〔軸箱蓋の作成〕
 
 旋盤やフライス盤などの工作機械があったらいいなあといつも思いますが、諸般の事情で叶いません。加工の主力はもっぱら手作業のヤスリがけ。そうなるとむしろ開き直って、手作業だけでどこまでできるか挑戦してみよう、という気になります。「ワフ製作記」も事実上そうだったのですが、「ホキ製作記」では、ボール盤は別にして、工作機械を使わないことを積極的に標榜することにしました。どこまでできるか、手作りのホキ800。
 
 
    
 
 
 工具の良し悪しは工作の完成度に大きく影響します。もちろん本人の技術力が基本ですが、それでも工具は重要です。ホキ製作に着手するに当たって、新たな工具を導入しました。中目と細目の鉄工ヤスリ2本。ニコルソン製です。「世界中の技能五輪の選手が使用する世界No.1の鉄工ヤスリ」という説明に心引かれました。手元部分にNICHOLSON MADE IN USAの刻印。裏にはそれぞれ、HAND 2ND CUT、HAND SMOOTH。後付のヤスリ柄もニコルソン製。これでもう気分だけは技能五輪の選手です。(笑)
 
 

 ホキの軸箱蓋も基本的にはワフのそれと同じはず。【図面はワフの軸箱蓋】ただし、軸箱部分に微妙な違いもあるので、最初に仮の試作品を1つ作り、現物合わせでサイズを確定しました。L=17.0mm、W=25.5mm。ワフ製作の際に適当にごまかした1.5Rと2Rも、できるだけ忠実に加工することにしましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 まず1つだけ作って様子を見て、それから量産。1.5Rの円弧はドリル穴で対処。ケガキをしてドリルの穴位置をマーク。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 1.5Rは理論上3.0mmのドリル穴ですが、誤差が出るので、一応2.8mmで開けておいてヤスリで微調整します。中央には1.6mmの下穴を開けてM2.0mmのタップ。ねじ込んだボルトが密着するように、タップ穴の内側に軽くザグリを入れます。この蓋はバスコークで接着するので、ボルトはダミー。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ヤスリで整形。ついでにピカール(真鍮磨きの研磨剤)で汚れを落としてピカピカに。ほお、なかなかですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 M2.0mm六角ボルトを取付。裏に出た余分のネジをカットします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 六角ボルトが付いてそれらしい形。現物合わせで様子を見ると、まあこれでいけそう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ということで量産開始。2軸台車が前後2つ、つまり軸箱は8つ。残り7つを量産です。小さなパーツなので、残り物の真鍮板をリサイクル。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 バラバラに切り離す前に横3枚をまとめてL=17.0mmのヤスリがけ。効率的でしかも精度が出ます。デジタルノギスを使って10分の1ミリの計測値がゼロになるように仕上げました。100分の1ミリレベルは誤差の範囲。ま、自己満足ですけどね。(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 糸ノコで大まかに切り分け。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 左右の辺をヤスリで整形。上下のラインは仕上げ済み。ボルト用のM2.0mmタップ。数があるので根気のいる作業。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 六角ボルトを取り付けて完成。最初の手作りパーツ。