ボディビルライブスチーム広島の酒広島の山熊本城SR400 HOME

定年退職からのボディビル

2024/02/07 更新
最新記事は →→こちら
 
 2021年3月に定年退職。仕事から解放され、これからは好きなことに時間を費やせる……、と思いきや大きな試練が待ち構えていました。実家の片付けと整理。退職とともに戻ってきた広島の実家は、この数年住人もおらず、その庭は狭いながらも荒れ放題。お隣さんにもご迷惑。他方室内も荷物が山積み。これを片付けないと持ち帰った家具や荷物、とりわけ本の置き場がない。
 
 1年半に及ぶ格闘の末、やっと落ち着いてきました。「定年後は趣味三昧」という声も聞きますが、「何をやめるか」という選択がむしろ重要。「キャンプ」と「車」はもうやめましょう。キャンピング・トレーラーはすでになく、この間片付けに大活躍したハチマルも手放しました。他方「蒸気機関車」と「ボディビル」は続けたい。とりわけ本腰を入れたいのが「ボディビル」

 
 昭和54年1月21日付の広島県ボディビル協会の「認定書」。40数年前の学生時代、悶々とした毎日から抜け出たい、この一心で突破口を求めてトレーニングジムに入会。週に4日。時間に余裕がありました。しかも若くて育ち盛り。ほんの数年で「二段」。認定基準はベンチプレス90キロ。予選落ちしたものの、翌年にはコンテストにも初出場。この調子でいけばいずれ入賞も……。しかし、その後、就職、結婚、県外引越し……。
 
 新たな職場を得た山口県下関市でもジムに入会。そのオーナーさんは、なんと広島のジムの会長さんと長年のライバル同士。それもあって、トレーニング器具は遜色ない充実ぶり。環境は申し分ない。にもかかわらず、仕事の合間、会議の開始を気にしていては集中できません。機会あるごとに「再出発」を試みるものの、結局元の木阿弥。高齢両親の心配事が顕在化するや、週1日どころか月1日のトレーニングもままならず。定年退職後こその思いを強くしていました。
 
 さて、待望の定年退職。広島に戻り、学生時代のトレーニングジムに再入会。もちろん覚えていていただきました。懐かしいメンバーにも再会。ジムの会長さんは86歳(2022年現在)になられているのにいまだに現役コンテストビルダー。励みになるなあ。よし、「目標」を定めましょう。「70歳までにベンチプレス90キロ」。まずここから。40年前の「二段」の復活。

(C) John Nathan
 
 ところで、ボディビルでも有名な小説家の三島由紀夫(1925〜1970)。会長さんはその三島と接点がある。若い頃、東京で開催されたコンテストに出場した際、三島がゲスト審査員だった。「きみぃ、いいからだしてるじゃねえかぁ」。東京弁で声を掛けられた。請われて、後楽園ジムでアドバイスをしたところ、自宅に招待されて食事をごちそうになった。頭のいいヤツだという印象だった。帰り際にサイン入りの本をもらった。その後、市ヶ谷の事件で初めて三島のことを知った。サイン入りの献本は、いまでは行方不明。
 
 再入会後、会長さんから聞いた話はおおよそこんな内容。学生時代には聞いていなかった。ということは、会長さんに指導されている私は三島と「兄弟弟子」なんだ!これも励みになるなあ。会長さん曰く「あんたは広島の三島由紀夫になれ」。痩せ型の三島がトレーニングに励んだように私もガンバレ、ということか。そもそも追随できるかどうかわからないが、掲げる「目標」としては面白い。
 
 定年退職からのボディビル、目指す「目標」は2つ。

  ●目標(その1) 70歳までにベンチプレス90キロ
  ●目標(その2) 広島の三島由紀夫になる
 
 「目標(その2)」がどういうことか、トレーニングをしながらこれから考えます。ちなみに三島が30歳でトレーニングを始めたとき、ベンチプレスは10キロだった。シャフトだけ。それが晩年、と言っても享年45歳だが、90キロになった。「目標(その1)」の90キロと何か因縁がありそうで、これもまた面白い。
 
 次の会議の開始時間を気にする必要がないのは定年退職者の特権。前作「還暦からのボディビル」のように「再出発」の繰り返しは御免こうむります。学生時代の「夢」の実現に再チャレンジだ。というわけで、「定年退職からのボディビル」の始まりです。なお、更新は不定期です。(2022/09/03)



バーサ・グリップ(Versa Gripps)

 時間の制約はなくなった。好きなときに好きなだけトレーニングできる。スケジュールをどうするかな。学生時代は週4日。月、火、木、金。月曜日上半身、火曜日下半身、これを木曜日と金曜日にも繰り返していた。いまとなってはかなりハード。隔日、月、水、金はよくありそう。しかし、時間とは別の制約がある。実家からジムまで片道30キロあまり、小一時間の距離。車にせよバスにせよ、ガソリン代やバス賃の負担も考えないと。定年後は年金生活ですからね。

 週2日月と木。これでどうだ。月曜日に上半身、木曜日に下半身。トレーニングには休息も重要です。トレーニングしない日は、「デスクワーク」と趣味の「モノ作り」もしくは家の片付けの続き。これを週に2サイクル。そして、日曜日は奥さまとデート!(笑)退職すると曜日の感覚がなくなるので、トレーニングのスケジュールを遵守することで「毎日が日曜日」を回避したい。

 とにかくアサイチでジムに行こう。ジムの開始は10時だが、多少早くても大丈夫とのこと。最初のうちは初心者用のメニューを作ってその消化に専念。種目やウェイトよりも定期的に規則正しく継続することが大切。終わりの時間を気にしなくてよいといっても、まあ午前中の2時間から3時間。もういいよってなりますからね。トレーニングのあとは何もしないでくつろぐ。帰宅後は早々にお風呂に入ってからのビール、お酒。(笑)

 そんなことを半年近く続けていると、同じ時間帯にトレーニングされている先輩諸兄から声を掛けられるようになりました。「コイツ本気だな」ってところでしょうか。もちろん私は「本気」です。会長さんの「ミスター日本」は言うまでもなく、先輩諸兄も往年の「ミスター広島」などのタイトルホルダー。見習う相手に不足はありません。「背筋伸ばして」と姿勢の指摘から、「重すぎじゃないの」とウェイトの加減なども。


 そんな中、勧められたのがこの一品。バーサ・グリップ(Versa Gripps)。引く動作の強い味方。バーを引くとき指先でバーを持ちますが、ある程度の重量になると指先が耐えられなくなり、肝心の広背筋などへの負荷が掛けられなくなってしまいます。しかし、これがあるとそういう事態は容易にクリア。バーに巻き付いているので指先を放しても大丈夫。指先の限界以上の負荷が可能になります。学生時代にはなかった代物。

※説明書より

 最初のうちは装着の仕方がよくわからなかった。言葉の説明は難しい。説明書の画像がまだわかりやすい。左右の形状も微妙に異なり紛らわしいが、よく見ると右用に「Right」のタグ。左用にも「Left」のタグがほしいところだがそれはない。まあ、わかりますけど。カラーも各種あり、みなさんブラックかゴールドが多い中、私はあえてライムグリーン。シューズのひもとコーディネイトしました。でも、このコーディネイト、誰も触れてくれません。まあそうでしょう。

 2人目の孫が生まれたお祝いに東京の娘の所へ。4歳の長女といっしょにお風呂。じいじとお風呂楽しいね、と期待していたのに、浴室に入ると何だか怪訝な顔つき。目がクリクリ。あれれ、どうしたの?「じいじ、からだがモコモコ」。そうか、わかるかい?でも、まだ始めたばかりでこれからさ。早くしないといっしょにお風呂に入ってくれなくなるね。ガンバルよ。じいじの筋トレ唯一の支援者、りんちゃん!(2022/09/18)

 


いきいき活動ポイント

 「じいじみたいだね」。東京の娘から連絡があった。孫娘のりんちゃんが、テレビでなかやまきんに君を見て思わず口にしたそうだ。なかやまきんに君といえば、今年(2022年8月28日)の「第34回日本マスターズ選手権大会」男子40歳以上クラスで第6位入賞!全国大会ですからねえ、ご立派です。じいじみたいだったのかあ。

 りんちゃん、以前のお風呂の印象がよほど強烈だったかな。「イメージ」が定着してしまったのかもしれない。なかやまきんに君と並んでみれば、いえ並ばなくても、一目瞭然なんだけど。まあ、あえてその「イメージ」を壊す必要もないよね。むしろそれに便乗させていただいて、トレーニングに集中、精進しましょう。りんちゃん待っててね、なかやまきんに君みたいになるからね。知らんけど!

 ジムでトレーニングを始めて気になることがあった。ご高齢の会員の方たちが、お帰りの際にスタンプ帳らしきものにスタンプを押している。何それ?「高齢者いきいき活動ポイント手帳」、広島市が65歳以上の市民に配布している。定年退職で広島に戻り、広島市民になったはずなのにどうして私にはないの?早速市の担当課に問い合わせ。「本事業は毎年9月1日からの始まりです」。そういうことね。

2022年版ポイント手帳

中はこんな感じ。日付の記入が必須

 転入初年の8月下旬、私のところにも「ポイント手帳」が届いた。いくつかの活動カテゴリーがあって、押印のポイントが違う。「健康づくり・介護予防活動」などは1ポイント、「健康診断等の受診」「登下校の見守り」などは2ポイントという具合。ジムのトレーニングは「フィットネスクラブへの参加」の1ポイントだ。こんなシステムは以前の自治体では聞いたことがなかった。

 最も重要な点は、1ポイントを100円に換算して「奨励金」が口座振込されるところ。オイオイ現金かよ、ってなりそうですが、「1ポイント100円」が絶妙。年間上限100ポイント、つまり上限額1万円。金銭欲の「守銭奴」にはならないが、ちょっとしたご褒美という感じ。健全な「動機づけ」にはなる。「高齢者」扱いは御免こうむりたいが、スタンプ集めは好きだ。

 トレーニングは週2回。年間50週とすればちょうど上限100ポイントが達成できる。と思っていたが、初年は残念ながらあと1つの99ポイント。でもご心配無用。「町内の清掃」もボランティア活動に指定され、ポイントの対象。自治会の団地清掃に年間3回参加しました。しかもこれは2ポイント。合計すれば年間100ポイント超え。さて「奨励金」で孫たちに何を買ってやろうかな。いえいえ、何か買うならプロテインでしょ!(2022/10/09)




会長語録(その1)「力自慢じゃない」

 孫ネタばかりで肝心のトレーニングの話題はないのか?お任せください。会長語録をご紹介します。最初に言われたのがこれ。ウエイトリフティング(いわゆる重量挙げ)や、パワーリフティング(スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの総計を競う)は、どれだけ重い重量を挙げられるかがポイント。つまり「力自慢」。より重量を挙げるためには、特定の筋肉だけでなく、関連する全身の筋肉を活用し、さらには反動などのテクニックも重要になる。

 ボディビルはそうではない。ボディビル競技の審査基準についてはまだ初心者の素人なので後日にしますが、少なくともステージ上でバーベルを挙げてみせることはない。より重い重量でトレーニングすればよいと思っていたが、どうもそうではないようだ。会長自身、一人でトレーニングをしていたので、重い重量は万一のときに危険。その上、身体を壊すことにもつながる。「これまで身体の故障はない」とも。じゃあどうすればいいの?

会長語録(その2)「筋肉をいじめて、いじめて、いじめ抜け」

 要するに、特定の1つの筋肉に負荷を集中させて、効かせること。そのためには適切な重量の選択と周辺の筋肉に負荷を分散させないテクニックが必要。重量を追求する必要はまったくない。そこじゃない。低重量でも回数を重ねると筋肉への負荷は次第に大きくなる。もうダメだと感じたところからトレーニングが始まる。正しい姿勢と挙動、鏡での確認、当該部位への意識の集中など、よく言われていることです。

会長語録(その3)「頭で考えて、考えて、考えろ」

 前回あれ程よく効いて筋肉痛に悩まされたのに、その後同じようにやっても効かないなあ。トレーニングのあるあるです。生きている身体は負荷に適応しようとします。だから筋肉も大きくなる。重量を増やすことで一定の効果は期待できるものの、ちょっと間違うと「力自慢」になってしまう。じゃあどうすればいいの?「どうしたらいいのか頭で考えろ」ということ。ちょっとした加減や同じ部位の別種目など、工夫の余地はいくらでもある。何であれ、極めるためには「よく考える」ことが大切。

トレーニング記録の新しい様式

 会長語録はまだまだ続きますが、それはまた改めて。これらの語録を受けて、トレーニング記録の様式を変更しました。日付の下に「体重」を追加。あと5キロ増やしたい。あらかじめ「重量」を記載するのを止めました。その日の重量を記録。基本的に10回×5セットは維持。自作「セットカウンター」が活躍しますが、そんなにこだわらない。要は効いたかどうか。同一部位の種目をたくさん記入できるように欄を増やしました。もちろん1日に全部こなさなくていい。

 これを見ると、いまは胸と背に熱心なのが分かりますね。以前、腰の故障を経験したこともあり、脚は苦手。人にはそれぞれ得手不得手がありますよね。「三島由紀夫は、胸はいいが脚はどうなんでしょう」。会長に尋ねたら「初心者の素人は黙ってろ!」って叱られました。ギャフン!(ギャフンは昭和ですか?)(2022/10/23)




矢頭保『体道 日本のボディビルダーたち』ウェザヒル出版社、1966年

 会長が三島由紀夫からもらったサイン入りの本はいったい何だったのか?文献研究者の端くれとしては、はっきりさせないわけにはいかない。ヒントは「タイドウ」。会長は本のタイトルをそう言っている。「胎動」?日本のボディビルの黎明期、これからだ!ということか?「躰道」?これは沖縄の武道らしいがボディビルではない。ううむ……。ネットで検索しているとそれらしいものを発見。矢頭保『体道 日本のボディビルダーたち』ウェザヒル出版社、1966年。

 「体道」なんて日本語を初めて見た。もちろん『広辞苑』にはない。後年英語版も出版されている。複数冊ヒットするが、いずれも結構いい値段。間違って購入すると涙も出ないので、サンプル画像をプリントして会長に確認してもらった。「三島からもらったのはこの本」。おっ、間違いないようだ。「これは自分」。後ろ向きの斜めに傾いた背筋のポージング。えっ、会長も載ってるの!?献本するくらいだから三島が載っているのは確かだとしても、会長自身が載っているとは!これはなんとしても手に入れなくては。

 このご時世にありながら、私はネット購入の経験がほとんどない。実際に現物を見ないで購入するのはかなりのリスク。しかも古本ですからね。複数冊ヒットしたので、それぞれ当たってみましょう。現物の画像をメールで送ってもらい、ある程度は状態を確認できる。最初のお店はカバーの破れが大きくてボツ。2つ目のお店は一晩経っても反応がなく、こちらから再問い合わせ。画像の用意に手間取っていたとか。経年劣化はやむを得ないが状態はよさそうだ。決定。「お高いですけどいいですか」「それじゃ負けてくださいよ」。少し負けてもらいましたが、値段は言えません。(笑)

矢頭保『体道』ウェザヒル出版社、1966年

 届いたのがこれ。カバーがパラフィン紙で包まれ、以前の持主が大切にしていた様子がうかがえる。全ページにわたって、当時のスーパースターたちが多数掲載されている。三島の写真は、1ページ全面が見開きで左右2枚。「三島由紀夫の写真もありますよね」と購入時に念押ししていた。三島はこの『体道』に序文を寄せている。会長は背筋写真のほかにもう1枚。こちらは顔が写っているのでわかります。

 早速ジムに持参して会長に見てもらった。ことばは少なめだが、当時のボディビルダーたちの名前が次々出てくる。「現役は自分だけ」。そうですよ、86歳!三島のサインはどこにあったんですか」「この最後のページのこっち側」。生涯現役は本当にご立派ですが、三島だけでなく自分も載ってて、しかも「三島由紀夫」のサイン入りの写真集、なくしちゃダメですよお〜。(2022/11/09)




会長語録(その4)「食べるものが8割」

 写真集をなくした会長の名誉のために会長語録を続けます。「ムキムキになるからいやだあ〜」とおっしゃる女性の声を聞いたことがある。ダンベルで筋トレすると「ムキムキ」になるのだそうだ。言わせていただきたい。なれるもんならなってみなさい!よく目にする「ムキムキ」は、コンテストビルダーのスーパースターたち。普通にがんばってもあんなにはなりません。ご安心ください。

 当該の女性、どうやら「ダンベル」と「ムキムキ」を直結していらっしゃるようだ。ちょっと考えればわかります。筋量が増えるためにはその元になる栄養分が必要。さらにそのためには栄養分を吸収する胃腸の働き、それと並行して血流の心肺機能、これら全部が健康で万全でないといけません。「筋肉」だけのお話しではないのです。

 「運動」「休養」「栄養」がトレーニングの3要素。これらのバランスが大切と考えていましたが、会長曰く「食べるものが8割」。もちろん「運動」も「休養」も十分実践した上で、「栄養」つまり「食べるもの」に最大の配慮をしろということ。

 筋肉だけでなく、消化器官や血管、血液など、人のからだのすべては口から入るもので形成されている。「いくらトレーニングしても最後は食事」と先輩諸兄も言っている。「9割が食事」という先輩もいる。かつて「からだが大きくなるならう○こでも食べる」と言った有名なスーパースターがいたそうだ。

タンパク質・脂質含有量一覧
※私の1食分に換算

 食品に記載されている「栄養成分表示」を必ずチェックするようになった。「高タンパク質」「低脂質」を意識したい。表にするとよくわかる。プロテインは言うまでもないが、サラダチキンちくわなどは魅力的。実は小豆のあんこもお勧め。牛乳は高タンパク質だが脂質も高い。中でもチャーシュー塩ラーメンはその筆頭。ただし、言うまでもなく不要な栄養素はない。偏りなく各種の栄養素を満遍に摂取するのが大原則。

 エネルギー源も必須。日本人なら「を食べろ」という先輩もいる。「とにかくだ」の声もある。「青魚」も。さらには食物繊維の「野菜」「海藻」……。まあ要するに、よく食べろということですね!年金生活のエンゲル係数、ますます増加中!!(2022/12/07)


岡田隆『無敵の筋トレ食』ポプラ社、2018年

 「食べるものが8割」という会長語録の展開。岡田隆『無敵の筋トレ食』は2018年の出版以来増刷を重ねるロングセラー。「トレーニングは食事に始まり食事に終わる」(p.34)、「バランスをとる食事こそ無敵の食事管理術」(p.39)などは基本中の基本。エネルギー、脂質並記の「タンパク質含有量」一覧表(p.60)のほか、「咀嚼は消化の第一歩」「心と同時にの調子」などはとりわけ教訓的。巻末にはカラーページの具体的なメニューとレシピも。筆者は大学の先生なんですね。


 この本の入手したきっかけは新聞広告。紙面の下に大きく掲載。ポプラ社も無茶するなあ、ボディビル、そんなにポピュラーですか?しかし、よくよく見ると「祝!世界ボディビル選手権第3位!」の文字。今年11月にスペインで開催されたIFBB(International Fitness and Bodybuilding Federation)の世界男子選手権のことですね。調べてみると、確かに岡田隆選手はボディビルマスターズ 40-44歳70kg以下クラスで3位入賞。ほお、ご立派です!ご著書の正しさを自ら実証されたわけです。この成果があったのでポプラ社は大きな広告を打つことができた。私もまんまとはめられました(笑)。熟読勉強します。

 話は続きます。この世界選手権には会長も出場していました。IFBBが招待選手として招待。史上最高年齢で日本選手権に出場しているからとも。結果は60歳以上クラスの12位。日本のような高齢のクラス分けはありませんからね。それでも、メダルと表彰楯をお持ち帰り。スペインの現地では有名人だったとか。欧米と日本の文化の違いですかね?古代ギリシアのソクラテスだって筋トレしていました。おっと、話題は「食べるもの」。

 閑話休題。「食べるもの」が重要というのはボディビルに限ったことではありません。近年よく耳にする「フレイル」。高齢者の「虚弱 frailty」のことです。対策本などでのポイントの1つは「食事」。タンパク質の摂取。もう1つは「運動」。「高齢者が大切にすべき二本柱は「食事」と「運動」」(佐々木淳『年をとったら食べなさい』飛鳥新社、2021年)。ボディビルでは先鋭化していますが、基本は同じ。「筋トレで人生の最期まで「筋肉」を守ろう!」(同書)。(2022/12/24)




会長語録(その5)「80歳の壁がある」

 「フレイル」に関連する会長語録。最近の売れっ子大学教授の同タイトル本のことではありません。「80歳になるとベンチプレスが挙がらんようになる。せいぜい60キロ。重量落として60キロじゃない。本当に60キロしか挙がらんのよ。あんたも80歳になったらわかる」と会長。ベンチプレス90キロの目標目指して自己記録更新中の当方には、当初関係ないように思われたものの、「壁」までまだ10数年というお墨付きをいただいたとも理解できる。初老は80歳から。まだまだこれからだ。

 ボディビルが「力自慢」でないことはすでに会長語録にある。60キロでもやり方次第。その証拠に会長は80歳代になってからも全日本のクラス別で第1位の実績を持つ。「80歳の壁」もあってないようなものだ。「90歳まで大会に出場する」という目標もよく聞かされる。結果はともかく「目標」を設定して実行、実現しようする意欲は見習いたい。

 渋沢栄一の孫娘の鮫島純子(さめじま すみこ)さんは、今年100歳を迎えられた。健康長寿の秘訣は「感謝すること」「好奇心を持つこと」「年齢を考えないこと」にあるという。毎日新聞(2022/11/28、余録)で紹介されている。当方以前、娘たちに某高級料理店に連れて行かれたことがあった。なんだなんだと思っていたら「還暦おめでとう!」。えっ、だれが還暦?自分のこととは気付いていなかった。

 「六十七十は はなたれこぞう おとこざかりは 百から百から」(平櫛田中、享年107歳)。これも有名。当方も「はなたれ」ですが、これは鼻炎のせいもある。あはは。「年齢」のことはもう考えないことにしましょう。実際、自分の年齢が毎年変わるので、最近よく間違えます・・・ ん?それはまた別の問題か?(2022/12/31)




「三島由紀夫ベンチプレス90キロ」

 「三島由紀夫がトレーニングを始めたときベンチプレスは10キロだったが、晩年は90キロになった」と冒頭に書きました。(→こちら)理屈っぽいと言われようが、文献研究者の端くれ(再び登場!)として出所を明示しなくてはなりません。それがこれ。163ページ、三島の写真のキャプションに「30歳で肉体改造に目覚め、はじめは10kgだったベンチプレスも晩年は90kgになった。」とあります。

『鮮やかに生きた昭和の100人』文藝春秋[5月臨時増刊号]、2013年

 『昭和の100人』の最後のページは誰でしょう?「昭和」といえばこの人。そう「昭和天皇」。しかも涙を流している。在位60年記念式典で参議院議長の祝辞が「終戦」に及んだときの表情。なるほどなあ。この涙は重い。文藝春秋の編集者さんはよく考えていますね。三島もこの100人に選ばれています。1925年(大正14年)生まれで満年齢と昭和の年数が一致し、まさに「昭和」を生きたわけです。

 出所の文献を手元に置きたい。これも文献研究者の思い。しかし、これを手に入れるまでには、トレーニングも絡んだちょっとした経緯がありました。最初の出会いは、毎月通う掛かり付け医の待合室。書棚にありました。早速、上述の『体道』と同様にネットの古本屋を検索。ヒットしたので発注したところ、売り切れの返答。データ更新ができていなかったとのこと。続いて市内の某古書店に足を運ぶ。「ネットで探しなさい」にガクッ。そりゃないでしょう。

 悶々としていた折、毎日新聞全国版の「ひと」(2022/11/03付)に広島の古書店「あき書房」店主の紹介記事。「地図復刻でヒロシマを継承」などの文言から、この記事の店主さんはジムで聞いたことのあるその方ではないか、とピンときた。古書店主と銭湯でご一緒するトレーニング仲間がいたのだ。記事を見せると「間違いない」。アポをとってご同行いただき「あき書房」を訪問。

 到着して驚いたのは、なんとこの古書店、私の出身高校のお隣!当時は知らなかった。業界のことは業界の専門家に聞くのが一番。紹介してもらって事情を説明するが、このお店にはない。「古い雑誌類はほとんど手に入らない。現物を譲ってもらうのが一番」。「ダメとは言わんでしょう」とも。ふむふむ。ということは、毎月の掛かり付け医さんですね。話は振り出しに戻った。

 次の受診日を待って、診察後、主治医の先生にお願いすると快諾。三島に関連する文献や資料を収集しています、というのはちょっと大袈裟だけどウソではない。最初に出会ったまさにその『昭和の100人』を手に入れました!お礼に気持ちばかりの四合瓶。トレーニング仲間と毎日新聞、「あき書房」店主さんのアドバイス、そして主治医の先生。いろんな人たちとのつながりを実感させていただいた「三島由紀夫ベンチプレス90キロ」でした。(2023/01/25)




背中

 「力自慢じゃない」「筋肉をいじめ抜け」などの会長語録に従って2年近くが経過。全身くまなく注力するのは難しいので、メリハリを付けて当面は背中。もちろん脚やその他のメニューもやってます。しかし、この間の成果を確かめようにも思うに任せない。体の前面は鏡で見えるが、背中が見えない。鏡を2枚使うのも面倒。そもそもこれまで自分の背中をじっくり見たことがない。


 家族にスマホで撮影してもらいました。ほう、こんな感じなのか。少しはカットが出てるのかな。「背中の動きが見えないのでどうしたらいいのでしょう?」。最初に会長に尋ねたのはこれでした。「肩甲骨を意識して後ろに引け」とアドバイスをいただき、動いている会長の肩甲骨に触らせていただきました。「わかるじゃろお!」(広島弁)。

 そんなことがあったので、会長にスマホの画像を見ていただきました。「こりゃあええのお」と高評価。よし!この調子で精進するぞ。もちろんまだまだ途上。これからだ。会長のお墨付きをいただいたので、私の筋トレ唯一の支援者、孫娘のりんちゃんに報告しなくては!(2023/02/15)




これまでとこれから

 当初の目標設定からまる2年が経過。「週2日、月と木」。曜日がズレることはあっても「週2回」はほぼ堅持。その結果、「いきいき活動ポイント」100ポイントゲット!と言いたいところだが、正確には99ポイント。ただし、町内会の清掃ポイントもあるので実際には満点の100ポイントゲット!!1ポイント100円の振込をいただきました。

 「70歳までにベンチプレス90キロ」。2年経過した時点で75キロを達成!当初40〜50キロだったことを思えば着実な進歩なのだが、ここ数か月、ウェイトが75キロから増えなくなった。会長語録によれば、こういうときこそ「考えろ」ということだ。そのほか、この2年間にいくつかの異変がありました。

(その1)右肘の関節に痛み。「やっとボディビルダーの仲間入りですね。あっちこっち痛くなりますよ」と先輩ビルダーさん。私はボディビルダーのつもりはないのですけどね。これはそのうち治まった。

(その2)左顎の関節に痛み。口を開けると痛い。これも「仲間入り」のせいと思っていたら、そのうち治まった。

(その3)左下奥歯の歯ぐきに痛み。左で噛めなくなった。「そのうち」を待っても治まらないので歯科医を受診。「歯をくいしばることしていませんか?」にハタと納得。「筋トレしてます」。顎の痛みもそのせいだったのだろう。さらに上の前歯の一部が欠けていた。おまけに虫歯も発覚。1ヶ月あまり通院して全部まとめて完全治療。左右両方で噛める幸せを実感。合わせて口腔ケアも。

 さて、ベンチプレスのウェイト問題。ウェイト重量は筋量、つまり体重に相関する。当方の体重は60キロ前後。普通、体重分のベンチが挙がれば充分の声もあり、「75キロも挙がれば文句ないでしょう」とも。しかし、挑戦は続けたい。そのためには体重を増やして筋量をつけるしかない。「筋トレ」と言えば、「ベンチプレス何キロ」と「ウェイト」にばかり意識が向くが、実は「食事」が重要。「食べるものが8割」と会長語録にもある

 ジムの先輩諸兄からは「米をしっかり食べろ」と言われる。「高タンパク質、低脂質」を前提に、重要なのは「炭水化物」。筋肉は動かして刺激しないと大きくならない。動かすためのエネルギー源が「炭水化物」。さらに、それらの栄養分の吸収のための腸内環境。「わかもと」「ビオフェルミン」などの整腸剤が有効とのアドバイス。これはドーピングには無縁。残念ながら、腸の内部は見られない。しかし、出てくるものからその様子はわかる。「直径3cm、長さ30cm、1本」、これが理想と教えられた。そして最後に行き着くのは「歯がだいじ」。よく噛んで食べることが「食事」の基本。

 しかし、これらのことは、ボディビルだけの話ではない。先鋭化の差はあれ、実は一般人でも同様。「運動」「休息」「食事」とそのバランスは、人が健康に生きるための基本要件なのだ。「口腔ケア」と「腸内環境」はその土台。「筋トレ」は健康に生きることを教えてくれる。


 平松洋子『筋肉と脂肪』(新潮社、2023年)によれば、トップクラスのアスリートたちが、スポーツ分野にかかわらず「食事」を重要視していることがよくわかる。身体の大きい相撲やプロレス、ボディビルに限らない。「米の重要性」(p.354)のほかにも「ベンチプレス伸び悩み」のはげみになる文章がある。直球はこれだ。
 筋肉は、負荷をかけて刺激をあたえなければ、加齢とともに確実に衰えてゆく。しかし、明確な意識をもって負荷をあたえ、同時に栄養や休息の条件を整えれば、高齢者でも筋肥大することが実証されている。(p.157)
 桑原弘樹のコメントは、より具体的で共感できる。ちょっと長いが。
 還暦を過ぎてからは上手な歳の重ね方を意識するようになりました。年相応の老化を人並みに味わっていますが(老眼、白髪、コレステロール、頻尿、徒労、更年期など)、骨格筋量だけは毎年わずかながらも過去最高を更新中です。=中略= 長生きが目標というわけではありませんが、規格外の七十歳を目指したいので、七十という年齢を仮ゴールというイメージで生活を組み立て、ATP産出や睡眠などを幅広く捉えるようになりました。筋肉を増やしたければ、内蔵や骨や腱、血管、脳など、結局は身体全体が健康でなくてはできません。(p.363)
 「もう70歳近いんだし、現状維持でどうですか」と言われることもある。しかし、もっと強く大きくなりたい。「ベンチプレス90キロ」。これからも挑戦を続けるぞ!目指せ「規格外の七十歳」。(2023/05/06)




会長と三島由紀夫

 いつものようにトレーニングしていると、「若いころの会長をテレビで観た。三島由紀夫の……」という会話が耳に入ってきた。おっ、これは聞き捨てならない。トレーニングを中断して「ナニナニ」と話に割り込む。どうやら三島由紀夫を取り上げたNHKの番組があって、ボディビルの話題の場面に会長が出ていた、ということらしい。さもありなん。会長から三島のことはよく聞いている。

 三島由紀夫のテレビ番組は大抵録画することにしているが、今回のは見逃したようだ。見逃し配信を探したがみつからない。かなり以前の放映だったのかもしれない。しかし、その番組かどうかは別にして、おかげで大会審査員の三島を見つけることができた。こちら。「三島由紀夫がゲスト審査員だった」という話も会長からよく聞いている。


 画像のイメージはこんな感じ。「肉体を鍛えた三島はボディービル大会で審査員を務めるまでになる」というキャプション付き。右の人物が三島であることはなんとなくわかる。しかし、トロフィーを受け取っている左の人物がだれなのか、私にはわからない。若いころの会長なのか。そんなにうまい話もないだろう。わからないことは調べたくなるのが研究者のサガ。ご本人に直接確認してみよう。

 後日、「ミスター広島」のタイトルホルダーで、何十年もジムの常連の某先輩にまず見てもらった。即座に「これは会長!」。画質がよくないのになんでわかる?と尋ねる前に「パンツのガラ!」。若い会長にはお気に入りの競技パンツがあったそうだ。大会の規定で黒に統一される以前のお話。「この写真といっしょだろ」。ジム内に掛けられた若いころの会長の写真。そう言われればパンツのガラが似ているような……。

 「2位だった。次の年1位になった」。会長ご自身の証言。右が三島由紀夫、左が若き日の会長。これで間違いない。『体道』では同一写真集での掲載だったが、今回は同一画像に収まっている。会長と三島を結び付ける絶好の資料だ。その決め手が競技パンツのガラだったとは!(2023/07/04)




金澤利翼『カナトシ式楽筋トレ』講談社、2023年

 会長が本を出版した。それも天下の講談社。秋に本が出ると聞いていたが、きっかけは出版社からのオファーだったらしい。トレーニングジムのフロントに置いてあったので早速購入。もちろん会長にサインをしてもらった。「生涯夢への挑戦」のコメントも。


 子細な内容は直接ご確認いただくことにして、掲載されたトレーニングメニューは、コンテストを目指すためのものではなく、タイトル通り、「楽して筋トレしよう」という素人さん向け、おそらく会長と同世代の高齢者向けである。筋トレにつきもののバーベルやダンベルは出てこない。

 話題を1つだけ。「130歳まで生きる」(p.6)にはインパクトと説得力がある。注射が大嫌いな会長が何かの企画で血液検査を受けたことがあった。その結果は「20代の血液」という驚くべきものだった。その折りに「平均寿命が80歳なので、いま20代ならあと60年はいけますね」と冗談話をしたことがあった。「130歳」はただの思い付きではなさそうだ。

 生涯をかけて単著を出版した我が身として、大手出版社からオファーがあるなんて信じられない話。会長は今年、人気テレビ番組の「開運!なんでも鑑定団」に出演している。これもテレビ局からオファーがあったらしい。私が待ってても、出版やテレビ出演のオファーは絶対にないよね。1つのことへの長年の積み重ねの結果でしょう。敬服の外はない。ただ、残念ながら会長のご当地では、いまだ「鑑定団」の放映がない。いずれそのうちということらしいが……。(2023/10/10)

※後日談 会長出演の「鑑定団」は、2023年10月22日にご当地テレビ局で放映されました。
※後日談の後日談 2024年2月17日にご当地テレビ局で再放映されたそうだ(伝聞)。




ボディビルの鉄人、ベンチプレスのヘルプ

 「ウェイトが75キロから増えなくなった」と書いてから半年が経過。現時点でもベンチプレスは80キロに届かず75キロのまま。もう限界なのか。いや、そうではない。以前は75キロ1回5セットだったが、いまは75キロが2回5セット挙がる。ウェイトは変わらないが回数が増えた。まだまだ「伸び代」はある。これが3回5セットになれば80キロも挙がるはずだ。


トレーニング記録の更新

 ウェイトが増えなくなってメニューを一部見直した。ベンチプレス60キロを5セット追加して力尽きるまで繰り返す。会長語録「筋肉をいじめて、いじめて、いじめ抜け」。さらにダンベルフライを導入。同時に下半身メニューも見直した。「高齢になると脚が弱る」と助言があり、マシンを止めてレッグプレスに。シーテッドレッグプレスも追加。全体的にメニューがステージアップした感じ。よしよしと思う反面、引き続き不具合も発生。

(その1)右肘関節にコブ状の膨らみができた。整形外科を受診したところ「肘頭滑液包炎」。肘の先端の膜が破損して滑液がたまるらしい。そういえば、前日アームカールマシンで肘をついて頑張ったなあ。それが原因か。痛みがなければ何もしなくて大丈夫。「そのうち直ります」。


 ジムの先輩諸兄に伺ったところ、同じようになったという方がいた。こちらも「そのうちなくなった」と。見た目が奇異だが、そでをたくし上げたときのストッパーになる。(笑)「ぷにゅぷにゅして気持ちいい」と奥様にもてあそばれました。2ヶ月近くでほぼ解消。

 この件があって、肘をつく腕のマシンは中止。メニューを見直しました。三頭筋はケーブルプレスダウン、二頭筋はダンベルカールとケーブルカール。「マシンよりよく効くでしょう」と先輩諸兄。災い転じて福としたい。

(その2)左右の奥歯が損傷。左は以前治療したところだが、残してあった部分が欠けた。いつもの歯科を受診。力がかかりすぎるらしい。やはりベンチプレスのせいかな。おかげで定期的な歯科検診のきっかけになっています……。先輩諸兄からマウスピースを勧められた。要検討だな。

 さて、タイトルの「ボディビルの鉄人」。言うまでもなくジムの会長のこと。インターネットではこのキーワードで会長がヒットする。いまや名実ともにレジェンドだ。そんな会長にベンチプレスのヘルプをしていただいた。毎回お世話になっている先輩氏(ミスター広島の元チャンピオン、今年から後期高齢者)が都合でお休みのとき、「ヘルプしちゃろう」とありがたいお言葉。レジェンドのヘルプは貴重な経験。忘れない!(2023/11/29)




再出発!

 右腕が上がらない。室内の照明スイッチの高さですら、三角筋の特定のスジが痛くなる。いまさら「五十肩」という年齢でもないだろう。ショルダープレスの頑張りすぎかな。思い当たるフシがないでもない。これまでのように、そのうち治まる感じもしない。

 会長はじめ、先輩諸兄からは「痛めたときは休まないとダメ」とアドバイス。限界に挑戦し続けるとそのうちケガをするとも。なるほど。それで、肩だけでなく、ベンチプレスも重量を減らして静養モード。75キロ2回5セットから上り調子だったのになあ。ベンチプレスのためにと思って肩に注力したのがアダになった。

 お正月休みを挟んで1ヶ月余りが経過。肩の痛みもなくなり、そろそろいいかなと75キロに挑戦するが、1回も挙がらない。うん?まあ久しぶりだからと思ったものの、その後も挙がる気配がない。それどころか70キロすら回数がかせげない。これまでわずかでも「伸び代」を実感できていただけに、この後退感は初めてだ。

 この間、会長語録「力自慢じゃない」が気になっていた。ボディビルとパワーリフティングはまったくの別物。ボディビルのトレーニングは、「重量」にこだわらず、特定筋肉への「効果」を追求。これに対してパワーでは、姿勢や弾みを工夫して、いわば全身の筋肉を総動員する。自分は何をしたいのか。会長の教えには沿わないが「重量」に挑戦だ!70歳までにベンチプレス90キロ。これを目指して70キロから再出発!(2024/02/07)