〔主桁の嵩上げ〕

 嵩上げ用のキャップスクリューがこれ【下画像】。基本はM6の40mmだが、メンテナンススペース側の橋台Dだけは45mm。台の下にスペーサーがないので、その分足が長くなる。長いキャップスクリューは全ネジではないのですね。



 支承部分のパーツ【画像左】。左からキャップスクリュー、赤いM10ナットの支承の台座、支承の基礎になる未塗装のM16ナット。組み立てるとこんな感じ【画像右】。もちろんすべての荷重はキャップスクリューが支え、台座も基礎もダミー。

  

 さて、問題はここから。台座にはキャップスクリューの頭の10mmの穴。M6のネジ部分との間に2mmの隙間。これをどうするか。台座のナットを安定させるためにこの隙間を塞ぎたい。

 手元にあるもので工夫する。外径8mmと10mmのアルミパイプをジャンクで発見。8mmを10mmに挿入すると、外径10mm内径6mmのアルミパイプができる。この中にキャップスクリューを通して台座に入れれば隙間が解消する。画像は試行錯誤の試作品。
 
 パイプカット用にこんなジグを作りました。9mmの穴を開けた木片でパイプを上下から挟んで固定します。10mmのパイプを10mmの穴に入れると動きます。(笑)
 
 さらにもう1つ。ジャンクに内径10mmのクリップがありました。パイプ棚用か?これで挟んで糸ノコのガイドに。
 
 糸ノコでカットした後は、ボール盤のチャックに取り付けてヤスリの上を旋回。これで切断面が正確になります。
 
 外径10mm内径6mmのアルミパイプを12個製作。橋梁には主桁が3つ。つまり足の数が4本×3=12本。
 
 これにキャップスクリューを通して組み立てると隙間がなくなり、赤い台座が安定します。ウフフ!
 
 この時点で主桁の足を固定することにした。キャップスクリューに、台座の隙間を解消するアルミパイプさえ入れておけば、もう組み立てても構わない。石板道床とツライチになり、かつ主桁上面のレベルが出るようにキャップスクリューの高さを加減する。この作業はすでに経験済み(→こちら)。このままだと、やはり足長おじさんは否めない。


 課題が1つ解決しものの、同様の課題がさらにもう1つ。アルミパイプを取り付けたキャップスクリューとM16ナット【画像左】。キャップスクリューをM16ナットに入れると、ほらここにも隙間ができる【画像右】。台座のナットを載せれば見えなくなるが、ナットがガタついて安定しないのは明らか。隙間を詰めてナットを固定したい。

  

 キャップスクリューの頭の外径10mm、ナットの内径14mm。つまり。外径14mm内径10mmのパイプを使えばいいわけだ。ジャンクを探しても、そんなに都合よくあるわけがない。上の事例のように14mmのパイプに12mmのパイプを挿入してもよいが、新たにパイプを購入すれば、L=900mmくらいだろうな。100mm+αでいいんだけど。

 そもそも厚み2mmのアルミパイプって、これまで見たことがない。パイプ以外を考えた方がいいのかな。外径14mm内径10mmのものって何?1つ見つけました。同規格の水道用ゴムパッキン。最初はOリングを探していました。これを何個か詰めればどうにかなるかな……。試作は失敗。原因はナット内のネジ溝。ピタって感じにはなりません。

 やはりアルミパイプだな。そう決心してネットで検索。おっ、外径14mm内径10mmでしかも切り売り。やったあ!しかし、記事を読み進めるとともに気分が沈む。L=200mmはいいけど「±5mm」、これはもう公差の範囲ではない。

 さらに「中国倉庫から出荷」「税関の通関検査」「税関申告のためフルネーム」などの言葉も。「送料600円」も気になる。通常の国内便でもそれくらいの送料なのに、中国から日本までの送料はどうなっているのか。あとから請求されたりしないか。航空便なら送料も高そうだな。う〜む。受け取ったアルミパイプから白い粉が出てきたりしないか!?

 一晩悩んだ挙げ句、発注を決断。日本国内の店舗住所、電話番号、担当者氏名が明記してある。グーグルマップで住所も確認できる。料金前払いだけど、もしものことがあっても、今後の年金生活が破綻するような額ではない。まあ、ラクテンだし。白い粉は両国の税関でチェックしてよ!

 さて、入金してから1週間後。国際便の配達状況をチェックしてみると、なんと「お届け済み」。自治会の団地清掃が終わって、図書館と買物に外出していた。郵便受けを確認すると確かに封筒が届いている。これだ!



 宛先シールには「中国郵政 CHINA POST」の文字。FROMの欄には「… Shanghai …」の記載。Contensの欄には、小さい文字で「Aluminum tube」

  

 そして、シール下端には次の一文も(原文英語)。
私は、この申告に記載されている詳細が正確であり、この商品には法律、郵便規制、または顧客規制によって禁止されている危険な物品が含まれていないことを保証します。(グーグル翻訳による)
 「白い粉」は入っていないということでいいのかな。とは言うものの、恐る恐る開封して中身を取り出す。緩衝材のビニールに巻かれている。


 ビニールを取り外して出てきたのがこのアルミパイプ【画像左】。外径14mm、内径10mm。これは公差の範囲。心配だった全長はどうか。L=200mm±5mmという事前情報だったが、そこまでアバウトではなく、200mm+0.5mm程度。意外にキッチリでした。ここで精度を求めてもね。ただ、ちょっと気になったのは、この切断面【画像右】。切り取ったままのガタガタ。まあ、いいですけどね。中国のアルミパイプ、合格です。「白い粉」も出てこなかった。(笑)

  

 さて、切り出し作業。前に使ったジグに、もう1つ、13mmの穴を追加。これで外径14mmのパイプを挟むと固定できます。
 
 台座の下に隠れてしまうので、切断面の仕上げにはこだわらない。糸ノコによる肉厚2mmのパイプの切断は、結構な仕事量で疲れる。12個完成。
 
 M16ナットの中にピッタリはまります。あれ、ナットが着色されていますね。アルミパイプの到着を待つ間に塗装を済ませました。ライトグレーはコンクリート基礎のイメージ。合わせて主桁の支承部分のネジ類も赤く再塗装。
 
 もちろん外径10mmのパイプも収まり、ガタつきもない。あとは、これを台座のナットとともに支承のキャップスクリューに組み合わせればできあがり!
 
 断面図。ブラック=支柱(M6キャップスクリュー)、グレイ=基礎(M16ナット)、レッド=台座(M10ナット(中ぐり内径10mm))、イエロー=8φ+10φパイプ(内径6mm外径10mm)、ブルー=14φパイプ(内径10mm外径14mm)
 


主桁の支承を設置



支承の基礎と台座(に見えませんか?)



線路を敷設