〔床下補強材の取付(その4)〕
 
 新しい仲間の紹介です。角台トースカンとディバイダー。精度の高いヤスリ仕上げをするには、その前提として正確なけがきが求められます。これは、鉛筆の代わりにけがき針を用いることによって格段に改善されました。あはは。しかし、スケールの長さを移し取る際には、こんなところかなあ、と見た感じでいい加減になっていました。
 
 そこで、目を付けたのがデジタルノギス。100分の1ミリレベルがデジタルで表示され、しかも測定部の先端は、まるでけがき針のようです。それなりに硬度もありそう。これを使わない手はないなあ、と素人判断。いいのかな、という思いも他方にありつつ、幾分気兼ねしながら、床下補強材のけがきに重宝していました。
 
 喝! 師匠のミスターMに問い合わせたところ大目玉。「精密測定具をけがきに利用するとは何ごとか」「は、はいっ。でも、ハイトゲージは高価で手が出ません。それに、我が家には定盤の置き場所もありません」「それならトースカンを使いなさい。定盤の代わりはボール盤のテーブルで十分じゃ」。
 
 
   
 
 
 こんな経緯で新しい仲間が加わりました。新潟精機の150mm角台トースカン。それにもう1つ、ディバイダー。昔、技術家庭科の製図授業で使っていたのを探しましたが見当たらず、新規に購入。スイス製というところに心引かれました。今後のけがきに活躍してくれることでしょう。したがって、今後デジタルノギスは測定専用に。(^^;
 
 ところで、今回新たに登場していただいたミスターMって誰でしょう。私が心から敬愛し、金属加工の教えを請い続けている委細不明の謎の師匠です。(笑) ポンチマークはポンチ打ちよりドリルの手もみ、ドリル穴は小さくあけて徐々に拡大、ボール盤の穴あけには切削油……。現在の私の知恵は、実はこの師匠のおかげなのです。行き詰まったとき、これからもときどき登場して助けてくださいね。
 
 

 さて、最後の床下補強材はこれ。左右対称のものを4個ずつ。床下中央の梁と軸箱守の側梁の間に取り付ける。左端が中央梁のチャンネルの中に入り込む。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 チャネルを切り分けたところ。左下がクラウンモデルから送っていただいた加工済みチャンネル。観察すると、ヤスリ面は一直線で、ためらいなく一気に仕上げたという感じ。それ以外のところには、一切ヤスリのキズ跡なし。しかも研磨剤で磨かれピカピカ。いかにも商品という感じですね。各所の長さをデジタルノギスで計測。図面の数値と比較すると±0.7mm程度の差。まあ、この程度で実際には問題ないということなのでしょう。
 
 
 
 
 
 
 


 まず、一方の端を一直線に、しかもチャンネルの上下と直角に。スコヤを当てて隙間から光が漏れないようヤスリ仕上げ。これを基準に各所のけがき。早速トースカンが大活躍。たしかに同じものを数多くけがく時に重宝しますね。これはスバラシイ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 けがき完了。左右対称のものが4個ずつなので、取り違えないように注意する。置き場所も別々に。糸のこの切しろを大きく取った結果、斜線側のヤスリで削り取る部分も大きい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 基準の反対側の端を仕上げて全長を決める。これが、中央梁と側梁の間隔および梁の垂直度に影響するので慎重に。けがき線の近くまで一気に削り、その後はデジタルノギスを当てながら微調節。一応誤差0.1mm以内、つまり±0.05mm以内に収まるように。この程度だと、画像のように並べたとき、目で見ても、手で触ってもその差は分かりません。ウフフッ。ニンマリ。
 
 
 
 
 
 
 
 


 次に、斜め部分の切り落とし。全部ヤスリで削るわけにもいかず、不得意ながら糸のこで挑戦。糸のこの歯は消耗品と考えて、惜しまず交換した方がよさそうです。材料を横向きに固定するために、バイスの二段重ね。なんか無理やりって感じですね。(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 最後に、中央梁に入り込む部分の成形。これも糸のこで荒切りしてヤスリで仕上げ。梁にピッタリ密着させるには、図面の数値では大きすぎることが判明し、途中でけがき直し。やはり図面よりも現物ですよね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 青ニスを落として完成。本当は、このあとまだ取付用のネジ穴を開けないといけませんが、これは取付時に。細かい作業の繰り返しが続いた補強材の加工も、これで一件落着。ふう~っ。おかげでヤスリがけに多少習熟できたかもしれません。何事も練習ですからね。