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TOYOTA HZJ81V + BURSTNER 350N
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 そもそもの始まり

 高校生時代、山岳のクラブだったので(軟弱な部員でしたが)、テントで寝泊まりすることには、まったく何の抵抗もありませんでした。結婚してからは、ファミリー・オートキャンプ。でも、1泊だけのキャンプでは、のんびりしたくても、ちっとものんびりできません。テントやタープの設営、撤収、食事の準備、片付けなど、休む間もない重労働。帰宅して片付けが済むとホッとします。これは何か違うんじゃないの?

 というわけで、ある時期から連泊キャンプにしたわけです。そうすると、確かに時間にゆとりはできましたが、今度は、テントで3泊以上するのはつらい、雨にあう可能性が高い、という新たな問題が発生しました。じゃあキャンプやめよう、という選択肢もあったわけですが、そうはならず、結局、連泊滞在キャンプにはキャンピング・トレーラーかな、ということになりました。

 自走式のキャンピングカーのことは、初めから全然考えませんでした。値段も高いし、プラスアルファするには維持費もかかります。鉄道模型もそうですが、小さい頃から、連結して動くものに妙に興味をもっていました。ヨンマルからハチマルに乗り換えたときも、これならトレーラーも引けるなあ、と漠然と考えていました。
 


 

 納車まで

 そうは言っても、欲しい物がすぐ手に入るわけではありません。いくつもの困難なハードルがあります。

 【第1のハードル】 まず第1は、何と言っても、家族の同意です。これをクリアしない限り、夢の実現はあり得ません。いい加減に説得して無理強いすると、得たもの以上のものを失うことになるのは、火を見るより明らかです。くわばら、くわばら。

 対応】 まだ小学生と幼稚園児だった子供たちの合意を得るのは、比較的容易でした。日頃から良好な人間関係を維持していることがポイントかもしれません。しかし、良好な人間関係だけでは合意を得られない手ごわい家族がもう1人います。説得のポイントは、(1)長期滞在キャンプでの快適な睡眠、(2)キャンパーの少ない冬場に暖房のきいた室内で快適なウィンター・キャンプ、(3)ホテルで長期滞在することを考えれば宿泊費用が破格に経済的、(4)うまく使えば自宅の部屋がもう1つ増える(私の書斎ができる)、などでした。これらの諸点にご賛同いただけるかどうかは、次の第2のハードルを越えられるかどうかにかかっていました。

 【第2のハードル】 我が家の場合、最大の難関は、購入の資金です。お金はありません。じゃあ我慢して諦めよう、っていうのが社会通念ってものなのかもしれませんが、それは悔しい。こういうときこそアイデア。

 【対応】 彼女の一言が貴重なヒントを与えてくれました。「家計の負担が増えるようじゃ困るでしょ。」 ……ん? 負担が増えなきゃいいわけか。ハチマルのローンの返済が完了するのは何年後だったっけ? 月々の返済額が同じなら問題ないってことだよね。いまだって負担になるような金額じゃないしさ。あとはひたすら待つだけでした。3〜4年待ちましたかね。(まあ、ヘソクリもしましたけど。)

 【第3のハードル】 キャンピング・トレーラーの購入で意外にてこずるのが、駐車場です。登録には自動車保管場所証明書、いわゆる車庫証明が必要です。近所の月極駐車場をあたってみましたが、まず、空いた駐車場を探すのに一苦労。しかもどれも5Mしかありません。トレーラーは、ドローバー(連結装置部分)まで入れると、全長が5Mを越えてしまうのが普通です。ということは、尋常なやり方では、条件のよい駐車場はまず確保できないってこと。でも、ここで諦めるのは悔しい。

 【対応】 自宅のハチマルの駐車スペースが、たまたま5.5Mありました。どうにかトレーラーの保管場所に使えそうです。でも、そのスペースではハチマルの車庫証明を取っていますので、そのままではダメ。まずハチマルの駐車場を別に確保して保管場所変更届をし、それからトレーラーの保管場所として申請し直す、という手続きが必要です。たまたますぐ近所、家から見えるところに、新たにハチマルの駐車スペースを確保することができました。その後、警察署の車庫証明窓口に何度も通いました。地主さんの承諾書も必要です。地主さんのご自宅に直接お伺いしてお願いしました。所在図・配置図の図面も自分で書いて、結局、2台分の車庫証明手続きをしましたが、費用は申請の印紙代だけでした。

 【第4のハードル】 最後のハードルは、車種の選定。何でそんなことがハードルなの?と思われることでしょうが、欲しいもの、必要なものを手に入れたい、というこだわりですかね。近い将来、夫婦2人だけで使うことを前提すれば、そんなに大きなサイズでなくても十分。当面、親子4人みんなが快適に寝るために、ダブルダイネット(セミダブルベットが2つ展開可能)は必須、また、トイレやシャワーは不要、と考えました。しかし、既存の車種には、そういう室内レイアウトのものが見当たりません。でも、妥協はしたくない。

 【対応】 当初は、アルクの「エスカル」を念頭に置いていましたが、「第2のハードル」の前で待っている間に、在庫がなくなってしまいました。その後、「エクセル」にダブルダイネットのモデルが導入されましたが、こちらは値段が高くて手が出ない。雑誌『オートキャンパー』を定期購読しながら、とにかく待ちました。そして、『オートキャンパー』のウッドランドの広告でバーストナー350Nを見つけたわけです。親子4人でジャストサイズ。夫婦2人ならゆとりもある。そのときすでに、「第2のハードル」を越えかかっていましたので、迷わず決めました。
 
 このようにして、苦難の末に、いくつかのハードルを乗り越えて、いよいよ発注。ウッドランド(東京)の最も西寄りの販売代理店が、たまたま最寄りの美祢市にありましたので、そのお店で売買契約。牽引するハチマル側の電気系統の配線、ヒッチメンバーの取り付けも、すべてそこでお願いしました。ヨーロッパから船で来る、ということで、納車まで3ヶ月近く待ちました。

 

 

 納車の日

 トレーラーは、美祢のお店の方が直接東京まで行って、自分のハチマルで陸送してくれました。運送業者に依頼すると、結構な金額になってしまうとか。陸送代は、特に請求されませんでした。
 
 雑誌広告を見ただけで発注したので、実は、現車を見るのは納車のときが初めてでした。名古屋か東京まで行かないと展示車がない、ということでした。自分らしからぬ乱暴な発注の仕方ではありましたが、ご対面の結果、まあ思っていた通り。予想に反してがっかりしたという点は特にありませんでした。
 
 美祢のお店から山口の陸運支局までは、いきなりでしたが、私が運転して陸送することにしました。助手席にお店の人がいるので、まあ安心です。事前に聞いていた通り、前進する分にはまったく何の問題もありません。いつも通りセコ発進もできますし、内輪差もほとんどありません。ただし、全長が長くなる分、追い越した後の車線変更、交差点の右折などには注意がいるようです。高速道路の上り坂が辛いのは、我が家のハチマルがノンターボだからでしょうか。
  
 陸運支局で1時間位待って、やっとナンバーの交付、封印。ちなみに登録番号は「山口88に・・81」です。山口県じゃ、まだ81台なのかあ。いわゆる「陸事渡し」がこうして完了。(【画像上】車体番号を確認する係官)
 
 美祢のお店からは1人で牽引して帰宅。特に問題なし。早速、切り離して玄関前の保管スペースに人力で移動。思いの外軽くて簡単に終了。ただ、このスペースが若干傾斜していて、片輪に10センチのセメントブロックを噛ませないと左右の水平が出ないので、ジャッキアップするわけですが、初めてのことで、結構汗をかきました。前後の水平はアウトリガーで調整。というわけで、水準器は必需品です。(【画像下】玄関前のトレーラー)
 
 とりあえず、室内を適当に片づけ、電源を引いて、テーブルをセットして、奥さんとビールで乾杯。やがて子供たちも学校から帰って来て、中でわいわい大騒ぎ。夕食もトレーラーで食べました。当然トレーラーに泊まろう、ということになるわけですが、夕方から大雨になり、窓も開けられず、とれあえずこれは延期。
 
 そんなふうにして、あっという間に納車の1日が過ぎてしまいました。発注から3ヶ月。ハチマルの次はキャンピング・トレーラーかな、と思ってから3〜4年。その間、ニフティ・フォーラムのFCAMP、その筋では言わずと知れた平賀さんのホームページ(「ひらが家のトレーラーライフ」を心の支えに、雌伏を続けておりました。玄関先にトレーラーがあるのを見ると、夢のような気分です「でへへ」