〔バッテリー交換の詳細〕
 
ACデルコサービスセンター
 
 
 ボンネットの中のバッテリーにはカバーがかかっています。日頃はその中まで目に触れませんし、ほとんど気にすることもありません。以前、たまたまカバーを外した際にオーバーフローの痕跡を発見してビックリ。初代に比べて、二代目のバッテリーは問題がありそうです。今回、低温時にもうスターターが回らなくなりました。早々の交換を念頭にじっくり観察することに。子細な観察は初めて。
 
 カバーを外して目に付いたのがバッテリー液のにじみ。そ〜かあ、メンテナンスフリーじゃなかったんだ。これまで一度も液量のチェックをしたことがありません。これは大失態。その上、以前の液漏れの名残りか、はたまたその後の液漏れが原因か、湯の華状の黄色い粉が表面に飛散。いずれにせよ、この二代目のバッテリーは問題がありそうです。このタイミングでの交換が賢明でしょうかね。
 
 
 
 
 プラス端子には、ワンタッチで脱着可能なレバー。【画像下左】 工具要らずのプジョーのポリシーが伺えます。でも、レバーのPULLは英語だぜ。これに対してマイナス端子はボルト締め。しかも#10より小さいスパナが必要。【画像下右】 以前、マイナス側のケーブルが腐食して断線し、交換したことがあります。バッテリーを固定している斜めの金具のボルトは#10。ボルトを抜くと下のナットがガタガタ動き、抜け落ちないかと心配になります。【画像下中央白丸】
 
 
     
 
 
 
 
 さて、バッテリー本体を取り出してみましょう。え〜と、どこを持てばいいものやら……。周囲の隙間を指で探りますが手掛かりが見つかりません。う〜む、ハンドルくらいあればいいのに……。ん?表面の溝がハンドルの形状。ほらね、ハンドルでしょ。これを取り出して握ると簡単にバッテリーを取り出せました。ただし、重量に対してハンドルの強度が若干不安。無理な力が加わらないように丁寧に。
 
 
     
 
 
 初めてお目にかかる純正バッテリー。【画像左】 正面シールの左上にプジョーのトレードマーク。L2D-12V-55Ah-510A ENやTECNICなどの表示。どこのメーカーのものなのでしょう。右下のバーコードの下に小さくMADE IN UEの文字。UEってどこの国?調べたところ、Union Europeenne、つまり「欧州連合」。英語ではEuropean Union、要するにいわゆるEU。ま、ヨーロッパ製ということですね。
 
 メンテナンスフリーではないことに気付いたので、キャップを外してバッテリーの内部の様子をチェック。【画像右】 しかし、液量などは不明。真っ黒なので外から液面を確認することもできません。不便だなあ。光の反射の具合からはそれなりに液量があるようにも見えます。これでは日頃の液量のチェックが難しそうですね。何かメンテナンスのポイントがあるのでしょうか。
 
 バッテリーを取り出した後のケースはこんな状態。【画像下】 ケース全体はプラスチック製のようですが、マイナス側に金属板の仕切りがあり、これがオーバーフローの影響で赤錆になっています。底には例の湯の華が堆積。見るからに悲惨。しかし、いったいいつこんなことになってしまったのでしょう。掃除をする気力も失せ、再びバッテリーを戻して取付。とりあえず、早朝の低温時以外はセルモーターも回り、一時しのぎは可能。
 
 
 
 
 グローバルブランドのACデルコを探すことにしました。トヨタディーラーの勧めでランクル用のバッテリーをACデルコに交換し、8年間ノントラブルの実績があります。さらに、トレーラー用のディープサイクルバッテリーも、業者の方からお勧めをいただきACデルコに交換しました。アメ車の電装品というとイメージがよくないですが、先入観は禁物。ACデルコのバッテリーは優れものです。しかし、どうやって入手したらいいのでしょう。
 
 とりあえず、いつものブルーライオンに相談したところ、純正品しかないとのこと。まあ、そうでしょうね。でも、ブルーライオン=山口トヨペット。トヨタがACデルコを扱っているじゃないですか。「トヨタ経由でプジョー用のバッテリーを取り寄せてもらえませんか」。しかし、反応はイマイチ。「品番を確認しないと分かりませんが、取り扱いはトヨタ車用だけかもしれません」。さらに「ACデルコがいいかどうかも……」。ええっ、トヨタでは準純正品扱いですよね。それはないでしょう。これはダメですね。
 
 インターネットにはACデルコバッテリーの激安店があります。送料無料に心が動きそうですが、初めての通販のお店には慎重にならざるを得ません。欧州車適合とあるものの、はたしてプジョーにも適合しているのでしょうか。この点も不安です。そのうち、ACデルコJAPANの公式ページがヒット。なあんだ、ちゃんとあるじゃないの。代理店やサービスセンターの情報もあります。全国にまだ数店舗のみ。最寄りのお店は……。北九州市!八幡西区は下関から最も遠方ですが、直接購入に行けない距離ではありません。
 
 
     
 
 
 電話を入れてプジョー用の品番と在庫を確認。翌日、早速訪問。1時間以上かかるので、奥さまも同行して半分ドライブ気分。黒崎駅前の渋滞を我慢してやっと到着。ACデルコ八幡西サービスセンター。西日本では唯一のACデルコ店。建物はまだ真新しい感じ。仕事に追われて忙しいという雰囲気ではありません。広いピットに入庫している車は2台だけ。事前に連絡をしていたので、早速作業に取り掛かっていただきました。
 
 3代目のバッテリーはこれ。【画像下】 品番は欧州車規格の20-55。最初の2は端子の位置、次の0は外形の大きさに関する記号。後半の55は容量。ACデルコのホームページに車種別の適合表があります。ハンドルはしっかりしています。プジョーのバッテリーケースに余裕がないので、大きめの容量に変更するのは無理。交換作業の際には、事前に予備バッテリーを結線して電装品がリセットされないための配慮も。バッテリーケースの中もきれいに掃除していただきました。
 
 
 
 
 交換作業終了。本体19,530円+旧バッテリー処理315円。これが高いかどうかは今後の実績次第でしょう。ところで、取付が終わったバッテリーを見て、あれれ? 充電状態を確認できるインジケーター(内臓式比重計)が見当たりません。これが優れものなのになあ。よく見ると、固定金具の下に隠れてしまっています。「日本車から欧州車まであらゆる車種に対応した製品」がウリのACデルコにしてはお粗末。利用者の声を製品に反映させることに力を注いでいるらしいのですが、私の声が届くでしょうか。「インジケーターの位置を改善してくださいよ〜」。
 
 
 

 
 【後日談】 このままでは声が届かないと思い、東京品川のACデルコに電話を入れました。正確には、ゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパン株式会社 ACデルコ事業本部。電話応対の男性は、眠そうで覇気のない、だるそうな声。ありゃ、とんでもないハズレ企業だったかな。「お客様相談窓口ですか」「いいえ、少人数でやっていますので、そのとき部屋にいる者が対応しています……」。そちらの内部事情はこちらには関係ありませんけど……。

 「ACデルコのバッテリー、すぐれものと思ってプジョーに載せたのですが、せっかくのインジケーターが固定金具の下になって見えないのですよ」。この「バッテリー」の言葉に先方のスイッチが入った模様。急にハキハキと饒舌に変身。たまたまバッテリー担当の方だったとのことで、それ以降、詳細で丁寧な説明をしていただきました。欧州車はバッテリーを下端の突起で固定するのが普通。日本への輸入段階で金具によって固定する仕様になっているので、そうなってしまうとか。
 
 「インジケーターを付けたセルの位置をずらして変更するしかありません。それなりの費用負担もあり、すぐにできることでもありませんが、検討させていただきます」。トヨタ車にも同様のクレームが出ている事例があるとも。プジョーについては、初めての情報だったそうです。次回の交換のときに改善されているとうれしいな。最初はどうなることかと思いましたが、最終的にクレーム対応は合格点。ややタメグチ風の話し方も、専門的な内容を伴なうと、むしろ誠実な技術屋さんという印象でした。