すでに
橋桁の塗装を施工しているが、全線にわたる大規模な塗装工事は庭園鉄道始まって以来。ワフやホキの塗装からもう20年あまり。塗装の基本を確認しつつ作業を進めたい。手掛かりは上掲『技術シリーズ 塗装(普及版)』2005年。ワフ塗装の際に入手して勉強した(ちょっとだけ)。塗装は難しい。塗料の分類・区分も厄介だ。用語がたくさんあって使い方が錯綜している。自分なりに整理して理解しようとしたが、我が身の至らなさを痛感する。
塗料の主成分は次の3つ。
@塗膜成分(油脂、セルロース、合成樹脂など)、
A蒸発成分(溶剤)、
B発色成分(顔料)。とりわけ塗膜成分を流動化する溶剤は、強烈な臭いや毒性があって注意が必要。単発の小パーツの場合はさほどでもないが、継続的な塗装作業では本格的な対策をした方がいいだろう。また、塗膜成分によって溶剤の種類が異なる点も要注意。油性塗料には
ペイントうすめ液(石油系シンナー)、ラッカー塗料には
ラッカーうすめ液(ラッカーシンナー)。
一番の問題は色。何色を選択すればいいのか悩ましい。枕木とレールを塗り分けるつもりはない。かつて年期の入った枕木がサビ色になっているのを見かけたものだ。枕木とレールを兼用できるのは何色なのか。ホームセンターで物色したものの、最適解は得られなかった。えいやーで決めたのがこちら。
アサヒペン油性高耐久鉄部用スプレー(300ml)ツヤ消しこげ茶【画像左】。ツヤ消し黒【画像右】。
コンプレッサーを使用したスプレーガンも考えたが、
粘度の調整に腰が引けて、安直なスプレー缶にした。決め手は「高耐久」と「サビの上からそのまま塗れる」「サビ落とし不要」のうたい文句。塗膜成分は合成樹脂(シリコンアクリル樹脂)。顔料に加えて
サビドメ剤。溶剤はペイントうすめ液。しかし、発色は実際に塗ってみないとわからない。とりあえず1缶だけ入手して使ってみることにした。
いきなり線路というわけにもいかないので、転轍装置のパーツから。小さいものは割り箸の先に取り付けた【画像左】。比較的大きいものはネジ穴に針金を通して吊るした【画像右】。これで塗装の準備完了。もちろん事前に
脱脂しておく。
転轍装置のパーツは、スライドバーの床板も含めてツヤ消し黒【画像左】。同様にLリンク、トングレールレバーのロッドもツヤ消し黒。Lリンクの床板だけツヤ消しこげ茶【画像右】。床板は枕木の延長のイメージ。ツヤ消しこげ茶はこんな感じなんだ。
クレオソートがたっぷり染み込んだ真新しい枕木かな。
さあ、本番の線路の塗装……、というわけにはいかない。線路は橋桁よりも長くて重い。塗装スペースがそのままでは使えない。線路用に拡充する必要がある。
線路(L=1500mm)を塗装するためには、フックを取り付けたアングルをさらに上方に上げる必要がある。それに合わせて飛沫防止のコンパネをもう1枚追加。実際に線路を吊るして様子を見る。
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フックは最短位置に変更。Sカンも短いものに。
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問題は線路の重量。直線線路は重さ10キロ。ポイントは重さ20キロもある。これに耐えられるように重しのブロックを追加した。これまではアングルの自重だけだった。アングルの支点もブロックで嵩上げ。
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塗装に先立つ下準備のための作業台を新設。長椅子の上にアルミ棚板(L=1500mm)を載せた。いずれも家にありました!
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