〔道床の嵩上げ(その2)〕

今回の工事区間

 土木工事なのに金属加工に偏り過ぎていないか、というご指摘をいただいている。その通りです。精度にこだわりたい身として、土木工事の精度感、つまり、大体だけど振れ幅は外れないというあの感じは、私には不向きです。心穏やかでいられなくなる。

 例えば、道床に使っているコンクリートブロック。水糸を張って一直線に並べたつもりが、反対側の辺はデコボコ。そもそもブロックの大きさが微妙に違うわけです。使い回しですからロットが違うのでしょう。でも、ブロックを積む職人さんは、見た目のいい感じに仕上げています。こだわるところが別なのでしょうね。今回の工事区間はまさに金属加工。ネジやナットで嵩上げします。

 土留めのアルミ角パイプ【上画像】は、こんな感じでした。→こちら さらにナットとワッシャーを重ねるのはスマートではない。雨水マスの施工を踏襲して、ネジを使いましょう。角パイプの両端をこんな具合に加工。
 
 土留め角パイプを設置。高さも稼げるし、微妙な調整もできます。もちろん下の隙間は、これまでと同様、ビニールシートで塞ぎます。逆側は地面ですから、砂を入れて高さを確保。
 
 前後左右のレベルを調整して、最初の道床石板が完了。
 
 次は、雨水マスの蓋。ここはすでにネジ仕様なので、作業は簡単。長いボルトに交換するだけ。隣接の土留め角パイプの下に、わずかに青いビニールが見えますね。見えないか。
 
 ボルトがかなり足長になっているのがわかります。
 
 取り出していた玉石を戻して、雨水マスの嵩上げ完了。
 
 さて、問題はここから。いいアイデアが浮かばず、ナットを重ねる方法を踏襲。嵩上げ分に相当する厚み12.5mmのM16ナット。
 
 一番下を嵩上げします。四隅にナットを置いて、小さなナットやワッシャーでガタつきをなくします。4点なので調整が難しい。3点ならその必要がない。
 
 一番上の石板のレベルはここで微調整。ところが、ナットやワッシャーを重ねる方法では金属相互が横滑りすることが判明。せっかくレベルを出したのに、崩れてしまうことが何度かあって、ガクッ(涙)。接着剤で固定することにした。
 
 雨水マスの隣接1枚目が完了。
 
 残りは、石板5枚重ねの箇所。やはり一番下を嵩上げして高さを確保。見た目もさることながら、水はけを考えました。
 
 高さの不足分は、複数の石板に分散して解消。できるだけ隙間を均等にしたい。
 
 最難関と思われた工事区間の嵩上げ作業が完了。レベルの出た大理石の並びがいい感じ。久々のウフフ!