〔票挿の取付(その2)〕
 
 
 
 
 ワフ本体の組立では、もっぱらM2.0mmネジが中心でした。屋根上の通風器で例外的にM1.7mmネジを使っただけ。ディテールの工作に移ってからは、むしろM1.7mmネジが中心。クラウンモデルから入手したM1.7mmネジの微細な仕上がりが好印象です。雨樋の取付に、C11の組立でたまたま残っていたM1.4mmネジを使ってみたところ、それじゃあM1.2mmネジだって……。てなわけで、票挿の取付にはM1.2mmネジ。微細な工作に次第に心が躍り、底なし沼に引きずり込まれていく……。
 
 精密ネジへの挑戦とともにハンドタップも種類が増えました。画像の上から順に、M2.0mm、M1.7mm、M1.4mm、M1.2mm。小さいものほど回す力はいらないものの、セオリー通りに切削スプレーを欠かしません。M1.2mmのタップは1本千円以上もするんですよ。折れたら大変。使い捨てなんてとんでもありません。工具が増えるのは楽しいものです。自分の工作技量の範囲が広がっていることの何よりの証ですからね。
 
 
    
 
 
 さて、引戸の票挿。左に横長の「貨車車票挿」、右に縦長の「貨車表示票挿」。これは左右の引戸とも同じ配置。縦長タイプはOS製品を流用することにして、横長タイプは自作するしかありません。最大の課題は裏の溝。ミーリングマシンでもあれば簡単ですが、そんな工作機械ははなからありません。思案の末、真鍮板を2枚重ねる方法を考えました。下板の穴の大きさを上板よりもちょっとだけ大きくして重ね合わせれば、その差で溝ができるわけです。
 
 OSの票挿を基準にしつつ自作票挿のサイズを算出。1.0mm真鍮板を使用して、上板に14.0mm×11.5mmの四角穴。下板は縦横とも穴を0.5mm大きくします。この0.5mmの差が用紙の入る溝になります。しかし、理屈はそうでも、私の技量で実現できるのでしょうか。やってみないと分かりません。ところで、2枚の真鍮板をどうやって貼り合わせましょうか。これも課題でしたが、あとのお楽しみ。(笑)
 
  

 重ね合わせる2枚の真鍮板は、ピッタリ同じ形に仕上げないといけません。どうしましょうか。2枚重ねて固定し、いっしょにヤスリがけすることにしました。こうするとピッタリ同じ大きさになるはずですよね。真鍮板に票挿の外形をけがいて、固定用のネジ穴を開けます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 大まかに切り出し、ネジ穴を写し開けて、2枚ずつネジ止め。こうしておいてからヤスリがけ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ヤスリのすり跡まで同じ2組の四角形ができました。一応刻印して組み合わせを区別できるようにしましたが、刻印部分は後で切り抜きます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 切り抜き部分のケガキ。上は端から2.0mm、下は1.5mmにケガキ線を入れます。角には糸のこが旋回するための1.0mmの穴。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 糸のこで切り抜いて、ヤスリ仕上げ。細くて強度がないだけでなく、刻印がなくなっていますので、取り扱いに細心の注意を。とりわけ、裏表と上下の識別が大切。ドリルで小さいポンチマークを付けて対応。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 さて、組立です。取付ネジ用の耳の加工は前回と同様。半円状のパイプをハンダ付け。と同時に、このハンダ付けによって2枚の真鍮板も貼り合わせてしまおうというわけです。前回のジグを使用し、さらに上下からも固定してハンダを流し込みます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 余分なハンダを削り取り、面取りのペーパーをかけて出来上がり。左が表側で、右が裏側。裏側には懸案の溝がちゃんと付いています。ほお〜っ。思い通りに仕上がったときの達成感と充実感。至福のひととき。家族にも自慢。どおだあ〜。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 実物の写真を睨みながら、位置決めのケガキ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ネジ穴を写し開けて、M1.2mmのハンドタップ。ネジ止めするとこんな感じです。ちゃんと用紙が入りますよ。くふっ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 右の引戸はこんな感じ。引戸に比べて票挿が若干小ぶりでしょうか。右のOSの票挿を基準にしたのでこうなりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 左の引戸。引戸と票挿のバランスが気になるところですが、票挿作りのノウハウは習得できましたので、納得がいかなければ両方とも作り直しましょうかね。