〔デッキに手ブレーキ取付〕
 
 
 
 まずは実物写真を入念に検証。手ブレーキの軸受は、ハンドル部、端梁、そしてブレーキにつながる鎖の巻き取り部分の最下端、この3箇所。ハンドル部には、軸穴を開けたLアングルを取り付けましょう。端梁には、真鍮片から切り出してさらに帯材を加工。巻き取り部分は、Lアングルを組み合わせて端梁に取付。これで何とかいけそうです。そうそう、ハンドル本体は……。(あとのお楽しみ!)
 
 印象的なのは、床板部分にある歯車。ブレーキを締めたときに、デッキ内側のツメで固定するためのもの。これが表現できると、こだわり感はいっそう増しますが、しかし、いまさら腰板を切り欠くのも気が引けます。腰板の内側にはアングルがあり、さらにちょうどこの部分にはデッキ妻板を端梁に固定するネジもあるからです。残念ですが、いまとなっては、この歯車は省略せざるを得ません。
 
 
     
 
 
 その他、巻き取り部分のアングルに標識掛が取り付けられているのも確認できます。『国鉄貨車明細図T』の図面でも、この部分に標識掛。撮影したワフでは、手ブレーキ軸と平行して握り棒が見えますが、これは一般的ではなさそうなので、無視しましょう。クラウンモデルの図面は、アングルコックの取付位置がかなり右寄りだったことも分かります。が、これはそのまま。
 
 さて、以上のような検証の結果、6mm×6mmアングルがディテール加工に欠かせないと考え、クラウンモデルに注文。ところが、「在庫がありません」。インターネットで探し回ってみたものの、もっと大きなサイズか、HOゲージ用の極小サイズしか見当たりません。「どんなことでもお問い合わせください」と銘打ったウェブサイトのご主人に電話で問い合わせたものの、「そのサイズは……」。う〜む。
 
 その後、クラウンモデルから当該アングルは当面入手できない旨の連絡。取引先が生産をやめてしまったらしい。小泉構造改革が中小企業に打撃を与えているというところでしょう。しかし、こちらのディテール加工をやめるわけにはいきませんから、何か工夫をしないといけません。平板を折り曲げる、大きいLアングルを削る、などが思い付きますが、前者は、角が丸くなる、後者は、肉厚まで削るのは大変、という難点があります。そこで思い付いたのが床下補強材で使用したT字アングル。
 
 

 これです。T字の縦21mm、横18mm。在庫もあります。私のワフキットでは、床下補強材はロストワックス製の単品になっていましたが、クラウンモデルによると、以前はすべてこのT字アングルから個々に切り出していたのだそうです。これから6mm×6mmのLアングルを削り出そうというわけです。肉厚も薄く、角が丸くなることもありません。
 
 
 
 
 
 
 
 


 T字の横棒の片側を切り落とします。これで、T字がL字に。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 大きいL字を6mm×6mmに削れば出来上がり。それにしても、これだけ準備するのに半日がかりですよ。ふう〜っ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 かくして、やっと工作に着手。まず、アングルにけがき。ハンドル部の軸受けと鎖巻き取り部分の部材。必要なネジ穴等は切り離す前に開けておくのが無難。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 切り出した軸受け関連の部材。ハンドル部の軸受けの下は、端梁の軸受けの台座、その下は鎖巻き取り部分の軸受け。この両者は、T字アングルから切り離した真鍮片から切り出します。端梁の台座は、ハンドル部の厚みと同じにしないといけませんからね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 デッキ腰板に手ブレーキ軸の中心線をけがいて、ハンドル部の軸受けを取り付けます。バスコークで接着してから穴位置を写し開けます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 鎖巻き取り部分のアングルには標識掛が付きます。この段階で加工しておきましょう。ネジはM1.7mmです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 鎖巻き取り部分の組立。軸受けの平板をアングルにハンダ付けします。所定の幅の角材に各部材を押し当てて固定。この固定の仕方がハンダ付けのポイントの1つ、ということが分かってきました。そのためのジグ作りを惜しんではいけません。裏側にもにじみ出るようにハンダを流します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ハンダ付け完了。ほお、我ながらいい感じ。ただし、おそらく横方向の強度はないので、取り扱いには細心の注意を。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 端梁に取付。これもバスコークで所定の位置に接着してネジ穴を写し開けます。バスコークは接着するまで時間がかかるので、その間に微調整ができます。作業中の横方向の強度に不安があったので、結局、所定の長さの真鍮片を間に仮止めしました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 上下の軸受けの取付完了。端梁左側に標識掛を取り付けるネジ穴加工も。【画像楕円部分】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 次は、ハンドルとハンドル軸。円形ハンドルの自作は、最初から諦めていました。流用品に目途があったからです。OSのC11の運転室内にあるブレーキハンドル。追加注文して入手しました。お、黒メッキになっているぜ。【画像右】 C11を組み立てた折にはロストワックスのままでした。【画像左】 追加入手品を既存品と交換し、画像左を選択。
 
 
 
 
 
 
 
 


 ハンドル軸には3.0mm真鍮パイプを使用。軸の上下をネジ止めしますが、直径2.0mmのパイプ穴は、そのままM2.3mmネジのタップ下穴になります! ハンドルの固定穴は内径4.0mm。4.0mmの真鍮パイプを短く切ってはめこみ、その3.0mmのパイプ穴に、3.0mmのハンドル軸を入れることにしました。画像左から、M2.3mmネジ、スプリングワッシャー、座金、軸本体、M2.3mmネジ。ハンドルの下は4.0mm真鍮パイプ片。ハンドルの取手は切り落としました。
 
 
 
 
 
 
 


 ハンドルとハンドル軸を取り付けるとこんな感じ。ハンドルは気持ち小ぶりですかね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 最後に、端梁の中間軸受け。0.5mm厚の真鍮板から帯材を切り出し、3.0mmドリルに巻きつけて成形。しかし、作業工程、仕上がりともにちょっと不本意。結局、ペンチを使って現物合わせの四苦八苦。もっとスマートにいかないものかなあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 軸受けを端梁に取付。軸受けが2箇所の場合には問題は生じませんが、3箇所となると、それを一直線上に揃えるのはなかなか厄介です。まあ、軸も回転しますし、いいことにしましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 左右の標識掛を取り付けて、デッキの手ブレーキが完成。画龍点睛。そんな大げさな。(笑)


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
上からのぞくと……、ウフフ