〔ブレーキ装置の取付(その3)〕
 
 
 
 数年ぶりの東京出張。都心の急激な様変わりぶりは目を見張るばかり。まるで浦島太郎の心境です。本務終了後の空き時間、このときとばかりに鉄道博物館に行って来ました。いわゆる京浜東北線で終点の大宮駅へ。ここが最寄り駅かと思いきや、もう1つ乗り継ぎなのですね。埼玉新都市交通のニューシャトルで一駅。改札を出るとそこがもう鉄道博物館。
 
 
 
 
 Suicaを持たない私は入場料を払って入館カードを購入。改札を通過して館内へ。入館規制もあるほど混雑すると聞いていましたが、さすがに平日はそんなことはありません。正面の大きなガラス窓からは、行き来する本物の電車や貨物列車がまるで模型のように見えます。その正面ガラス窓の下、まず目に付くのが3軸ボギー台車のTR73。もちろん本物。いきなりだなあ。(喜)
 
 
    
 
 
 通常、ブレーキ装置は床下の下からしか見ることができませんよね。しかし、こうして台車だけが置かれていると、ブレーキ装置を上からも観察できるわけです。またとない貴重なチャンス。かなりの年代ものらしく、ボギー台車にもかかわらず、ブレーキ装置の構造は基本的に二軸貨車のそれと同じ。制輪子吊、制輪子吊受、ブレーキ梁、ブレーキてこ、それに湾曲したブレーキ棒までそっくり。これはワフ製作に使えるぞ。
 
 なめまわすように写真をパチパチ。さすがに博物館だけのことはあっていいものがありますね……。ん!? はたと我に返って周囲を見ると、ほかの来場者のみなさんはこの台車の前を素通り。えっ、一点目の台車にこんなに時間と労力をかけているのは私だけ!? 台車に密着して離れないおじさんは、さぞ奇妙に見えたでしょうね。でも、この台車だけで、もう十分に鉄道博物館に来た甲斐がありましたよ。うふふ。
 
 

 さて、制輪子吊の作成。対の2個の穴位置をそろえ、しかも量産。2枚重ねて作業するのが効率的でしょう。下端の一辺をそろえられるようにした上で、8個の制輪子吊をけがいた真鍮板を2枚作り、一方にだけ穴を開けておきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 下端の一辺をそろえて裏表に2枚を組合せ。裏と表の両面をけがき面にします。四隅の穴を慎重に写し開けてボルトで固定。こうしておいて残りの穴も全部写し開け。これで上下2枚の穴位置はピッタリです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 その他の左右の端もネジで固定した上で、糸のこで4つに切り離していきます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 裏と表のけがきに合わせてヤスリで仕上げます。厚みがある場合、切断面を直角に仕上げるのは素人には至難のわざ。裏表両面のけがきが有効。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 さらに、中央部分をネジ止めして半分に切断。2枚重ねになっているこの段階で、一対になるものを示す刻印を打ちます。表と裏に数字の1から8まで。角も丸くヤスリがけ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ネジを外すと、ほらね、同じ形状で一対になった制輪子吊が8対。1つずつペーパーがけして最後の仕上げ。数が多いので地味な繰り返し作業。ふう〜、制輪子吊ができたぜ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 以前作成した制輪子の取付穴部分の肉厚は6mm程度でした。前回、制輪子吊受.のパイプを5.0mmに加工したので、制輪子側もこれに合わせなくてはいけません。1.0mmヤスリで削ります。正確には片面を0.5mmずつ。こんなジグを作りました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 最初の片面を削るときには、5.0mmの角棒の下に0.5mmの板を入れてかさ上げし、これをガイドにして削ります。これで6.0mmが5.5mmに。次にもう一方の面を削るときには0.5mmの板を取り外し、5.0mmの角棒だけをガイドにします。これで5.5mmが所定の5.0mmに、というわけです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 制輪子、制輪子吊、制輪子吊受の部品がそろいました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ネジで仮止めして組み立てるとこんな感じ。車輪があるともっといいのですけど……。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こんな感じでしょうか。