルをしたたらせている。
ここに、かつて九州北部でお馴染みだった石炭車セラがある。(往年の姿はこちら) 初めて訪問したときから、ワフ製作の参考になるかもしれないと考えていた。しかし、2度目に訪問したときにも、セラの場所には柵があって見学できなかった。これじゃ展示している意味がないぜ。今度こそ、責任者にお願いしてでも見学するぞ。
時間の都合がついた平日、お客さんのいない時間帯をねらって開館と同時に入館。線路上に一直線に並んだ展示車輌の一番最後がセラ。やはり柵はそのままだ。お見えになった責任者の方は、北九州市役所観光課の事業課長さん。えっ、市役所の方なんですか。JR九州が設置して北九州市が運営しているのだそうです。公設民営の逆。
子供がセラに乗って遊ぶので、危険防止のために柵を設けているとのこと。なるほど。「関門ライブスチーム同好会」のこともご存知でした。機関車のロッドや銅管の磨き出しは絶品、逆サイドが見られないのは残念、など感想も申し上げておきました。名刺を交換して「今後ともよろしくお願いします」。
ところで、肝心の走り装置の構造は……。残念ながら、セラは二段リンクではありません。なお、軸箱守は厚板ではなく端を曲げ加工したもの、梁への取付はボルトではなくリベット、軸箱の蓋は2箇所ともボルトで固定(C11の従台車の軸箱は片側だけが固定され蓋が開く)、など収穫もありました。
この記念館、これからうまく運営すると、こだわり静態保存のモデルケースとして、日本中の鉄道ファンのメッカになる可能性もあるように思います。今後の展開を見守りましょう。
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さて、二段リンクの組立。袋に仕分けされた部品。点数が多い。
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ロストワックスの湯口を仕上げ、それぞれの部品を並べてみました。左から、大小のバネつり、各種リンク部品、長短のシャフト。リンク装置は全部で8箇所あるので、横一列が1箇所分ということ。この他にワッシャと割りピンも。しかし、一体どう組み立てればいいのだろう……。
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クラウンモデルに問い合わせた結果、シャフトが貫通する穴を自分であけることが判明。幅4.1mmと4.0mmに3.0mmの穴。大8個、小16個。そんな加工が素人にできるのか。一瞬不安がよぎったものの、やればできるもの。穴位置にポンチマークもあり(画像上)、1つも破損せず作業終了。しかし、微妙に穴が傾いてしまう。ドリルとボール盤のテーブルが垂直でないのだ。それを見越して、テーブルバイスに微妙に斜めに取り付けるが、最後は運任せ。幸いバネつりは自由に動くので、このズレは問題にならなかった。
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もう1つ細かい作業。シャフトの割りピン穴も自分であける。3.0mmの丸棒に1.0mmのピン穴。そのままでは手に負えないので、3.0mmのアルミフラットバーでこんなジグを作ってみました。あらかじめ上部の蓋のピン穴位置に1.0mm穴をあけておき、ここにドリルを立てるわけです。ピンは左から押し込みます。また、ボール盤のドリルチャックは1.5mm以上なので、ドリルチャックにもう1つ精密ドリルチャックを取付。これはアリですかね。
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3.0mm丸棒のシャフトに1.0mmのピン穴。工夫すればできるものだなあ、と実感。
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やっとそろったバネつり部分の部品。
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上の部品を組み合わせるとこんな感じ。左がバネつり受け側、右が板バネ側。
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取り付けるとこんな感じ。割りピンは仮止め。
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軸箱守と軸箱を取り付けて、ローアングルから。わあ〜い。すばらしい。もちろん機能的にも本物といっしょ。バネつりの言葉通り、つりさげられている様子がよく分かる。前後だけでなく、左右にも動いてひずみを吸収。よく考えられた構造に関心することしきり。
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