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ポイント設置場所の道床はこれまで2回施工し直している。最初は玄関前の敷石の水勾配に合わせて道床と敷石が連続するイメージ。でも、線路を置いて車両を走らせると微妙に傾いて変な感じ。そこで次に、敷石に接した道床を水平にした。機関車もここを初走行。ポイントがなければこれで十分でした。
しかし、ポイントを設置すると支線側の線路が水勾配によって傾いてしまう。どうするか。(1)支線の枕木を水勾配に合わせて斜めに削り取る。(2)敷石を水平に削る! いずれも施工上現実的ではない。落ち着く先は、(3)支線の線路が水平になるように本線の道床を嵩上げする。これでしょう。道床工事はすでに十分経験しています。
それでもまだ問題が残る。(1)支線の線路が水平になっても水勾配はそのままなので、枕木の下に隙間ができる。これをどうするか。(2)ポイント部分の嵩上げとともに既存の本線全体を嵩上げするか。少なくとも後者(2)の必要はないでしょう。新たにできる段差は線路に勾配を付けて解消すればいい。
とりあえずポイントを置いてみましょう【画像左】。ただし、このままでは側線を敷設できない。分岐部分の本線と側線の枕木が干渉してしまう【画像右】。こうなることは、これまで参加した運転会のレイアウトで見聞していた。
枕木をカットします。以前、糸ノコでレールを切断して苦労したので、今回は金切りノコ。簡単に切れました。長さもピッタリでいい感じ。ここまでの作業は冬休み明けのウォーミングアップ。本題はこれから。
本線の道床を嵩上げするにしても、どれだけ上げればいいのか。線路に水準器を置くとこんな感じ。誤差と見るにはやはり傾きすぎ。 |
本線の道床をどれだけ嵩上げすればいいのか。横木が水平になるように本線側を持ち上げてみます。大体これくらい。10mm前後かな。右端のマーキングが支線の枕木の端。 |
石板の下に砂を追加して道床を嵩上げ。ここが線路の高さの基準になる。 |
続けて玄関前の道床を嵩上げする。この場所は下が地面なので比較的簡単。手前のブロック1つまで嵩上げするところがミソ。この部分にちょうど線路の継目があります。この継目から先に勾配を付けて嵩上げの段差を解消する作戦です。 |
線路の継目を勾配の始点と終点にします。線路1本1500mm、ブロック8個分。勾配を示す水糸を張りました。これは上位側。嵩上げしたブロックの先端に水糸を合わせる。 |
こちらが下位側。既存のブロックの先端に水糸を合わせる。 |
施工箇所の全体。水糸に合わせ、新たに砂を入れてブロックの傾斜を調整。もちろん左右は水平に。斜めに張っても「水糸」って言うのですかね? |
ブロック8個を並べ替えました。最後の1つが元通り入るか心配でした。ブロックが斜めになるので、理屈上、両端の隙間分だけ全長が長くなります。でも元通り入ってホッとしました。 |
施工後の道床に線路を置くとこうなります。といっても、見た目はこれまでと変わりませんね。A−B間が勾配区間。1500mmで10mmの勾配ですから1000mだと6.6m。つまり6.6‰(パーミル)。
まあ、勾配というほどのものではないかもしれません。実際、乗用台車を走らせてみると水平な場所と何ら変わりません。これなら機関車が空転することもないでしょう。いずれ勾配標を設置したい。当庭園鉄道で唯一の勾配区間ですからね!
唯一勾配が確認できるのは、下位側Bの継目。密着して上り勾配の始点であることを示しています。 |
道床の両サイドを埋め戻して作業完了。メインページの画像はこの画像でした。 |