(1)塗料には、油性、水性などの区別のほかに、ラッカー系、アクリル系、エナメル系などのタイプがあります。ラッカー系は溶剤が強力で、乾燥が速く、塗膜が強力。これに対して、アクリル系、エナメル系は、溶剤の手軽さから扱いやすく、発色がよいものの、乾燥が遅く、塗膜が弱い、という特徴があります。したがって、ラッカー系は下塗りに、アクリル系、エナメル系は上塗りに適しています。重ね塗りの際にこの順番を間違えると、下塗りが侵されて不具合が生じることもあります。
スタジオジェッツ(Studio JETS)さんのホームページで勉強しました。これ以外にも、今回の塗装の挑戦に際して数多くのノウハウを教えられました。スタジオジェッツさんに感謝!! こちらです。 |
(2)完成度の高い仕上げには適切な下地処理が必須です。ワフの素材は真鍮板ですから、パテによる表面調整は基本的に不要。@真鍮板の表面に600番のペーパーを軽くかけて下地材の食いつきをよくします。A油分の除去には、金属洗浄にも使える青ニス除去スプレー。B下地材には、ソフト99プラサフ(プライマー・サーフェイサー※)。そしてやっと、C塗装。黒塗装には、サンデーペイントのエナメルスプレーエクシードつや消し黒。プラサフ処理をするとさすがに塗料の乗りがいいです。
※ 金属素地に対する塗料の付着性を増加するプライマーと、塗装面の細かいキズを消し、塗料の発色をよくするサーフェイサーの両方の機能を兼ねそなえた下地処理材。
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(3)塗装する部品を手で持っておくことはできません。塗装の表面に指の跡が残ってしまいます。したがって、何らかの方法で手から離して支えるような工夫が必要。大きい部品でネジ穴のあるものは針金で吊るしましょう。小さな部品は割箸の先に両面テープで貼り付けましょう。前者の針金は竿に掛ければ大丈夫ですが、割箸はどうしましょうか。十分乾燥するまで何らかの工夫が必要です。
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こんなものを作ってみました。2枚の金網を上下に間隔をあけて固定。金網の左右をアルミチャンネルに差し込み、ネジを入れて抜けないようにしました。もうお分かりですよね。この網目に割箸を立てようというわけです。これなら、ディテールの小さい部品が多数あっても対応可能。部品が小さい場合は、粘土や発泡スチロール板に突き立てておくこともできますが、比較的大きい部品もあるのでこの金網にしました。
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塗料の溶剤や飛沫は身体に有害。とりわけ今回は長期間にたくさん塗装しますので、できるだけ吸い込まないようにしたいものです。完全ではありませんが、脱臭剤入りの防臭マスクを使用することに。それからもう1つ。薄手の使い捨てゴム手袋。1箱100枚入りで千円もしません。これがとても重宝します。塗装の際に手に塗料が付くのは当然と思っていましたが、塗装後の手洗いが不要になりました。すばらしい!
もちろん服装もそれなりに。擦り切れて処分されるはずのダンガリーシャツとジーパン。どんなに汚れても気になりません。履物は磨り減ったデッキシューズ。帽子も忘れずに。耳当て付きのスキー用。ボロボロの服装に防臭マスクとゴム手袋。これはかなり怪しいです。「お願いだから近所に出ないでね」。奥さまの気持ちも分かります。どんな姿か気になりますよね。ご覧になりますか。こちらです。
たかが塗装と思ってはいけません。塗装は難しいのです。初めての本格的な挑戦ということもあって、思わぬ事態に遭遇することもあるでしょう。「失敗は成功の母」。どんどん失敗しましょう。ただし、同じ失敗を繰り返さない工夫をしましょう。新たな失敗は進歩の源泉です。さあ、塗装に挑戦だあ。まずは床板関連の部品から。
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最初はシンプルな形状のもので様子を見ることに。平板の床板。中央の床下チャンネル。端梁。いずれも洗浄してプラサフ。吹き付けの程度が分からず、緊張気味にちょっとずつ。両端を針金で吊るせるようにするところがポイント。一方を上にして塗装し、次に上下逆にして塗装。一方向からだと吹き残しができてしまいます。
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早速トラブル発生。チャンネルの刻印がプラサフで消えてしまいました。元々打ち方が弱かったところです。下地材のプラサフは、まさにこのようなキズを埋めるためのものですからね。やむを得ずプラサフを削り落として刻印を再確認。今度は刻印の番号を書いた紙テープを貼り付けて、もう一度プラサフ。
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塗装後は工作室で竿に吊るして乾燥。少しは様子が分かったので、軸箱守とバネ釣を残したままの床下チャンネルも。ネジの頭をキリッとさせるためには塗料を吹き過ぎないのがポイント。組立を始めるまでは部屋の中がこんな感じ。
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次は床下補強チャンネル。両面テープで割箸に貼り付けて支持。割箸を回しながらスプレーする様子は、まるで焼鳥屋さん。あはは。自作の金網支持台がとても役に立つ。
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塗装済みの床下補強チャンネルほか。左端の2枚は連結器の取付板。
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割箸をどこに貼り付けるかは思案のしどころ。結局、床板に密着する面に。ここにはそれぞれの取付位置を示す刻印があります。プラサフで埋まってしまわないように、この面には塗装しないことにしました。床板に密着するので見た目に問題はありません。
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続いて床下T字補強材。デッキ踏段も。デッキ踏段の支持はこれまでとは別方式。重量があり、しかも形状が複雑で割箸への接着は無理。取付ネジ穴を利用して、アルミアングルにネジ止めしました。部品によっては個別の工夫が必要。
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塗装済みの床下T字補強材。上のチャンネル補強材と同様、床板に密着する面は未塗装。この面に左右と前後の順番を示す刻印があります。
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個別の工夫の軸箱控。両面テープを貼り付ける場所がありません。ネジ穴に竹串を差し込んで支持。念のため、刻印番号の紙テープも。金網、割箸、竹串とくれば誰だって焼鳥を連想しますよね。しかし、久しぶりのお父さん料理を楽しみにしているらしい家族の期待には応えられません。(笑)
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軸箱、連結器。これも両面テープは無理。割箸をそれぞれの穴に差し込んで支持。
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床板は黒一色ではなくて、車掌室と荷室の部分をこげ茶色にすることにしました。デッキ部分の床板は黒。塗り分けるにはマスキングが必要。こげ茶色の塗装をした床板部分をマスキングしたところ。これからデッキ部分と裏側の全体を黒で塗装します。
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ツートーンの床板はこんな具合。これで床板関連の部品の塗装が完了。引き続き組立に移りましょう。組み立てつつ塗装していかないと、塗装済みの部品で部屋がいっぱいになってしまいます。(^^;