〔レタリングの貼付〕
 
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 塗装作業が始まり、完成のめどが立ってきた2010年11月、ディテールの工作と平行して標記用レタリングの準備に着手。ワフ製作の際にお願いしたくろま屋さんのレタリングが運転会などで高い評価を受けているので、今回も迷うことなくオーダーインレタを外注することにしました。しかし、原稿をすべてお任せするにしても、形式などの標記はともかく、番号までお任せとは言えません。所属局や常備駅はどうしましょう。
 
 製作に先立って考えたホキ選択のメリットの1つは、多くの貨車がなくなってしまったにもかかわらず、いまでも現役で活躍している実車が多数あること。ディテールなど、できるだけスケールモデルを目指すなら、所属局や常備駅、そして番号も実車と同じにしたいですよね。早速最寄りの山陽本線厚狭駅に実車の調査に出掛けました。
 
 運良く敷地外から数両のホキを確認。どの番号にしようかな。「ホキ1111」も並んでいましたが、こういう番号はデザイン的には避けたいですね。数字のバランス、ボリューム感などを考えると、丸みのある数字の方がいいような気がします。何両か物色して、結局「ホキ1330」に決定。各種標記の全体を写真に収めるのに苦労しました。【→トップ画像】
 
 この画像を基にしてくろま屋さんにオーダーインレタの発注メール。もちろん画像も添付。(→大画像)「12分の1でこの通りにしてください」。1.荷重と自重、2.所属局は「広」、「厚狭駅常備」。3.形式と番号はホキ1330、4.形式、5.積空、6.車検標、7.形式と番号。さらに写真に撮れなかった開閉ハンドルの「開←→閉」も。ただし、車検標だけはオリジナル。製作開始の「20-3-23」と完成予定の「23-3-23」、地名が分かるように「下関車」。
 
 メールを送ると折り返し見積りが届きました。しかし、前回は10日余りだった納品が、現在は「数ヶ月」、しかも納期の確約は難しいらしい。お忙しいのですね。一応3月が完成予定なので余裕はあります。「納期のことは言いません」と返信して発注確定。その後は工作に集中。年も改まって1月下旬、塗装が済んで次はレタリングという段階。あれ、まだかなあ。本体の工作を中断し、運搬ケージなどの周辺加工で納品連絡を待つ。「納期のことは言いません」とは言ったものの、辛抱できなくなって問合せ。「2月中には」との回答。
 
 
    
 
 
 回答通り、2月末に荷物が届きました。発注から4ヶ月近く。「取扱注意」の赤い張り紙とともに送り状には「精密品」の文字。【画像左】 こういう包みを開封するときは、どきどき、わくわくしますよね。包装をはずすとダンボール製の手作り箱。例によって周囲のテープをはがしやすいように端を折り曲げて浮かせてあります。憎い心遣いですね。【画像右】
 
 
    
 
 
 箱の中の封筒には版下フィルムのほかに、振込用紙や明細書、直筆の手紙。【画像左】 ご本尊さまはどこでしょう。プチプチシートに包まれたさらに薄手の箱。この中にご本尊さま、いえレタリングシートを発見。【画像右】 何重にも包装されたまさに貴重品。そりゃそうです。この1枚が3年間のホキ製作の総仕上げになるわけですからね。いわば仏像の魂。ちょっと大袈裟。(笑)
 
 
    
 
 
 送られてきたレタリングシートを仔細に観察。【画像左】 2行になった「自重」「荷重」の行間は一体のまま使えるでしょうか。「積空」は票サシの間に収まるでしょうか。車検標は標記板からはみ出さないでしょうか。側梁の形式番号の幅は……。12分の1の大きさで製作しているので、12分の1の標記が収まるのは当然のことですが、気になるところをチェックして一安心。
 
 日を改めて貼付作業に着手。まず、シートを碁盤目のカッティングマットに固定して、切り出しのラインの平行、直角を確保。もちろん必要な部分を、その都度必要な枚数だけ切り出します。万一の失敗も想定して、それぞれの標記をちょっと多めに依頼しました。全部切り出した残りはこんな感じ。【画像右】 余分に注文しておいてよかった。本当に失敗してしまったからです。
 
 ワフのレタリング貼付からすでに4年以上が経過し、要領を忘れてしまいました。ホームページの記録を確認しつつ作業を始めたもののぎこちない感じ。微妙にずれたり欠けたりする不具合もちらほら。そんな状況の中で側梁標記の順番がきました。どうも貼り付きがよくないなあ。密着させる圧力が足りないのかもしれない。そう思ったのが間違いでした。それまでの割り箸の代わりにメガネレンチの丸みを利用してゴシゴシ。
 
 
 
 
 ゲッ、ずれたぜ。レタリングをはがしてやり直しかよ。と思ったときは、まだ事態の深刻さが分かっていませんでした。レタリングの文字がずれたように見えたのは、実は下の黒のエナメル塗装がはがれていたのでした。白文字をはがそうとすると塗装もいっしょにとれて下地のアルミが出てしまいました。予想もしない事態にしばし放心状態。塗装してやっと組み立てたところだったのに……。涙も出ません。
 
 しかし、、嘆いていても仕方がありません。発想を転換しましょう。新たに塗装の補修という課題が課せられたと考えましょう。今後、傷ついた塗装の補修が必要になることだってあるはずです。そのためのノウハウを探るための予行演習。幸い側梁用の標記にはまだ余分があります。前向きに考えましょう。【教訓】 貼り付きがよくないからといって、力を加えればよいというわけではない。塗面のことも考えよ。
 
  

 数年ぶりのレタリング貼付なので、最初は小さいところから。小標記板の積空標記。左右の票サシの間に収まるかどうか、計測はしたものの、実際に切り出して確認。大丈夫。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 票サシを外し、レタリングシートを位置決めしてテープで固定。ずれないためにこの固定が重要。いま思うと下側も固定した方がいいですね。右端の割り箸でこすって転写。ぎこちなくて要領を得ませんが、でもまあ、ちょっとくらいの不具合は目立たないので許容範囲。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 転写後、再び票サシを取り付けて様子を見ます。ほお〜、黒と白のコントラストがとても印象的。久々にうふふ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 続いて車検標。レタリングの転写作業は転写しただけで終わりではありません。上からクリアを吹いてはがれないようにしますが、それはまた後日。ネジ頭の塗装もその時に。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 何となく要領が分かってきたところで、大きく目立つ場所に挑戦。荷重と自重。最初に『国鉄貨車明細図集』の図面に従って位置決め。シートを側板の幅に切り出しておけば上下の位置決めが楽。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 割り箸作業のために側柱を取り外し、ずれないようにさらにテープで固定してゴシゴシ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 転写後、再び側柱を取付。いい感じ。うふふ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 次に形式標記。『国鉄貨車明細図集』の図面に従って位置決めしましたが、現存する実車の写真をみると、もっと上に寄ったものもあります。適当なのかな。側板上部に所定の幅のテープを貼っておき、これに沿わせて水平を確保。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 これでやっとホキ800になりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 側梁に形式と番号。リヤの作業デッキ側とフロント側では、形式番号標記の場所が異なります。作業デッキ側は踏段を避けているのでしょうかね。この箇所の貼り付きがよくなかったので、いろいろ考えた結果、その後、かえって想定外の失敗をやらかしてしまったわけです。あ、もう触れないで……。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
出典『国鉄貨車明細図集』
 
 

 さて、レタリング貼付の最大の山場。ホキの顔とも言うべき大標記板。ここは本当に失敗できません。当初、分解するつもりはありませんでしたが、細かい位置決めができないこと、取り付けたままでのゴシゴシは力加減が難しいことから、塗装の補修覚悟で大標記板を分解。切り出したシートを正確に位置決めしてテープでしっかり固定。
 
 
 
 
 
 
 
 


 慎重にかつ集中して作業した結果、我ながらイイでき上がり。上端の塗装がはがれたところは、側板アングルの下に隠れます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 組み立てるとこんな感じ。ほほ〜っ。思わず感嘆の声が出て頬が緩みます。久々に至福のとき。ホンモノそっくりですね。自画自賛!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 最後に開閉ハンドルの「開←→閉」。上下方向の位置と水平を見るために、ガイドとして所定の幅のテープを貼付。左右方向は標記のセンターがハンドルの中心位置。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 やはり、あとになるほど要領がわかってうまくいきます。一定水準の技量に上達したときにはもう作業はオシマイ。残念ですね。まるで人生のようです。世の中のことがわかってきたころには人生もオシマイ。(笑)


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
全体が引き締まりました。

 
こんなアングルはどうでしょう。