〔ワフ29500キットの到着〕
 
 【クラウンモデルの訪問】
 
 地下鉄浅草線の終点浅草。地上に出て地図を片手にちょっと歩くと、大提灯が目に入った。ほお〜、これかあ。印刷物などで何度となく目にした光景だが、本物を見るのは、実は生まれて初めて。まさに観光客の心境。仲見世を通って浅草寺へ。外国人が多いなあ。おそらくこれが日本のイメージなんでしょうね。
 
 C11328の特注ナンバープレートの依頼先を探していた。その候補の1つがクラウンモデル。何はさておき、発注前に自分の目で完成品の実物を確認しておきたかった。事前に訪問の連絡をしておいたが、直前になって「当日不在」の連絡。しかし、こちらとしても東京出張のチャンスもそうはない。現住所、製作現場だけでも確認しておこうと浅草に立ち寄った。
 
     
 
 浅草寺の本殿を横に抜けた通りが近道のようだ。地図を片手に住居表示を確認しながら歩いていくと、それらしい住所に到着した。しかし、模型店もなければ工場らしきものもない。角地に一般住宅があるだけ。ここのはずなんだけどなあ。近寄ってよく見ると、窓ガラスの内側に「クラウンモデル」の小さなネームプレート。ここだあ。
 
 室内に人影が見える。思い切って玄関を入ってみた。夕刻だったのが幸いし、すでにその日の用件を済ませて帰宅されたばかりだった。こちらの事情を説明し、やや強引ながらもお話を伺わせていただくことに。玄関の横が作業部屋らしい。台所でお茶をいただきながら、ライブスチームの各種パーツ、製品を拝見する。棚に飾られた3.5インチの自作C57がご自慢の様子。LP42前照灯が好評で、メーカーの受注もあるとのこと。
 
 頻繁に電話がかかってくる。どうやら明日の登山の打ち合わせらしい。山登りの会の世話をされているとも。工場もなければ、会社組織でもない。日本のライブスチーム業界を支えているのは、こういう内職的な職人ワザなんだ。そういう印象を抱きつつ、夕食準備の始まりそうな台所から失礼することにした。ナンバープレートも拝見したが、私のイメージとはちょっと違っていた。
 
 
 【ワフ29500キットの発注】
 
 結局C11328のナンバープレートは別の業者に発注。しかし、ナンバープレート取付用のM1.7mm六角ボルトはクラウンモデル製を使用。六角ボルトとともに、上信鉄道のシーメンス電気機関車のカタログが同封されていた。
 
 
 いまのところ電気機関車には興味がない。というか、より正確には、興味がわかないように目をつぶっている。まあいいや。やり過ごそうと思って目に留まったのが、電気機関車に牽引されたワフ。車掌室の入口部分がチラリと写っているだけだが、ちょっとだけなのがかえって気になる。思う壺にはまってしまった。早速、詳しい資料請求のお願いをした。
 
 折り返し、返事が来た。「お葉書をいただきありがとうございます。加工は、糸のこ、ボルト取付用穴あけ、ハンダ加工です。大変なところはありませんが、初めての方には、水平平行等、精度を要するところがあります。見易い加工図が付きます。別紙見積書をご検討ください」。確定申告の納付も済ませたし、ためらうことなく発注。同時に代金も振り込んだのでした。ところが……。
 
 
2003/02/03 
 御見積書
 
 下記のとおり御見積申し上げます
 
 受渡期日 2003年2月末日
 受渡場所 宅急便
 取引方法 銀行振り込み
 有効期限 2003年2月末日
 
摘 要
数量
金額
1/12ワフ29500キット 一式
 198,000
 80%加工済 一式
 260,000
     
     
     
 
 在庫を発送していただくだけかと思っていましたが、どうもそうではなかったようです。受渡期日の2月末を過ぎても何の音沙汰もありません。あれ〜、どうなっているのだろう。心配になり始めた頃一通の封書が届きました。代金の領収書といっしょに手紙が同封。「この度はワフ29500型をお求めいただきましてありがとうございます。現在、部品不足分を作成していますので、少々お待ちいただきます」。はあ〜、受注生産だったのですか。
 
 「少々」はどの程度なのだろう。探りを入れようと電話をしてみるが不在らしい。何となく不安だなあ。ファックスなら反応があるかもしれない。そう決断したのは、3月も中旬。「急いでいるわけではありませんが、納期のおよその目途をお知らせいただければ幸いです」。数日後、ファックスによる返信。「ご注文をいただいてより部品を揃えていますが、加工度の大変なものをロストワックスの鋳造にしています。その部品以外は3月20日に発送します」。
 
 やっと納期が示された。当方の都合もあり、日程調整の結果、3月25日に荷物が届くこととなった。同封された手紙には、「ご注文をいただきましてから日数が経ち、お送りが遅くなり申し訳ありません。これは、部品の欠落があるのと、加工度を20%アップしたためです。床下外バリに付くT字型の補強は、数があり、T字引抜材より加工するのですが、ロストワックスにて後日お送りします。また、車掌室のドアハンドルもロスト化してお送りします」。まだ全部揃ったわけではないのだ。
 
 「OSのC11を組み立てただけで、これまで面倒な加工の経験はありません」とお話ししていたので、できるだけ製作しやすいように手を加えていただいている様子が伺える。「不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください」とも書いていただいている。架線注意プレートのオマケもいただいた。誠実に対応していただいている様子は理解できる。でも、見積書の受渡期日は「2月末」でしたよね。とやかく言うつもりはありませんけど……。ちなみに、小川精機の見積書では、「受渡期日 2002年3〜4月」。ズルイですねえ。(笑)
 
やっと揃ったキットの全貌