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定年退職からの広島の山

2024/04/07 更新
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市・区・町名称標高地形図(2万5千)
1広島市安佐北区白木町白木山(しらきやま)888.9m
2可部可部冠山(かべかんむりやま)735.6m
3可部堂床山(どうとこやま)859.6m
4可部福王寺山(ふくおうじやま)495.9m
5口田松笠山(まつかさやま)374.3m
6口田二ケ城山(ふたつがじょうやま)482.8m
7安佐町牛頭山(うしずやま)689.0m
8白木町神ノ倉山(かんのくらやま)561.2m
9上深川木ノ宗山(きのむねやま)412.7m中深川
10可部高松山(たかまつやま)338.7m可部
11長者山(ちょうじゃやま)571.0m中深川
12立石山(たていしやま)500.0m中深川
13白木町鎌倉寺山(かまくらじやま)613.0m井原市
14安佐町荒谷山(あらたにやま)631.3m祇園・飯室
15安芸高田市向原町鷹ノ巣山(たかのすやま)921.8m
16吉田町郡山(こおりやま)402.0m
17甲田町大土山(おおづちやま)799.8m
18高宮町大狩山(おおかりやま)590.9m
19美土里町犬伏山(いぬぶしやま)791.2m生田
20高宮町面山城跡(めんざんじょうあと)428.0m前川
21相合風越山(かざこしやま)555.3m安芸横田
22美土里町火神城山(ひかみじょうやま)610.0m八重
23八千代町堂床山(どうとこやま)739.6m佐々井
24安芸太田町横川恐羅漢山(おそらかんざん)1346.2m
25横川十方山(じっぽうざん)1318.8m
26中筒賀天上山(てんじょうざん)972.3m
27上筒賀立岩山(たていわやま)1134.9m
28上筒賀市間山(いちまやま)1108.7m
29松原深入山(しんにゅうざん)1152.5m
30丸山(まるやま)445.8m加計
31加計五輪山(ごりんざん)832.7m加計
32大箒山(おおぼうきやま)1013.3m加計
33内黒山(うちぐろやま)1082.0m三段峡
34砥石郷山(といしごうやま)1176.9m三段峡
35北広島町都志見龍頭山(りゅうずやま)928.3m
36八幡臥龍山(がりゅうざん)1223.2m
37才乙中野冠山(なかのかんむりやま)1002.9m
38才乙一兵山家山(いっぺいさんかやま)951.8m
39土橋雲月山(うんげつざん)911.2m
40田原熊城山(くまのじょうざん)997.4m
41阿佐山(あさやま)1218.3m石見坂本・大朝
42大潰山(おおづえやま)997.3m臥龍山・波佐
43高岳(たかだけ)1054.3m三段峡
44志路原火野山(ひのやま)705.4m志路原
45豊平大丸峰(おおまるみね)778.5m琴谷・加計
※「ひろしま北里山ガイドブック」「同 Second Edition」より作成

 学生時代には山歩きをしていた。といっても、もっぱら広島県内、とりわけ県北西部の近隣の山。県外遠征といえば、山陰の大山、四国の石鎚山くらい。一度北アルプスにも行ったかな。薬師岳だったっけ。記憶も曖昧。その頃のガイドブックといえは、広島修道大学ワンダーフォーゲル部の『旅鳥 広島の山歩き』。手元のものは、昭和51年発行の第2版。初版は昭和48年。巻頭の地図には、赤鉛筆で色付けされた山頂がいくつかある。登頂の印だろう。無印もかなりある。



『旅鳥』広島県地図(※可部線は三段峡まで!)

 私が遅れて大学に入学した年、先に入学していた高校の同級生のケイちゃんが冬の北アルプスで遭難して亡くなった。大学では、山岳部ではなく、ユースホステルサークルに入部した。山登りというよりバックパッカーの山歩き。芸北に拠点となるサークルの山小屋がほしかった。図面が完成した頃、現地調査に行った2名の部員のうちピッケが雪の中で動けなくなり帰らぬ人になった。それ以来、広島の山から遠ざかってしまった。

 定年退職後、週2回の筋トレは無酸素運動が中心。「有酸素運動も疎かにするな」と言われてジムの自転車を漕いだこともある。どうも性に合わない。どうせなら屋外で山歩きはどうだ?『旅鳥』にはまだ無印の山がたくさんある。手元にはもう1冊、中国新聞社の『リュックかついで 広島の山歩き』(1980年)もある。『旅鳥』とともに「広島の山歩き」に誘っている。「定年退職からの広島の山」いいんじゃないの?


 しかし、40数年も前のガイドブックだけでは心許ない。最新の山歩きの情報がほしいなあと思っていた矢先、行政広報誌「区報あさきた」の記事をたまたま目にした。広島北部地域市町観光連携事業実行委員会というところが「ひろしま北里山ガイドブック」なるものを発行しているのだ。広島市安佐北区、安芸高田市、安芸太田町、北広島町の連携事業らしい。2冊あって、一方は役所の地域起こし推進課で無料配布、Second Editionは300円。私のイメージする地域にちょうど重なっていて、これは役に立ちそうだ。

   

 早速入手。登頂記録を記入するページもあり、コンプリートすると認定証や記念品がもらえるらしい。スタンプラリーは嫌いではないが、40数年ぶりの山歩きなので何が起きるかわからない。あまり意識しないことにしたい。とりあえず里山の一覧表を作りましょう。冒頭の表がそれ。コンプリート目的ではなく、有酸素運動のための山歩き。

 「定年退職からの広島の山」を始めるにはまだ必要なものがある。登山靴。日本アルプスやキリマンジャロに挑戦する気はさらさらないので、本格的な装備を揃えようとは思わない。ただし、靴は重要。以前のものはもう使えない。山登りが趣味の知人にお願いしてお店を紹介してもらった。同行していただくだけかと思いきや、どうやらいっしょに同じ靴を買うらしい。お店の方のお勧めのままに決定。LA SPORTIVAというイタリア製。


 よく見ると値札がついていない。「おいおい大丈夫か」と知人に尋ねたが、「まあ数万程度じゃろ」とのこと。さすが何億もする機械の商談をする企業経営者は金銭感覚が違うなあ、と年金生活者の私は恐れ入った次第。帰宅して奥さまにその話をすると、「今後いっしょに買物に行ってはいけません」とキツく叱られました。あはは。さて、里山一覧表もできた、登山靴も手に入れた。さあ、「定年退職からの広島の山」を始めましょう。(2022/11/04)

*   *   *

 広島の山の冊子をいただいた。山口積『山歩き・夢歩き』尚文出版、2005年。全32座に及ぶご自身の登山の記録だが、大部分が広島市内とその周辺の山々。登山ルートは地図の図面ではなく、遠景のイラスト。なんといってもこのイラストが素晴らしい!絵心のある方とお見受けしました。近所の山歩きへの動機付けにもってこいです。(2023/07/01)





[1座目]大土山(おおづちやま)安芸高田市甲田町、799.8m 2023/02/25 登頂

 登山靴を購入して数ヶ月が経過。広島北西部は冬期積雪もあり躊躇していた。やっと春のきざしが感じられる頃となり、最初の挑戦は大土山。ガイドブックでは、憩いの森から出発し、尾根に築かれた土塁に沿う反時計回りのルートが紹介されているが、あえて逆回りのルートを選択。車道を登る方が勾配がゆるく、高齢者向け。(笑)
 最初に目にする白い大鳥居には、おおっと声がでる。その鳥居の後方に「千畳敷」と呼ばれる巨岩。ほかにも「南無阿弥陀佛」が刻まれた大きな「念仏岩」、くぐれないと思われる「潜岩(くぐりいわ)」など見所もある。
 三角点のある山頂はアンテナ鉄塔に占領されていてちょっと残念。高校生だった50年前に登ったときにはこんなものはなかった... 。「今は昔」ということか。



[2座目]龍頭山(りゅうずやま)北広島町都志見、928.3m 2023/04/09 登頂

 子供が小さい頃どんぐり村によく行った。龍頭山がその最寄りとは知らなかった。最初に別荘地の一直線舗装急坂があるが、その後の駒ケ滝は見応えあり。尾根を登りきったところで展開する景色は最高。出発点のどんぐり村が眼下に見える。稜線歩きは気持ちいい。山頂に着いたと喜んだが、中龍頭のピークだった。前方にさらに高い本当のピークが現れてガクッ。この種の落胆は山歩きではよくある。階段状の急坂を上り詰めると今度こそ本当の山頂。360度の眺望に疲れが吹き飛ぶ。近隣の山々だけでなく、広島湾から大山まで。多人数のグループもあり、ポピュラーな山なのかな。下山後、どんぐり村の龍頭温泉に入って帰宅。
 後日談。翌日から大腿四頭筋に筋肉痛。階段状の急坂が効いたかな。筋トレでは筋肉痛にならんのに。



[3座目]臥竜山(がりゅうざん)北広島町八幡、1223.2m 2023/05/20 登頂

 芸北高原自然館からのアプローチは、草刈りが行き届きよく整備されている。霧が出てちょっと肌寒い。登山口からは新緑の木立の中を進む。同行者はこの近辺でに出くわしたことがあるという。慎重に対処して事なきを得たそうだが、一応熊鈴も。ところが、尾根が急になったあたりから環境は一変。大量のブヨが執拗にまとわりつき、熊どころではなくなった。ブヨには山頂まで悩まされた。途中に「雪霊水」の湧き水がある。山頂の展望はない。食事を済ませて早々に下山開始。猿木峠に向かう稜線はなだらかで歩きやすいが、ここも展望はない。前回の龍頭山と同様、翌日から大腿四頭筋の筋肉痛。下りの段差のせいだろう。新緑の森林浴で心癒されたものの、疲れが吹き飛ぶ展望もなく、ブヨの攻撃と筋肉痛。せめて熊に出会わなかったことをよしとしよう。八幡原には牧野富太郎の句碑がある。



[4座目]白木山(しらきやま)広島市安佐北区白木町、888.9m 2023/06/10 登頂

 白木山は挑発的な山である。一部緩やかな尾根があるものの、始終傾斜の険しい急坂ばかり。どうだキツイだろう。悔しかったら何往復も登ってみろ。そう挑発されている気がした。事実、山岳競技のトレーニングに使われることもあるという。ただし、この険しさに耐えて山頂に到達すると、そこは360度の眺望が展開する至福の場所。ちゃんとご褒美も用意されている。この挑発を真に受けると、病みつきになるのかもしれない。白木山はそんな山である。しかし、私は山岳競技に出場しないので、白木山は一度で結構(笑)。夏用の「登山」メッシュキャップを初着用。



[5座目]牛頭山(うしずやま)広島市安佐北区安佐町、689.0m 2024/03/15 登頂

 同じ町内でもあり、自宅から徒歩で挑戦。登山口までは舗装の昇り車道。野外活動センター管理事務所で登山の手続きをする。「どこに駐車されましたか」「歩いてきました」「えっ……」。ピークが2つ。東峰ルートは整備されていないらしく、西峰を目指す。ここまで歩いた距離に比べるとすぐのはずだが、途中から鞍部までは、足場の悪い急傾斜のロープ場が続く。脚力だけでなくロープを握る腕力も必要。しかし、山頂は全方位の最高の展望。かつて山城があったのも頷ける。ロープ場の下りは要注意。1回こけただけで済みました。登山口近くで、左右両ストックの中年ご夫婦に出会った。「ロープ場大変でしたよ」とお伝えしたが、さてどうされたかな。久々の山行。思いの外足腰が疲れた。次は登山口まで車かな。いえロープ場は一度でもう十分です。(笑)



[6座目]高松山(たかまつやま)広島市安佐北区可部、338.7m 2024/04/06 登頂

 地元の山城第二弾。牛頭山は地名に残る小河内氏の居城だったが、高松山は熊谷氏の居城。根谷川側登山口から。谷筋ではなく尾根をという情報なので、いきなり尾根を目指したところ藪こぎに。赤いテープを見つけてホッとした。山城の立地らしく急峻な登山道。守りやすく攻めにくいということか。高松神社から山頂まではすぐ。山頂で後続のご婦人に出会った。近所にお住まいで、月1回は登るとか。尾根の取り付きの話をしたところ「これをつけておきましょう」と例の赤いテープ。チョコレートをいただきました。疲労困憊に見えたかな。昼食は自宅でとすぐ下山された。私は弁当を済ませて上原へ下山。こちらのルートもまた急峻。2回こけました。帰途、登頂のご褒美に旭鳳酒造で蔵元限定販売の純米大吟醸!「むかし登ったけど、急傾斜なのでそれきり」と女将さん。私も急傾斜は苦手です。