〔床板の塗装と組立(その2)〕
 
 
 塗装から組立までやや時間がかかっているのはなぜでしょう。組立を始めようとして気がつきました。荷物室側の端梁はデッキ側と違って、一部分を床板のこげ茶色にしなければいけなかったのです。荷物室の室内部分にもつながっています。そこで、マスキングして黒色にこげ茶をスプレーすると、あらら塗装の表面がチリチリになってしまいました。塗料を重ねてごまかそうとすればするほど深刻な事態に。
 
 そっ、そうだったのかあ。これが重ね塗りの順序かあ。黒色はエナメル、こげ茶色はラッカー。ラッカーの溶剤がエナメルの塗装を侵してしまったわけです。なるほどね。こうなるのですね。よく分かりました。同様に、デッキ踏段の支持に使ったアルミアングルを煙突上部の支持に使い回したところ、黒色に重ねたプラサフでも同じ現象。【画像下左】 塗料の種類の使い分けが大切なわけです。勉強になります。
 
 この端梁はもうきっぱりあきらめて再塗装。一晩シンナーに漬けておいたところ、翌朝ブラシでこすると、きれいに真鍮地金が現れました。おっ、ゴム手袋はシンナーには使えないのですね。すぐに破れてしまいます。これも勉強。で、端梁にまずプラサフ。次にラッカーのこげ茶色。それからマスキングしてエナメルの黒色。今度は大丈夫。端梁のツートーン塗装が完了。【画像下右】
 
 
    
 
 
 さて、組立を始めるにあたって気になっていることがあります。ほとんどボルト・ナットですが、ボルトの頭が上でしょうか。それともナットが上でしょうか。見た目の格好よさだけで決めていいものでしょうか。クラウンモデルの図面にヒント。カプラーポケットの図面では、連結器を取り付けるボルトは頭が上。下側にナット。【画像下】 しかし、これでは連結器の取り外しができなくなるので、これまでの加工段階では採用せず、ボルトの頭を下にしていました。ところが、試験走行の際にボルトが抜けて連結不能になってしまったわけです。
 
 
 
 
 やはりボルトの頭は上が正解。万一緩んでナットが外れても、ボルトだけは抜け落ちないという保証ですね。このような「安全側に働く機構」の発想はいろんな機械や車などに見られます。宅配トラックなどの荷室のドアロック、大型トラックやクレーンに積載している落ちそうで落ちない車輪止め、敷き板、スコップの類などです。たとえ人がミスを犯しても、また機器が思わぬ動きをしても、必ず安全な方向へ自然に動いて事故を未然に防止するわけです。このような機構には、それを作った人の責任や優しさといったことさえ感じられます。
 
 ボール盤のドリルの食い込みはプロでも怖いということと合わせて、この「安全側に働く機構」のことを私に教えてくれたのは、金属加工の師匠ミスターMでした。ところで、このところちっとも登場されませんが、どうしたのでしょう。委細をお知らせしましょうね。こちらです。

 
 


 さて、組立開始。組立の手順をよく考えた方がよさそうです。加工時には、チャンネルの間にあとから補強材を強引に入れ込むことになりました。同じ手順で組み立てると、チャンネルの塗装にキズがつきます。そこで、中央から外側へ順番に取り付けていくことにしました。これなら無理やり押し込まなくても済みますからね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 当面ネジは仮止めのまま。全体の取り付けが済んだあとで増し締めをしてしっかり固定します。あそびを残して組み立てやすくしておきましょう。そう考えました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 床板の組立の一番のポイントは連結器の取付。力が加わるところですので、しっかり組み立てないといけません。連結器本体を端梁の穴に通して固定ボルトを入れます。もちろんボルトの頭が上。画像は裏側ですからボルトの頭は下。その他に連結器の取付板とナット。
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 連結器を取付板にしっかり固定します。もちろんロックタイトを忘れずに。余分なロックタイトを拭き取っているうちに、塗装が薄くなってしまいました。やはりエナメル塗装は弱いなあ。焼付塗装へと心が動きますが、これは今後の課題。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 端梁と連結器の取付板を中央のチャンネルに取り付けます。連結器はここで取り付けておかないと、あとからではもう作業ができません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 中央から外側へ順番に補強材、チャンネルを取り付けていきます。両サイドのチャンネルは分解しないまま塗装しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 続いてT字補強材。片側7つで1つに取付ネジが4つ。手間のかかる繰り返し。累積したあそびをここで解消します。力を入れてアングルを押さえ付けなければいけない箇所も。まあ、その力で軸箱守とバネ釣が安定するわけです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 最後にデッキ踏段の取付。ツートーンの床板の黒色部分に踏段がくるわけです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 チャンネルや補強材の取付ネジにロックタイトを着けるかどうか悩みました。余分なロックタイトをきれいに拭き取るのは至難のワザ。しかも塗装に影響しそう。で、結局ロックタイトはあきらめ、ナットに黒色の筆塗りだけ。塗装の皮膜が緩み防止になるかなと……。キラキラの真鍮色が消えて黒一色になると、なんとも言えないいい感じ。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
床板の組立完了