〔開閉装置の取付(その6)〕
 
出典『国鉄貨車明細図集』
 
 
 最初の難題は操作ハンドルのリング。3.0mm真鍮丸棒から内径55mmのリングを作ります。プロの方ならどうするのかうかがいたいところですが、素人には円筒に巻き付けて成形する方法くらいしか思い浮かびません。そこで外径55mmの円筒探し。水道用の塩ビパイプに期待しましたが、40mmパイプの継手の外径が辛うじて54mm。失敗覚悟で巻いてみました。
 
 
 
 
 あらら。いくら力を入れても継手の外径より大きくなってしまいます。【画像上】う〜む。こりゃあ、ダメですね。何かヒントがないものかと先達のホームページをチェック。「バネ作り」の記事に、「コイル状に巻く際には、1割余り大きくなることを前提に芯の径を計算せよ」とありました。なるほど。元々そういうものなのですね。1割小さいパイプに巻けばいいのです。
 
 
    
 
 
 そこで今度は25mm用の継手、外径42mmに巻いてみました。【画像上左】もちろん55mmより小さくなりますが、逆方向に緩めてやれば簡単に大きくなります。あとは手作業による微調整。こうして最初の54mmのパイプにピッタリ。【画像上右】直接巻き付けても、こういう具合にならないことがわかりました。勉強になりましたね。誤差の少ない中央部分を切り取ればリングの出来上がり、のはずが……。
 
 リングを内径55mmにするにはどこで切り取ればいいのでしょう。厳密な方法が思い付かなかったので、長めに切って切口をヤスリで削りながら微調整しました。手作業ですから真円は無理にしても、この方法でかなりそれらしい円形にすることができます。しかし、さらに難題が……。円形にはできても、それを平面にするのは至難のワザです。螺旋状に巻いたので切口を合わせたときにどうしても微妙なゆがみが出てしまいます。
 
 このゆがみの解消に苦労しました。真鍮とはいえ3.0mmの丸棒は硬い。リングを真鍮板に載せて横から隙間を見ては手作業で修正。バイスに挟んでグイッ。何度もこれの繰り返し。とりわけ最初に失敗した丸棒の再利用では、余計なゆがみもあって悪戦苦闘。モッタイナイとはいえ、手間がかかります。ゆがみを完全に解消するのは無理。どこかで妥協しないと。どこで? 疲れたところで止めました。あは。【画像下】
 
 
 
 
 リングの作成はこれまでになかった新しい作業。工作のレパートリーが1つ増えました。さて、もう1つの難題の組立。切り出した5本の平板をそれぞれリングと軸受の間にハンダ付けする方法では、ジグを工夫するにせよ、満足いく完成度は期待できないでしょう。う〜む。思案の末に発想の転換。最初に切り出さないで、ハンダ付けしたあとで切り出すことにしました。
 
 

 正五角形のケガキは以前にもありました。もう一度三角比の復習。中央の縦2つの穴は真鍮板を木片に固定する木ネジ用。8.0mmもの穴あけでは真鍮板をしっかり固定することが肝心。取り付けた木片をテーブルバイスに固定します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 穴あけ後、こんな形に切り出します。放射状の平板はすべてつながったまま。この状態で先にハンダ付けして組み立ててしまおうという趣向です。どこかの高校の校章?それとも雪の結晶?(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 中心部の軸受。片側に面取り。長さ4.0mmなのでボール盤が使えるのは片側のみ。これでハンドルのパーツはすべてそろいました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ハンダ付け用の固定ジグ。前回の支柱の組立のジグをそのまま流用。中心に軸受を入れるアルミ丸棒。アルミ円盤は真鍮板のスペーサー。リングが3.0mmの丸棒ですから、1.0mmのスペーサーを入れると真鍮板が丸棒の真ん中になります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 軸受、真鍮板、リングを置いたところ。これでハンダ付け。接合部分が小さいので、表にも裏にもしっかりハンダを流して強度を確保します。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 ハンダ付けしたところ。これから不要な部分を切り取ります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 切り取りのためのジグ。放射状の真鍮板が小さくなるので、全体で固定できるようにします。ホールソーでベニア板から切り出し。切り欠き部分は72度。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 横向きに固定して糸のこで不要部分をカット。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 縦向きに固定してヤスリ仕上げ。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
繊細な仕上がりにうふふ