〔ボディの塗装〕
 
 
 車掌室の室内色の選定に思案。現地を調査したくじゅうエイドステーションのワフでは、室内色はほとんど白色に近いという印象。しかし、ただの白色では味わいがありませんよね。ベージュ、クリームなど、これに近い色を物色し、結局ミルキーホワイトに決定。若干押さえ気味の白色という感じ。言葉では表現しづらいですね。店頭では色調だけで選択したので、塗料の種類は二の次。あとで見ると水性アクリル塗料でした。【画像下左】
 
 
    
 
 
 床板に使用したこげ茶色を荷物室の内壁にも使いましょう。これはラッカー塗料。【画像上右】 外面の黒がエナメル塗料ですから、偶然にも3種類の塗料でボディを塗り分けることになりました。それぞれの塗料の特性をよく考えて塗り分けしないといけませんね。ラッカーは乾きが速く、塗膜が薄くて丈夫。しかし、店頭で見る限り微妙な色調はありません。これに対して、エナメルやアクリルは色調が豊富。臭いの刺激も比較的少なく、使いやすいです。
 
 
    
 
 
 ボディはおよそ200×200×600の大きさ。これを内外ともまんべんなく塗装するには、それなりに工夫が必要です。新たなアイテムを導入。【画像上左】 実はこれはケーキをデコレーションするための回転台。スポンジケーキの代わりにワフを乗せて塗装しようというわけです。ケーキ用品コーナーでお姉さま方に混じって品定め。ケーキ用品だからといって甘く見てはいけません。分解すると、ベアリングの入った優れものであることが分かります。【画像上右】
 
 
    
 
 
 両端にアルミアングルを取り付けたベニヤ板を回転台に乗せます。ワフのボディをこのアングル部分で支えようという趣向です。【画像上左】 しかし、横置きのままでは内側の塗装が十分にできません。縦置きを考えざるを得ませんが、荷物室妻板には握り棒、車掌室妻板にはデッキ天井部分の側板と踏段の手摺が突出しています。そのまま縦置きにするのは無理。そこでこんな支持台を作成。【画像上右】 短い方が車掌室妻板の手摺の間に入ります。金属加工の場合と同様、ジグ作りに手間を惜しんではいけません。
 
 

 回転台の板に支持台を乗せてボディを縦置きにしたところ。床板のないボディは強度がやや不安。全体がユラユラ。取り扱いはくれぐれも慎重に。塗装に先立って、ペーパーをかけて洗浄。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 まずプラサフ。荷物室側を上にして、仕切板の荷物室側、車掌室妻板の室内側、それぞれの面に近い側板の内側。側板の窓枠のくぼみも忘れずに。ここで予定外の失態。当初はこの段階で荷物室妻板の外側は塗装せず、すぐに上下を逆にして塗装を続行する予定でした。ところが、調子に乗りすぎて荷物室妻板の外面にも塗装。で、結局、この面が乾燥するまで半日作業を中断。あはは。
 
 
 
 
 
 
 
 


 半日待って上下を逆転。今度は車掌室妻板の外側、仕切板の車掌室側、荷物室妻板の内側などにプラサフ。もちろん回転台がクルクル回りますので、いろんな方向から吹き残しがないように。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 最後に水平にして吹き残しをチェックしながら全体をよく見ます。側板の外側はここでしっかりプラサフ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 プラサフは乾きが早いので、比較的短時間で上塗りに移ることができます。最初に車掌室の室内から。ラッカーの上にアクリルやエナメルを重ねるのがセオリーですが、全体のマスキングの手順を考えて車掌室、荷物室、そして外面という順番にしました。白のアクリルにラッカーのこげ茶を重ねることはできません。こげ茶にする室内の床アングルにマスキングをしてアクリル塗料が着かないようにしました。
 
 
 
 
 
 
 


 数日乾燥させたのち、塗装した室内全体をマスキングして荷物室の内側をラッカーのこげ茶で塗装。この画像は、さらに荷物室もマスキングして外面の塗装の準備をしたところ。車掌室のマスキングがこげ茶になっているところが床アングル部分。白塗装時にマスキングしたので、重ね塗りではありません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 さて、外面の黒塗装。水平にしたときに塗装できなくなる箇所を最初に重点的に。今度こそ手順の間違いを繰り返さないぞ。車掌室妻板はこの時点では塗装しません。引き続き上下逆にして荷物室妻板を塗装。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 このようにすると乾燥待ちで中断することなく塗装を続行できます。横置きにしたところで最初に塗り残した車掌室妻板を塗装。これで外面全部の塗装が一応完了。数日置いて最後の仕上げに全体をもう一吹き。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 溶剤の臭いが消えるまで1週間近く放置。もういいかな。期待と不安に胸を躍らせて内側のマスキングを取り外し。白と黒のコントラストが美しい。どおだあ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 喜びも束の間、不具合を発見。マスキングテープを外したときに窓枠の塗料が一部分はがれてしまいました。【黒丸部分】 同様の不具合が窓枠に数箇所。おそらく窓枠を接着したときのバスコークが原因でしょうか。さらに思わぬ事態。窓枠の下側にこげ茶色のシミ。えっ、マスキングしていたのに……。(涙)ラッカー塗料がマスキングの紙にしみ込んだようです。そっ、そんなあ。想定外の事態にしばし呆然。
 
 
 
 
 
 
 


 でも、何とかしなくては。もちろん室内の塗装ですから完成後はほとんど見えないところです。しかもピカピカの鏡面仕上げにする必要もありません。筆塗りでごまかしましょう。しかし筆塗り用の同色塗料があるのかな。ありますよ。スプレー缶の中に。ノズルにストローを取り付けて塗料を取り出すことにしました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ガラス容器に受け取ると、こんな具合に塗料が出てきます。塗料の中から盛んに気泡。乾燥してしまわないうちに筆塗りで不具合を修復。どおだあ。失敗が新たなノウハウの獲得につながるのですよ。水性アクリルなので洗浄は水道水。水性塗料はこの点が便利です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 修復した車掌室の室内。床アングルの塗り分けはうまくいきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 塗装が完了したボディ。明るい車掌室が妄想をかき立てます。ダルマストーブ、机、長いす……。これらは今後のお楽しみ。